家計簿・家計管理

子どもの金銭教育の前に心がけたいこと

コロナで経済が疲弊し、ますます家庭の財布事情が厳しくなっています。親は子に対して、どういった金銭教育をしたらいいのでしょうか。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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コロナで経済が疲弊し、ますます家庭の財布事情が厳しくなっています。親は子に対して、どういった金銭教育をしたらいいのでしょうか。
 

子どもをよく観察し、個性に合わせた金銭教育を 

子への金銭教育を考える上でテクニック以前に大切なのは、子の個性に合わせて柔軟に対応していくことです。体は大きくなっても心の成長が追い付いていないこともあり、その逆もあるからです。
子どものお金教育の前に大事なこと

子どものお金教育の前に大事なこと

まだ親に甘えたい子の自立を急かしすぎるのもよくないし、いつまでも親が先回りするのもよくない。人はそれぞれ成長のペースが違うのですから。
 
子の個性や成長に合わせるためには、「子をよく観察すること」にほかなりません。観察していれば、ちょっとした変化に気づきます。

どこか元気がない、目を合わせない、反応がいつもと違う、態度がよそよそしいなど、変化に気づけば初動が遅れるということも防げます。
 
同時に、子の意志を尊重することです。小さな子でも、自分なりの考えを持っています。親にとっては稚拙でも、強引に抑え込まないことです。

親が自分の考えを押し付けると、どうせ何を言っても無駄だ、あるいは親の言うことだけを聞いておけばいいと、自分の頭で考える能力が低下します。また、自分の考えは価値がない、自分の存在は弱いと感じてしまいます。
 
こうして自分で考える機会を奪われてしまうと、自分の考えや判断は正しいと思えず、他人の意見に容易にぐらつきます。重要な局面において自己責任で判断するという姿勢が養われないのです。
 

親の愛情が薄いと、子どもは精神的に自立できなくなる

子どもたちの中には、なぜ、遊ぶ金ほしさに家のお金をくすねたり、ゲームセンターに入り浸ったり、援助交際をしたりする子がいるのでしょうか。
 
その理由のひとつは寂しいからです。自分の居場所が見つからず、孤独感が強い。親にわがままも言えず、ガマンするしかない。

「自分は親から大事にされていない」「自分はあまり価値のない人間なんだ」と自己肯定感が低くなり、自分を大事にできなくなります。
 
そんな心の空虚感を、たとえば自分を売ることで、「自分は必要とされている」「価値を認めてもらえている」と実感して安心する。あるいはモノを買うことで満たそうとする。
 
そうやって心が満たされないまま大人になると、お金に執着したりお金遣いが荒くなったり、お金でも人間関係でもトラブルを起こすようになります。親の愛情が薄いと、子どもは精神的に自立できなくなるのです。
 
お金は道具。たとえば同じ包丁でも、一流の料理人が使えば多くの人を喜ばせる料理が作れる一方、心の曲がった人が使えば犯罪を起こします。同じ道具でもそれを使う人の心のありようによって、その道具はプラスにもマイナスにも作用するのです。
 
しかし、親(養育者)からの愛情をいっぱいに受けて「自分は自分でいいんだ」「家族は自分のことを尊重してくれている」という感覚は、自己肯定感、自己有能感を育みます。

自分の存在価値を自分で認められれば、不安にかられることはなく、不安がなければお金に執着する必要もない。

自分の生き方に自信があれば、お金のあるなしで制限や制約を考えることもない。つまりお金に振り回されることもなくなるのです。同時に、道具としてのお金を適切に使えるようになる。
 
だからこそ、金銭教育以前に、子どもとの全面的な信頼関係を築くことです。

そのためには子どもの気持ちに寄り添い、子の話をよく聞くこと。理解し、共感し、応援してあげること。楽しい会話を多く持つことです。

親が子の話を否定せず、途中で遮らず、説教を入れず、「うん、うん、それで?」と会話を引き出すよう、「あいの手」を入れる(あいの手は「愛の手」と言われるぐらい、あなたの話に興味を持っています、あなたの話を真剣に聞いていますを示す手段)

何を言っても親がまるごと肯定的・共感的に受け止めてくれると、親からの無条件の愛情を受けていると本能的に感じます。
 
もし子どもとケンカになっても、親の言いつけを守らなかったときも、子が言い訳をしてきても、それも含めて子の言い分をちゃんと聞くことです。

親が子に「お前が間違っている」といきなりシャッターを下ろすと、親に何を言っても無駄だとなり、子も心にシャッターを下ろして言わなくなります。
 
親は自分を受け入れてくれる、いつでも自分の味方で自分のことを分かってくれるという安心感があればこそ、親のアドバイスも聞く気になれるし、ウソをつかず本当のことを言えるというものです。

そうした相互の信頼関係こそが全ての土台ではないか、と私は考えています。
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