67歳男性が語る年金暮らしのリアル
金融庁の報告書に端を発して話題となった「老後2000万円問題」など、老後の心配事といえばやはりお金ではないでしょうか。自分の現役時代の負担に比べて、もらえる年金額に不満を持つ人も多いようです。
現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All About編集部が実施したアンケート調査から、広島県在住67歳男性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール
回答者本人:67歳男性
家族構成:既婚(子あり)
居住地:広島県
現役時代の雇用形態:正社員
現役時代の最大年収:1000万円
現在の貯蓄額:3000万円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:厚生年金42年
現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):6万円
老齢厚生年金(厚生年金):13万円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):なし
「年金だけで暮らすにはもう少し必要です」
こちらの男性は、現在の年金額について「満足していない」と回答。「年金生活だけで暮らしていくためには、もう少し金額が必要です」と話しています。
男性は「基本年金だけで生活し、仕事はしていません。特別出費については貯金を切り崩しています」と、年金額が月19万円で貯蓄が3000万円あっても、働かずに年金だけで暮らしていくには足りないと感じているようです。
「貯蓄倍増計画のようなものを立てればよかった」
現役時代の後悔について伺うと「住宅ローンはすでに完済していますが、貯蓄額をもう少し増やしておきたかった」と回想する男性。
「子どもが社会人になり出費が減ったタイミングから定年退職までの期間が一番貯蓄を増やせる期間だと思います。実際にその期間にある程度の貯蓄や住宅ローンの返済を行ってきました。ただ、この期間にもっともっと有効に使って貯蓄を増やすために『貯蓄倍増計画』のようなものを立てればよかったです。おそらくお金は貯めようとしなければ貯まらないものだと思います」と、貯まりやすい時期に貯蓄をしていなかったことを後悔しているようです。
「年金生活者のための原資作りをずっとしてきたのに……」
現在の年金暮らしで工夫している節約術を伺うと「仕事での収入がない以上当然のことですが、年金のみの生活になっているので、特に贅沢をするつもりはありませんし、贅沢はできません。極力ムダな出費を抑えて地味な生活で乗り切ろうと思っています」とのこと。
今後については「自分たちは会社員時代に先輩の年金生活者のための原資作りをずっと行ってきました。自分たちが年金生活者になった時には年金の原資を担ってくれる若い人が税金の未納などによって原資作りがうまくいっていません。政府の行っている年金原資の適切かつ効果的な運用によって、物価高騰の折、年金見直しの中で少しでも増額されることを期待します」と語ってくれました。
※カッコ内の回答者コメントは原文ママです
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