男のこだわりグッズ

「黒豚のパズル」が中国で大ヒット、今や外国人観光客に人気のお土産に!「解体パズル」の開発秘話

牛の肉やホルモンがどの部分にあって、どういうサイズ感なのかを理解しながらパズルが楽しめる「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」は、今も人気が続く大ヒット商品です。「解体パズル」シリーズの歴史と開発の秘密を、メガハウスさんに聞いてきました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

焼肉パズル

メガハウス「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」1980円(税込)。このように、牛肉の各部位ごとに切り分けられたパーツで構成されたパズル。胴体だけでなく、首の肉やタン、ホホ肉なども解体できるようになっている

メガハウスの「解体パズル」シリーズは、2016年12月に始まって、2024年1月に発売された最新作「解体パズル ホホジロザメ」まで、ラインアップも10種類を超える人気シリーズです。

その第1作、「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」は、牛の肉の部位がそれぞれパズルのピースになっていて、焼肉でおなじみのメニューが、牛のどの部分の肉なのか遊びながら学べてしまうだけでなく、組み上がったらフィギュアとしても飾れることから、焼肉店にも喜ばれて、大ヒット商品になりました。
解体パズル「マグロ」

メガハウス「一本買い!!本マグロ解体パズル」1980円(税込)を組み立て中。このように、表に出ている部分だけでなく、まず反対側の身を配置して、その上に中おち(なかおち)をセット、さらに赤身(あかみ)、その上にまた腹や背中の部分を置くなど、見えない部分もリアルに再現されているのだ

「『一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-』は新聞に掲載されたり、焼肉店さんが取り上げてくれたり、食肉業界の業界紙にも載りました。本当に一世を風靡(ふうび)したんです。それなら、シリーズで次作を考えようということになって、解体だったらマグロでしょうということで、翌2017年に『一本買い!!本マグロ解体パズル』を発売しました」と、解体パズルの歴史を教えてくださったのは、現在、解体パズルのプロジェクト全体を統括している株式会社メガハウス トイ事業部企画チームの押尾雅弘さん。

実はこの解体パズル、そもそもの発端は2014年に発売された「人体模型」をモチーフにしたアクションゲーム『放課後の怪談シリーズ 恐怖!ドキドキクラッシュ人体模型』でした。これが評判がよく、「放課後の怪談」シリーズとして展開した「模型復元パズル」のひとつとして、牛の解体パズルも発売されました。ただ、人体模型は人気があったものの、放課後の怪談シリーズ自体は継続しませんでした。

焼肉店にも好評だった、温めると色が変るパーツなどのギミック

変色するパーツ

肉は指先でこするなどして温めると、最初は赤いのに徐々に写真のように白っぽくなっていく。焼肉の火が通っていく過程を再現しているのだ

「シリーズ自体を一旦見直そうという中で、牛を“焼肉”というコンセプトで出したというのが最初なんです。パーツ自体は、以前に出したものと同じなのですが、焼肉なので特殊な塗料を使って、指先で温めるとパーツの色が赤色から茶色に変わる機能を入れたり、焼肉っぽさを強調するためにお皿のパーツを入れたりしました」と押尾さん。

このシリーズ、実際にパズルとしても楽しいのですが、飾ったりできる工夫や、ちょっとしたユーモアが入っていたりするのが特徴で、そのスタイルは最初の「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」から現在にも継承されています。

実際、この製品が発表されたときの東京おもちゃショーを取材した際、その発想の面白さに感動して記事を書いた覚えがあります。パズルで知育玩具でフィギュアで、細部までよくできている上に、きちんとユーモアやおふざけを入れる、その姿勢が素晴らしいと思ったのです。

>次ページ:牛、マグロ、豚、カニ、鶏、フグ、羊と続き世界的なヒットに
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