91歳、毎日ご機嫌に過ごすための習慣
――91歳で一人暮らしをされていますが、毎日ご機嫌に過ごすために、続けていることや心がけていることはありますか?大崎さん:一人暮らしは、朝から晩まで時間を自由に使えて、誰にも気兼ねしなくてもいいから、ストレスも溜まらなくて、すごくいい。だけど、掃除や洗濯、食事など、全て自分でやらないといけないから、まず健康でなければ、一人暮らしの楽しみは一切ないと思っています。体だけが健康でもダメ。“心身ともに健康”であることがとにかく大事なのです。
91歳で一人暮らしをする大崎博子さん。YouTube番組「実録!マネー賢者の決断」で、お金をかけずに毎日ご機嫌に過ごす秘訣についてお聞きしました
私の場合、健康長寿を維持するために、日課にしていることが、いくつかあります。まず、朝7時過ぎには身支度を整えて、太極拳をするために近所の公園へ向かいます。日曜日以外、毎日約1時間太極拳を演舞しています。夏は暑いし、冬は寒い。だけど続けていると、体力もついてくるものです。
太極拳が終わったら、ベンチで少しおしゃべりをして休憩する。これも大事な日課です。年をとって人と話をしないと、言葉が出てこなくなりますから。
あと月に6回、麻雀に通っているのですが、これがすごく脳トレになります。牌山から牌をもってきたときに、この牌をどういうふうに扱うかを瞬時に見極める。頭が動いているのがしっかりわかりますね(笑)。
そして、毎日Xで発信をすること。短い文章であっても、毎日となると何を発信しようか、結構考えます。ときには、おもしろくないことを呟いているな……と思うこともありますが、それでもどんどんフォロワーが増えていて。私の何気ない発信を見て、「年をとることが怖くなくなった」といった声もたくさんいただきました。私自身も、見てくれている人がいると思うと、やっぱりうれしいものですよね。
70歳前後で意識を変えられるかが分かれ道
――太極拳に麻雀、スマホで毎日発信する。こういった習慣は、何歳くらいからやり始めたのですか?大崎さん:始めたのは80歳前後です。麻雀は若い頃にやっていた名残もあります。健康で長生きするためには、ある時点で意識を変えることが大事だと思います。私は70代前半まで働いていたので、健康長寿の分かれ道は80歳ぐらいだと思っていました。
だけど今、女性の健康寿命は75歳くらいですから、80歳になってからでは遅過ぎますよね。できれば70歳前後で、これから先をどう生きていきたいか考えて、意識を変えるべきだと思います。どんどん年をとっていくわけですから、“何でもいいや”では健康長寿でいられません(笑)。
91歳になって得た教訓
――これまでお話を伺っていると、一人暮らしへの覚悟と自信を感じるのですが、不安になることはないですか?大崎さん:不安にならないことはないですよ。実は最近、検便で陽性になったので再検査を受けました。結果が出るまでの1週間は本当に不安で仕方なかったです。もし陽性だったら、大腸がんということですから。私の年だと、手術もできないだろうし……と、いろいろ考えてしまいました。
結果は問題なかったので、ひと安心だったのですが。結果がわかったときは、友人と祝杯をあげました(笑)。この出来事をきっかけに、これからは余計な検査はしないことにしました。“90歳を過ぎて健康なら、わざわざ病気を探さない”ことです。
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話をお聞きしたのは……大崎 博子(おおさき・ひろこ)さん
1932年、茨城県生まれ、2023年11月に91歳を迎え、現在も都営団地で一人暮らし。2011年からTwitter(現X)を始める。等身大の日々のツイートが共感を呼び、幅広い世代から多くの支持を集める。現在、Xのフォロワー数は20万人を超える。著書には『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作りかた(宝島社)』など。X:@hiroloosaki