手作りヨーグルトは作り方も簡単! 植え継ぎを繰り返せば節約にも
ヨーグルトは作ったほうが安いという声も多く聞かれます。手順は簡単なので作りやすいですが、自作するなら細心の注意が必要です
スーパーやコンビニでもさまざまな種類のものが売られているヨーグルトですが、家で手作りしているという方もいるかもしれません。手作りヨーグルトの作り方は「牛乳に種菌となる乳酸菌を入れて発酵させるだけ」ですので、とても簡単! 子どもと一緒に作ってみるのも楽しいでしょう。
種菌はインターネットで購入することもできますが、市販のプレーンヨーグルトを用いることも可能です。筆者の経験では、市販のプレーンヨーグルトの中では、明治ブルガリアヨーグルトが発酵しやすかったです。
手作りヨーグルトは、発酵時間を調整することで酸味をコントロールすることもできるので、簡単に好みの味のヨーグルトが作れますし、「植え継ぎ」ができるのも魅力です。
「植え継ぎ」とは、最初に手作りしたヨーグルトを、2回目からはそのまま「乳酸菌」として使うことです。基本的には牛乳さえ準備すれば、次のヨーグルトを作れるので、うまく作り続けることができれば、市販のヨーグルトを買うよりも安く作れて節約になる可能性もあります。
手作りヨーグルトで失敗する原因・デメリットと危険性
一方で、うまく手作りヨーグルトができず、失敗してしまうこともあります。特に、最初にできた手作りヨーグルトを種菌として植え継ぎをした場合、期待した味のヨーグルトが再現できなかったという声はよく聞きます。これは、家庭で乳酸発酵をすることで、乳酸菌の組成が変わるためだと考えられます。安定した味にもこだわりたい人は、ヨーグルトの種菌は毎回購入した方が、失敗なくおいしく作れるでしょう。また、発酵には時間がかかるので、他のおやつのレシピと違って、すぐに食べることはできません。筆者が栄養士養成課程の授業などでヨーグルトを作る時は、10時間程度は発酵に時間がかかります。最初の授業で学生さんに発酵器に入れてもらい、翌朝、教員が取り出して冷蔵庫に移し、冷えたところで学生さんに再集合をかけて試食してもらう、という手順で授業を進めています。
もう一つ、忘れてはいけないのは、衛生的に作らなければ食中毒などのリスクがあることです。発酵には最適温度があり、乳酸菌が増えるためには40~45℃が適温です。これは雑菌にとっても増殖しやすい温度のため、雑菌が混ざってしまうと、乳酸菌と一緒に雑菌も増殖してしまいます。食中毒事故などが簡単に起こってしまうということになります。
手作りヨーグルトは雑菌の混入に注意! 衛生管理はしっかりと
ヨーグルト作りの際は、雑菌の混入には十分な注意が必要です。人間が快適に過ごせる室温であれば発酵は進みますが、室温にヨーグルト菌を入れた牛乳をそのまま放置するのは、不衛生になりやすいため、おすすめしません。基本的には、最適温度を保ち、食材や器具の衛生管理さえしっかりできれば、手作りヨーグルトは多くの人にとって挑戦しやすく、楽しめるものだと思います。温度管理に自信がないという方は、ヨーグルトメーカーなどの便利な調理器具を試してみるのもよいでしょう。
「政府広報オンライン 食中毒予防の原則と6つのポイント」なども参考に、上手に衛生管理を行って、ヨーグルト作りを楽しんでください。