男のこだわりグッズ

なぜ? 発売から49年、日本の大定番「キャンパスノート」が書き心地、丈夫さ、低価格を守り続ける理由(5ページ目)

発売から49年たった今でも、多くの人にとって標準的なノートとして愛用され続けているのが、コクヨのキャンパスノートです。その歴史についてはよく語られていますが、では、そのキャンパスノートとはどういうノートなのか。コクヨが考えるノートについて、キャンパスノートの開発、デザインの担当者に聞きました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

「スマートキャンパス」と「ドット罫線」について

「スマートキャンパス」の5冊入りパック

「スマートキャンパス」の5冊入りパック。通常の3冊パックと同じページ数のノートが、5冊パックでほぼ同じくらいの厚みになっている

筆者は、最近のキャンパスノートでは、同じページ数なのに従来品より薄くて軽い「スマートキャンパス」が気に入っています。荷物は少しでも軽い方が良いと思っているので、このノートの登場はとてもありがたいと思ったものです。

また、今やキャンパスノートの定番罫線になっている「ドット入り罫線」が採用されているのもうれしいポイント。個人的に「ドット入り罫線」は、完成度の高いノート用の罫線だと思っています。

方眼や無地は、それぞれにファンがいるのも分かるのですが、ドット入り横罫は、そこに小さなドットが打たれているだけというシンプルさでありながら、横罫としての機能を損なわないので、ノートの横罫はドット入り罫線に統一してもいいのではないかと思ったりします。

「『スマートキャンパス』は学生をターゲットに作りました。学生の荷物量に増加に向けてノートだけでも軽くしてあげたいという思いから開発された商品です。

通常軽くする場合は、嵩高紙(かさだかし)といった『軽いけれど表現がガサガサする』紙を使う傾向にあるのですが、この紙はプレスをかけながら薄くすることで軽さをだし、配合を工夫することで裏抜け、裏うつりはなく、表面もなめらかで書き心地のいい紙に仕上げています。薄いけれどゲルインクで書いても裏うつりしにくい紙を作るのに苦労しました」と絵馬さん。
ドット罫線

ドット入り罫線とは、このように横罫の上に等間隔のドットが打たれていて、縦に紙面を分割する線を引くのに便利な罫線。文字をそろえるのにも役立ち、学習用に大人気の罫線だ

つまり、「スマートキャンパス」は学習環境の変化に特化したノートで、紙も標準のキャンパスノートとは違う、キャンパスノートの様々なラインアップの中のバリエーションのひとつということなのでした。

同様に、ドット入り罫線も、かなり多くのシェアを取りながらも、普通の横罫が好きだというユーザーも根強く、そういうユーザーの声も大事にするからこそ、幅広く使ってもらえるブランドになっているということなのでしょう。

>次ページ:担当者が「最も好きなノート」を聞いた
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