食料全体の物価はどのように変動してる?
まずは、2022年の消費者物価指数から見てみましょう。 食料全体(変動幅が大きい生鮮食品を除く)の12月指数は、前年同月比で+7.4(総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2022年(令和4年)12月分及び2022年(令和4年)平均」)。これは1976年以来、46年ぶりの上昇率として話題になりました。また、年平均指数の前年比から食料の中分類の推移をたどってみると、調理食品+4.5%、外食+3.1%、穀類+5.0%、菓子類+4.4%と、それぞれの食品が値上がりしていることが分かります。食品の品目別に、どれくらい値上がりしているのか確認!
では、それぞれの食品の価格はどのくらい上がっているのでしょうか。今度は「小売物価統計調査(総務省)」に目を移して、2022年1月から2023年1月の1年ほどで何がどのくらい値上りしているのか、品目別により細かく確認していきましょう。なお、以下で取り上げる数字は東京都区部小売価格です。 まず、現在の価格高騰のなかでも飛び抜けて値上りしているのが食用油です。食用油(1本・1000g)の価格は、1年間で363円から504円にまで上がっており、割合で見るとなんと38.8%も上昇している計算に。こうした急騰にともなって、マヨネーズが+24.4%、ポテトチップスが+17.5%と、食用油を原料とする食品も大幅に値上りしています。食用油とともに食品価格高騰の中心となっているのが小麦粉です。小麦粉(1袋・1kg)の価格は、278円から323円まで上がっており、上昇率は16.2%。この影響を受けて、食パンが+13.5%、スパゲッティが+19.2%、ゆでうどんが+15.5%となっており、小麦粉の高騰はさまざまな関連食品の価格を押し上げている状況です。 同様に値上りが目立っているのが砂糖で、1袋・1kgの価格が203円から233円と14.8%も上昇しています。
牛乳や乳製品も値上がりが続いており、牛乳(1本・1000ml)は215円から235円の+9.3%、粉ミルク(1缶・800g)は2279円から2464円の+8.1%、輸入チーズ(1個・125g)は667円から781円の+17.1%となっています。
価格が安定していた卵も、2022年9月頃より急騰。鶏卵(1パック・10個)は234円から246円と5.1%上昇しています。 飲料水や酒類も一部値上りしているものがあります。主なものでは、果実飲料(果汁20~50%)が+7.9%、炭酸飲料が+15.5%、ミネラルウォーターが+9.1%、チューハイが+10.6%、ビールが+6.2%となっています。
このように総じて価格が高騰している食品ですが、そのなかで相対的に変動の幅が小さいのがうるち米(コシヒカリ)です。コシヒカリ(1袋・5kg)は1年間で2272円から2319円と、上昇率は2.1%にとどまっています。 また食品高騰の波は、当然ながら外食にも直撃しています。なかでも顕著なのが天丼とハンバーガーで、天丼は1杯あたり1026円から1217円と+18.6%、ハンバーガーは1個あたり184円から218円と+18.5%となっています。そのほかにも、回転ずし(1皿)+11.8%、うどん(1杯)+8.1%、ハンバーグ(1人前)+7.3%など、多くの飲食店が相次いで値上げを実施しています。
食品の値上り傾向は今後も続くと予想されており、ますますの注視が必要です。今回紹介したコシヒカリのように、比較的値上りが小さいものもあるので、そうした食品をうまく活用しつつ、価格高騰に対応していきたいですね。