71歳男性に聞いた、年金暮らしのリアル(画像はイメージ)
現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All About編集部が実施したアンケート調査から、千葉県在住71歳男性のケースを紹介します。
回答者の情報
こちらの男性は、既婚で子どもあり。現役時代のピーク年収は40代の頃の1000万円で、現在の貯蓄額は3000万円。71歳時点の年金額(老齢基礎年金や老齢厚生年金などの合計)は月15万円で、その額には「満足している」と回答しています。「働いた収入は5年くらい手つかずで貯蓄に」
年金額に満足している理由として「現在も週3で正社員として働いており、年収で400万円くらいあります」と語る男性。仕事について伺うと「定年まで建築関係の仕事に従事し、リタイアと同時に解体工事についています。解体する建物を調査し、見積を作成するのが主な仕事です」と答えてくれました。
「長男と同居しており、年金だけで生活を維持しています。働いた収入は5年くらい手つかずで貯蓄に回しています。あと10年くらいは会社も受け入れてくれそうだし、私も勤労意欲満々です。働きながら健康維持を兼ねているという利点もあります。年金だけになった時のことを思うと不安はありますが、その時点では出費も少なくなりやっていけるのかなと希望的観測をしています」と、仕事の収入があることで余裕を持って暮らせているようです。
「転職が必ずしも功を奏したとはいえない」
現役時代の後悔について伺うと「現役時代に転職をしましたが、年収が転職のたびに上昇していたことが良かったと思う半面、給料が上がったと解釈しているのは年齢の上昇とともに昇給したと捉えれば、転職が必ずしも功を奏したとはいえないと思いました」と回想する男性。「私自身はスキルアップを図るための転職で不安どころか希望に燃えていたといっても過言ではありません。しかし、家族にとっては健康保険証が変わることさえ不安であり、そういった気持ちを汲み取ることができなかったことが後悔の1つです」と転職で家族に心配をかけたことを悔やんでいるようです。
「年金はひっそり暮らすための資金」
現在の年金暮らしで工夫している節約術があるか伺うと「節約していることはありません。ただ加齢とともに、アルコールを断ち、肉食からヘルシーなチキンや魚がメインデッシュになりました。スイーツも極力シンプルでカロリーを控えめに、飲み物も天然水ばっかり。健康志向で知らず知らずに節約メニューになっています。衣服も体型維持に努めていますので新しいものを買わなくても用が足りています。年とともに自動的に節約志向になっています」とのこと。今後については「年金はひっそり暮らすための資金であり、それ以上の生活を維持するためには働いて対価を得ることに執着しなければならないと思います。お金も大事ですが健康がさらに大事です。健康であれば、働くことができます。人の役に立つことができます。そして、医療費にお金を使う事がありません。最大の節約です。だから、健康維持のためにできることをしていますし、健康であり続ける事を希望しています」と語ってくれました。
※回答者のコメントは原文ママです