食生活・栄養知識

Q. 「暑い夏は炊飯器で保温したままの方がご飯が傷みにくい」って本当ですか?

【管理栄養士が解説】食べ物が傷みやすい暑い季節。炊いたご飯を室内に置いたままにするのは危険です。炊飯器で保温したままの方が雑菌が増えにくい理由と、保温機能の安全性と注意点について、わかりやすく解説します。

平井 千里

執筆者:平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養ガイド

Q. 夏は炊飯器で保温しておいた方が、ご飯が傷みにくいって本当ですか?

 
炊飯器と炊き立てごはん

炊飯器で炊いたご飯は保温したままの方が傷みにくいのでしょうか?

暑い季節は食べ物も傷みやすく、食品の管理に悩むもの。炊いたご飯は室内よりも炊飯器で保温しておいた方が雑菌が増えにくいのですが、長時間の保温はおすすめできません。わかりやすく解説します。

「Q. 夏は炊飯器で保温したままの方が、ご飯が傷みにくいって本当ですか? 大体何時間までなら、安全においしく食べられるのでしょうか?」
 

A. 室温より安全ですが、長時間は非推奨。冷凍保存で安全とおいしさを守りましょう

多くの細菌は室温に近い30~38℃でもっとも増殖します。暑い季節に食品を室温に置きっぱなしにすると、腐りやすく、危険なのはこのためです。炊飯器の「保温」は、ご飯の温度を60~70℃にキープする機能です。細菌の増殖しやすい温度よりも高いので、炊いたご飯は夏の室温に置くよりも、炊飯器の中で保温をしたままの方が安全だと言えるでしょう。

しかし、60~70℃の高温だからと言って、細菌が全く増殖しないわけではありません。また、保温を長時間していると、ごはんの水分が抜けて食感がパサパサになってしまったり、ごはんが黄色っぽく変色して匂いも出てくる「メイラード反応」を起こしたりします。そのため、炊飯器を販売しているメーカー各社では、保温も「5~6時間程度まで」を推奨していることが多いようです。

夕食時に炊いたご飯を翌日の朝食でも食べたいときなど、食べるのが5~6時間以上後になりそうな場合は、保温機能は安全性からもおいしさからもおすすめできません。ラップなどに包んで冷凍保存し、食べる直前に解凍することで、炊き立てのようにおいしく、またより安全に召し上がっていただけると思います。
 
■参考
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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