実際、年金生活でどれくらいお金が必要なのか。いくら貯蓄があれば安心して老後を迎えられるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、愛知県在住65歳女性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール
回答者本人:65歳女性同居家族構成:本人、夫(61歳)
居住地:愛知県
リタイア前の職業:公務員
リタイア前の年収:700万円
現在の資産:預貯金650万円、リスク資産なし
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:国民年金38年、厚生年金38年(2015年までは共済年金)
現在の収支(月額)
老齢基礎年金(国民年金):なし(68歳まで繰り下げ予定)老齢厚生年金(厚生年金):20万円(加給年金を含む)
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):個人年金保険50万円(年額・70歳まで)、共済年金4万2000円(80歳まで)
年金以外の収入:放課後デイサービスのアルバイト(週6時間・2万8000円)、小学校非常勤講師(2024年6月から週15時間働く予定)
配偶者の年金や収入:給与収入300万円(年額・郵便局の非正規職員)
ひと月の支出:約25万円
「年金だけで普通に暮らしていけるが……」
現在、預貯金で650万円所有しているという今回の投稿者。自身の老後資金について貯めすぎと感じているか、それとも足りないと感じているか、との質問には「現役時代にもっと貯めておけばよかった」と回答。
その理由として、「将来的に、贅沢せず普通に暮らしていけば、自分と夫の年金で生活が可能と思われるから、あまり不安はありません。ただ、医療や介護にかかるお金ついては、不安があります。夫と自分の両親は、介護らしいことがほとんどなく他界したので自分達がいざというときいくらぐらいかかるのかわかりません。しかし、足りないと考えるのはその部分のみです」と語っています。
「老後資金は1000万円でも十分」
現役時代は、老後資金として「2000万円」貯めることを目標に考えていたそう。「若い頃は(老後について)考えたこともありませんでした。50代の終わりごろ『老後2000万円問題』を知りました。当時は、自分の退職金も知らなかったので、本当に漠然と2000万円とか考えていました」と振り返ります。
ただ実際に年金生活をしてみて、老後資金としては「1000万円」でも十分だと感じているそう。
「実際に退職金をもらい、住宅ローンの完済や部屋のリフォーム、娘への贈与等に使った後、500万円ほど残りました。2000万円にはほど遠い金額ですが、この先の年金収入(夫と2人で手取り年340万円?)共済年金(15年間で900万円)等を考えると、現在の貯蓄額プラス500万円ほどあればよいのでは?と思います」と投稿者。
「夫は65歳までフルタイム、それ以降は年金をもらいながらアルバイト、自分もあと1~2年は年金をもらいながら働き、貯蓄額を1000万円に近づけたいと考えます」とあり、当面の間安定した働き口があることも今の安心感につながっている様子です。
「浪費癖のある夫に苦労もした」
今の生活については、総じて「満足している」と投稿者。とはいえ現在の心境に至るまでには苦労もあったようで、「特別支給の老齢厚生年金を63歳でもらい始めた頃から、浪費癖のある夫に危機感を持たせる努力をしてきました。一人娘が独立したこともあり、夫婦2人で年金で暮らしていく、というイメージを夫に持たせることができました」とのこと。
また、「自分が特に大きなピンチもなく今に至っているのは、公務員で安定した収入とそれなりの退職金、男性並みの年金が確保されていたことと、子どもが一人で教育費にそれほどお金がかからなかったこと、両親の介護がなかったことなど偶然の要因」が重なったためと語ります。
最後に現役世代へのアドバイスとして、「若い頃から自分に必要な情報を収集することは必要かと思います。20代の娘夫婦は、私たち夫婦より色々考えているようです。若い世代には、後悔しないように準備していただきたいと思います」とコメントを残されていました。
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