男のこだわりグッズ

売り切れ続出!使用者の平均年齢は19~20歳、実は大人もハマっている「アイスだヨーヨー」が人気の理由

タカラトミーアーツがこの夏に発売した「アイスだヨーヨー」は、氷と水と塩を入れた容器に、材料を入れたアルミカップをセットすれば、あとは、水ヨーヨーの要領で3分間遊ぶだけで、アイスクリームやシャーベットが作れる調理おもちゃです。子どもから大人まで遊んで涼める製品の開発経緯をうかがいました。

納富 廉邦

執筆者:納富 廉邦

男のこだわりグッズガイド

タカラトミーアーツの「アイスだヨーヨー」は、お祭りの屋台で売っている水ヨーヨーのような形状のアイスクリーム製造器。ヨーヨーで3分間遊べば、アイスクリームができ上がるという調理おもちゃなのですが、その構造は市販のアイスクリームメーカーと同じ。なので、ちゃんとアイスクリームができ上がります。
アイスだヨーヨー01

タカラトミーアーツ「アイスだヨーヨー」2640円(税込)。バリエーションは、写真のシナモロールの他、ハローキティ、マイメロディ、クロミの4種類。商品サイズはW100×H100×D100mm

発売直後から大人気で、東京おもちゃショー2023で発表したときには、もう在庫分全ての行き先が決まっていたほどだそうです。

デロンギなどアイスクリームメーカーにはさまざまな製品がありますが、この「アイスだヨーヨー」が人気になった秘密を、製品開発を担当した株式会社タカラトミーアーツ FV企画部マーケティング課の高橋英之さんにうかがいました。
 

「アイスだヨーヨー」開発者による実演

取材では、まず高橋さんに実際にアイスを作っていただきました。卵を使うレシピなどいろいろありますが、ここでは一番簡単に作れるオレンジシャーベットでの実演です。
アイスだヨーヨー02

オレンジシャーベットを作るための材料一式。先にアルミカップとオレンジジュースを十分冷やしておくのがポイント。計量カップがあると作業がしやすい

材料は、水、氷、塩、オレンジジュース。準備として、あらかじめ、オレンジジュースとアルミカップを十分冷やしておくといいそうです。
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本体に、氷、塩、水の順で分量通りに投入。画像では、うっかりしてゴムバンドを付けていませんが、氷を入れる前に付けると後が楽です

本体の中に氷、塩、水の順に入れます。氷は市販のクラッシュアイスの小さい粒を使うのがいいそうですが、家庭用の角氷の場合、3~6個、大きさに合わせて本体にある氷の量の上限の目盛りまで入れます。氷は多い方が仕上がりが良いのだそうです。塩は大さじ2杯(30g)とかなり多め。最後に水を25ml入れます。これらの材料で、中を冷やすわけです。
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アルミカップを本体にセットして、そこにオレンジジュースを50ml入れます。材料はレシピ通り、しっかり計って入れてください

続いて、アルミカップを本体にセットして、その中にオレンジジュースを50ml入れます。実は、この製品、化学的な反応を使ってアイスを作るので、水や塩の量、材料の分量などはレシピ通り、きっちり守ることが重要なのだそう。まさに「お菓子作りは化学」なのです。
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あとは、3分間、ヨーヨーで遊びます。タイマーを使ってしっかり3分間。長すぎても短すぎても、あまりいい結果になりません

あとは、アルミカップに中フタをして、本体にキャップを取り付けたら、ゴムの輪の部分に指を通して、3分間ヨーヨー遊びです。転がして遊んでもいいそうなので、好きな方法で、とにかく3分間、中の氷が溶けきるまで遊べば、でき上がりです。
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フタを開けて、中のシャーベットを周囲の壁面に押し付けるようにしてかき混ぜると、シャーベットらしいシャクシャクした感じになります

フタを開けると、アルミカップの中に、やや緩い感じのシャーベットができています。これをスプーンで、アルミカップの壁面に押し付けるようにしてかき混ぜていくと、徐々に全体が固まって、シャーベットが完成です。
 

アイスクリーム作りは化学なんです

アイスだヨーヨー07

画像は牛乳と練乳といちごで作ったストロベリーアイス。このようなレシピがあらかじめ用意されているので、いろんなアイスが楽しめます。

――3分間遊ぶという時間は、どのように決められたのでしょう。

高橋さん(以下、高橋):どのくらいの量のアイスクリームを作るかというのと、入れられる氷の量などから計算して、ある程度の数字が分かります。あとは実験してみて最適な長さを決めました。氷が溶けるときに周囲の熱を奪う性質を使って、アルミカップをマイナス7度まで冷やすので、氷が溶けきったら、それ以上は冷えません。なので、長くやっていればより固くなるというものではないのです。

