メガハウス「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」1980円(税込)。このように、牛肉の各部位ごとに切り分けられたパーツで構成されたパズル。胴体だけでなく、首の肉やタン、ホホ肉なども解体できるようになっている
その第1作、「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」は、牛の肉の部位がそれぞれパズルのピースになっていて、焼肉でおなじみのメニューが、牛のどの部分の肉なのか遊びながら学べてしまうだけでなく、組み上がったらフィギュアとしても飾れることから、焼肉店にも喜ばれて、大ヒット商品になりました。
メガハウス「一本買い!!本マグロ解体パズル」1980円(税込)を組み立て中。このように、表に出ている部分だけでなく、まず反対側の身を配置して、その上に中おち(なかおち)をセット、さらに赤身(あかみ)、その上にまた腹や背中の部分を置くなど、見えない部分もリアルに再現されているのだ
実はこの解体パズル、そもそもの発端は2014年に発売された「人体模型」をモチーフにしたアクションゲーム『放課後の怪談シリーズ 恐怖!ドキドキクラッシュ人体模型』でした。これが評判がよく、「放課後の怪談」シリーズとして展開した「模型復元パズル」のひとつとして、牛の解体パズルも発売されました。ただ、人体模型は人気があったものの、放課後の怪談シリーズ自体は継続しませんでした。
焼肉店にも好評だった、温めると色が変るパーツなどのギミック
「シリーズ自体を一旦見直そうという中で、牛を“焼肉”というコンセプトで出したというのが最初なんです。パーツ自体は、以前に出したものと同じなのですが、焼肉なので特殊な塗料を使って、指先で温めるとパーツの色が赤色から茶色に変わる機能を入れたり、焼肉っぽさを強調するためにお皿のパーツを入れたりしました」と押尾さん。このシリーズ、実際にパズルとしても楽しいのですが、飾ったりできる工夫や、ちょっとしたユーモアが入っていたりするのが特徴で、そのスタイルは最初の「一頭買い!!特選 焼肉パズル-ウシ-」から現在にも継承されています。
実際、この製品が発表されたときの東京おもちゃショーを取材した際、その発想の面白さに感動して記事を書いた覚えがあります。パズルで知育玩具でフィギュアで、細部までよくできている上に、きちんとユーモアやおふざけを入れる、その姿勢が素晴らしいと思ったのです。
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