そこで、オールアバウトが2023年1月~2月にかけて銀行口座の利用状況について、アンケート調査を実施! 今回は「ATMでお金をおろす回数」のアンケート結果を発表です。
アンケート回答者の属性は画像のとおりです。 10代~70代、北海道から九州沖縄にお住まいの男女366人に回答いただきました。
6割近くの人が、お金をおろす回数が月1回以下!
「月に何回、ATMからお金をおろしていますか?」の質問に対し、1位「月1回」30%、2位「月2回」24%、3位「月1回より少ない」19%という結果でした。続く4位には「おろさない」という人も9%いるということ! みなさん、ATMに行く頻度はそれほど高くないようです。 「おろさない」「月1回より少ない」「月1回」を合計すると、6割近くの人がATMでお金をおろす頻度が月1回以下ということになります。 また、「銀行口座をいくつ持っていますか?」という質問では、保有している銀行口座数は1位「3つ」32%、2位「2つ」27%、3位「4つ」13%という結果になりました。続く4位に「1つ」10%がランクインしています。つまり、9割以上の人が複数の銀行口座を保有していることになります。キャッシュレス決済の普及で、現金ナシでも生活できる!
以上2つのアンケート結果から、2つのことが読み取れます。1つ目は、お金を貯めておくための銀行口座(ATMでお金をおろさない銀行口座)があるということ。2つ目が、お金をおろさずとも生活できるということです。
まず1つ目について、9割以上の人が複数の銀行口座を持っている一方、半数以上の人がATMで月1回以下しかお金をおろしていないということから、一定数の人が「貯めておくこと」を目的とした銀行口座を持っていることが考えられます。『毎月一定額を積立貯蓄するため』『証券口座と連携して投資に使うため』『公共料金など口座振替で引き落とされる費用をプールしておくため』などの目的で銀行口座を持っているのかもしれません。
お金を貯めようと思った時、決してお金に手をつけない貯蓄専用・投資専用の銀行口座を持つことはとても大切。多くの人が銀行口座を上手に使い分けていることがうかがえます。
次に2つ目について、ATMで全くお金をおろさないという人もいることから、キャッシュレス化によって現金を持っていなくても生活できるようになったということが考えられます。今はさまざまな種類のキャッシュレス決済が普及しています。クレジットカード、QRコード決済、電子マネー。このようなキャッシュレス決済がいろいろなお店で当たり前に使用できるようになっています。また、インターネットバンキングが普及したおかげで、わざわざ現金をおろして違う口座に預け替えたり、料金を振り込んだりしなくても、インターネット上で手続きができるようになっています。
現金をわざわざ持ち歩かなくとも、生活に必要なお金を賄うことができるので、当然ATMの利用回数は減るというわけです。
政府の最新の調査では、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%となり、公表されている2010年の13.2%以降、堅調に上昇しています。政府はキャッシュレス決済比率を2025年までに4割程度、将来的には80%まで高めることを目標にしており、キャッシュレス決済の裾野は今後も広がるでしょう。現金をおろす機会はますます減っていくことが予想されます。
また、コンビニATMや深夜のATM利用では手数料がかかることがあるため、キャッシュレス決済を使うことでこのような細々とした出費を抑えられるというメリットもあります。お金をおろす手間も手数料もかからないキャッシュレス決済は、現代で生きる人にとっての強い味方といえるでしょう。
まとめ
今回の調査では、一定数の人が銀行口座を複数使い分ける一方、ATMは極力利用しないことで上手にやりくりしていることがわかりました。これまで深く考えずにATMを使っていたという人は、口座を目的別に分けたり、キャッシュレス決済を使う機会を増やしたりすることで、ATMに行く手間や無駄なコストを削減できるかもしれません。(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)