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楽天モバイルの新サービス「Rakuten Turbo」は誰におすすめ? メリットとデメリットを解説

楽天モバイルは1月26日、新サービス「Rakuten Turbo」の提供を開始しました。固定ブロードバンドをモバイル回線で代替するサービスの一種ですが、同種のサービスは競合他社も提供しています。Rakuten Turboのメリットとデメリットはどこにあるのでしょうか。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

Rakuten Turbo

楽天モバイルの新サービス「Rakuten Turbo」は、楽天モバイルの回線を固定ブロードバンドの代替として利用するサービスだ

進学や就職を機に1人暮らしを始める人も多いかと思いますが、主としてそうした人達から支持を得ているのが、「FWA(Fixed Wireless Access)」などと呼ばれるモバイル回線を活用した固定ブロードバンドの代替サービス。光回線やケーブルテレビのように工事をする必要がなく、コンセントを挿すだけで自宅でWi-Fiなどを通じた高速インターネットが利用できることから、賃貸住宅でも導入しやすく進学、就職が増える2~3月の春商戦に利用が増えるサービスでもあります。

そのFWAサービスを新たに開始すると発表したのが楽天モバイルで、1月26日に提供開始した「Rakuten Turbo」がそれに当たります。このサービスは他のFWAサービスと同様、据え置き型の専用端末とセットで利用するサービスで、スマートフォン向けの「Rakuten UN-LIMIT VII」とは異なり自宅内での利用を前提としています。
 

「Rakuten Turbo」の仕組みや他社サービスとの違いは?

楽天モバイルはRakuten Turboの提供に合わせ、専用端末「Rakuten Turbo 5G」も販売しています。これは据え置き型のWi-Fiルーターと同じような形状をした端末ですが、楽天モバイルのSIMを挿入し、楽天モバイルのモバイル回線を通じて通信する仕組み。

コンセントを挿すだけで自宅のパソコンやタブレット、スマートフォンなどをWi-Fiにつなぎ、インターネット接続できるようになります。
Rakuten Turbo

Rakuten Turboを利用する専用の端末「Rakuten Turbo 5G」。据え置き型のルーター型端末で、コンセントに挿入するだけで高速通信が利用できる

ただ先にも触れた通り同種のサービスは競合他社も提供しており、NTTドコモであれば「home 5G」、KDDIであればauブランドの「au ホームルーター 5G」や傘下のUQコミュニケーションズが提供する「UQ WiMAX」、ソフトバンクであれば「SoftBank Air」などがあります。それらと比べた場合Rakuten Turboはどのような点に違いがあるのか、メリットとデメリットを確認してみましょう。
 

メリット1:主要サービスの中では月額料金が安い

メリットの1つは、競合と比べ月額基本料が安いこと。詳しくは下の表を見ていただきたいのですが、Rakuten Turboの月額料金は4840円で、100円前後の差ではありますが最も安い値段設定がなされています。
Rakuten Turbo

主要FWAサービスの料金比較表

またFWAサービスは、実際のところキャンペーンの適用で数年間より安価に利用できることが多いのですが、Rakuten Turboのキャンペーン「おトクなプラン料金キャンペーン」は適用期間が3年間と長く、その間は1155円引きの月額3685円で利用できるのもメリットです。
 

メリット2:端末の性能が比較的充実

Rakuten Turbo専用端末のRakuten Turbo 5Gは、理論値での最大速度が4Gで下り391Mbps/上り76Mbps、5Gで下り2.1Gbps/上り218Mbpsと、高速通信が可能。端末の最大接続数も128台と多く、有線LANを接続するLANポートも2つ装備するほかWi-Fi 6にも対応するなど、端末の充実度は比較的高いといえるでしょう。
Rakuten Turbo

Rakuten Turbo 5Gの背面には有線LAN端子が2つ搭載されている

 

デメリット1:Rakuten UN-LIMIT VIIより料金が高い

ある意味で最も大きなデメリットといえるのは、スマートフォン向けのRakuten UN-LIMIT VIIと比べ料金が高いことです。Rakuten UN-LIMIT VIIは通信量に応じて料金が変化する仕組みですが、20GB以上であればどれだけデータ通信をしても月額3278円と、キャンペーン適用時のRakuten Turboの月額料金より安いのです。

それでいてデータ通信が使い放題なのですから、使い方によってはRakuten UN-LIMIT VIIのSIMカードを、SIMフリーのモバイルWi-Fiルーターに挿入して利用したほうがお得ということになってしまいます。今後Rakuten UN-LIMIT VIIの料金改定がなされれば話が変わってくるかもしれませんが、少なくとも現時点ではRakuten Turboの価格的優位性が薄いというのが正直なところです。
Rakuten Turbo

楽天モバイルは「Rakuten WiFi Pocket 2B/C」などWi-Fiルーター型端末も販売しており、ワンルーム住まいで接続台数や通信速度に強くこだわらないなら、Rakuten UN-LIMIT VIIでそれら端末を利用した方が安くつく

また競合他社が、スマートフォンとFWAをセットで契約することでスマートフォンの月額料金を安くする割引サービスを提供しているのに対し、Rakuten Turboの場合Rakuten UN-LIMIT VIIとセットで契約しても割引などはなく、楽天市場のSPU(スーパーポイントアッププログラム)の倍率が上がることもありません。セット契約のメリットがない点もRakuten Turboの弱みといえるでしょう。
 

デメリット2:エリアが狭い

Rakuten Turboは楽天モバイルの4G/5Gネットワークを用いたサービスであり、同社の4Gネットワークは人口カバー率98%を超えるなど急速に拡大しているものの、それでも他社のネットワークと比べればまだ狭いというのが正直なところ。しかもRakuten Turboは自宅に設置して利用することから、設置場所によっては楽天モバイルの電波が入りにくく、速度が出ない可能性もある点に注意が必要でしょう。

もう1つ、Rakuten UN-LIMIT VIIとは利用できるエリアが異なる点にも注意する必要があります。Rakuten UN-LIMIT VIIは一定の制約があるものの、地方を中心にKDDIとのローミングでまかなっているエリアでも通信の利用が可能ですが、Rakuten Turbo 5GはKDDIのローミングエリアでは利用自体ができません。自宅がローミングエリアの可能性がある場合は、事前にエリアマップを確認した上で契約したほうがいいでしょう。
Rakuten Turbo

「Rakuten UN-LIMIT VII」のエリアマップより。スマートフォン向けのサービスでは地方を中心に、KDDIとのローミングによる「パートナー回線エリア」(薄い黄土色)でまかなっている部分が多い

Rakuten Turbo

「Rakuten Turbo」のエリアマップより。パートナー回線が利用できないRakuten Turboは、その分エリアが狭くなっているのが分かる

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