アイスクリームの消費は拡大している
総務省の「家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(2020年(令和2年)~2022年(令和4年)平均)」の品目「アイスクリーム・シャーベット」によれば、アイスクリームやシャーベットへの支出の全国平均は年1万369円。ちなみに、支出額の全国平均の推移を見てみると、ここ10年で2000円以上増加しており、アイスクリームの消費自体が大きく伸びていることが分かります。これは、アイスクリームがスーパーやコンビニなどで購入できて、種類も豊富になっており、自宅でいつでも食べられる気軽さから、おやつやデザートとして幅広い世代での購入が進んでいることが、消費の拡大につながっていると考えられます。
アイスクリームの消費が多い都市はどこ?
では次に、「アイスクリーム・シャーベット」の都市別による消費額のランキングを確認していきましょう。ベスト10は画像の通り。このランキングを見ると、北陸や関東、東北の都市が上位を占めており、アイスクリームの消費は東日本の方が多い傾向にあることが分かります。 第1位は金沢市で、消費量は1万2828円。金沢市はこのランキングで10回連続して1位となっており、全国でも突出した「アイス王国」として知られています。これだけ消費量が多い背景には、適度に気温が高く、雨が多いことから湿度も高いといった気候上な理由が挙げられます。また金沢市は、同じ統計のなかで、「菓子類」全般に加えて「ケーキ」や「チョコレート」でも第1位になっており、そもそもお菓子への消費が非常に多い街として知られています。こうした甘味好きな文化が根付いていることも、アイスへの消費を押し上げていると考えられます。第2位はさいたま市。消費量は1万2710円と、金沢市と並んで第3位以下を大きく離す結果に。さいたま市は金沢市と同様に、菓子類全体への消費量が多く、「菓子類」は第2位につけているほか、「プリン」は第1位となっています。また埼玉県はアイスクリームの出荷額が日本一であり(参照:2022年経済構造実態調査)、消費・生産どちらも多いのが特徴です。
第3位は福島市で、消費量は1万1632円。夏は暑い一方、暖房設備が整っている雪国であることから冬でも食べるため、アイスの消費量が多くなっていると考えられます。また、福島市は「まんじゅう」の消費でも第1位となっており、甘いものを好んで食べる地域性が見て取れます。
意外!アイスクリームの消費が少ない地域とは……
では反対に、アイスクリームの消費が少ないのはどの都市なのでしょうか。「アイスクリーム・シャーベット」消費量のワースト10は次のようになっています。 ベスト10は東日本が多かったのに対して、ワースト10には四国や関西、九州など西日本がほとんどという結果に。比較的気温の高い西日本の地域でアイスクリームの消費量が少ないのは意外に思われるかもしれません。「菓子類」の消費量ワースト3である和歌山市、北九州市、那覇市をはじめとして、ワースト10に入っている都市ではそもそも菓子類全般の消費量が少ないところが多く、そうした地域ではアイスクリームの消費量も少なくなる傾向にあるようです。
今回はアイスクリームの消費が多い都市、少ない都市を紹介しました。ご自身の家庭では年間どれくらい購入しているか、全国平均やお住まいの地域の金額と比べてみるとよいでしょう。
(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)