――室温も影響しますよね。

高橋:そうですね、やっぱり暑い場所だと冷えきらないうちに氷が溶けてしまう場合があります。その場合は、裏ワザとして、溶けた水の中に氷を足して、もう少し遊ぶ手もありますが、あまり推奨しません。

――ただ材料を冷やしてかき混ぜるだけではダメなのでしょうか。

高橋:材料と空気を十分に混ぜながら冷やすことで、アイスクリームの滑らかさが生まれるので、ヨーヨーによる上下運動とか、転がしたときの回転運動がポイントなんです。他のアイスクリームメーカーも、やっていることは同じです。冷やし方、混ぜ方が異なっているということです。
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3分間転がしてもアイスはできます。当初は、ヨーヨーではなく、転がすタイプの製品を企画していたそう

――ヨーヨーの形で作ろうというアイデアは最初からあったんですか?

高橋:初めはボール型で転がして遊ぶものを考えていました。ふたりで向かい合って転がし合うみたいなイメージです。ただ、それだとインパクトもないし、遊びとしても物足りないということになって、ヨーヨーという案が出てきました。今の子どもたちに伝わるかなと不安もありましたが、これを見た子どもたちはみなヨーヨーと言ってくれました。ヨーヨーにして良かったです。転がすのもヨーヨーも、アイスを作るという部分では、さほど機能は変わらないのですが、多少、ヨーヨーの方が混ざるかなと。
 

子ども向けのおもちゃのはずが、幅広い層に届いた

アイスだヨーヨー09

小学校1、2年生の子どもがメインターゲットということで、サンリオのキャラクターを使用

――どのくらいの量のアイスを作れるようにするかは、どのように決められたのでしょう。

高橋:一番この製品で遊んでくださるであろうお子さんにとって最適な量を考えました。だいたい小学校1、2年生くらいのお子さんを想定しています。それで、本体が大きくなりすぎず、それでも満足できるくらいの量ということで、某人気アイスクリームの、ミニカップくらいの量にしました。ヨーヨーが少し大きいようにも見えますが、何も、バンバンと手のひらに当てる必要はなくて、ぶよんぶよんする程度でいいんです。それで「アイスクリームができちゃった!」という驚きを感じてもらえればと思っています。その分、ゴムの強度や長さといったところに気を配っています。

――私は最初、気が付かなかったのですが、サンリオのキャラクターになってるんですね。

高橋:弊社のクッキングトイは、大人向けの渋いものが目立っていますが、子ども向けのキャラクターを使った製品も多いんですよ。この「アイスだヨーヨー」でもキャラクターを使っています。なので、どちらかというと小学生くらいの子ども向けの商品になると思っていたのですが、フタを開けたら大人の方もすごく興味を持ってくださって。発売2週間くらいのアンケートによると、使用者年齢の平均が、19~20歳くらいなんです。キャラクターが付いていても、広いターゲットに響くんだなということを感じました。
 

行き届いた解説書やレシピ集も付属

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付属の取り扱い説明書とレシピ集がとても良くできています。これはスペシャルサイトからダウンロードもできます

実際、使ってみると本当に良くできていて感心します。取材中、高橋さんもおっしゃっていましたが、どうして氷と塩でアイスクリームができるほど温度が下がるのかとか、氷とアイスクリームの違い、原理を理解した上での新しいレシピの考案など、「夏休みの自由研究」に使えるネタもそろう製品なのです。理科と料理がとても近いところにあるということが分かるのもいいですよね。

取り扱い説明書の裏がレシピ集及び、“なぜアイスクリームができるのか”の説明になっているのもよくできています。かわいい見た目と、ヨーヨーという昔ながらの遊びが、化学と結びついて、おいしいアイスクリームができるという、多重構造が素晴らしいと思うのです。

すでにメーカー在庫はなく、店舗で販売している分が売り切れたら、今夏の分は終了。限定販売ではないので、来年も出るかもしれませんし、ネットではすでに売り切れているところも多いのですが店頭ではまだ見かけます。欲しい方は探してみてください。

>次ページ:動画で分かる「アイスだヨーヨー」の遊び方!
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