60代以上の親のスマホ選びはどうすれば良い?(画像はイメージ)
各社とも折り畳みタイプのケータイは取り扱いがあるので、今後必ずスマホにしなくてはならない、というわけではありません。しかし高齢の親がいる場合、家族としてはできればケータイよりもスマホを持っていてくれたら何かと便利という気持ちもあると思います。最初は「電話とメールができればいい」と言っても、段々とスマホの便利さや楽しさを知ってもらえるといいですね。
延べ7000人以上の高齢者にスマホの使い方を教えてきた筆者が、失敗しない60代以上の親のスマホ選びについてお伝えします。
スマホにして本当に大丈夫だろうか?
できればスマホを持ってほしいところですが、高齢者の中にはやはりどうにも難しいと感じる方もいらっしゃいます。まずは携帯ショップでデモ機を触ってみたり体験会に参加してみたりと、一度は操作をしてもらいましょう。ご自身のスマホを貸してあげるのもいいと思います。
確認すべきポイントは、
(1)電源ボタンを押してロック解除ができるか?※一部機種では画面タップで解除も可
(2)操作ができるか?(まずはタップ・スワイプ・ピンチ)
(3)言われたことが理解できるか?
の3点です。
まずはスマホを解除して地図アプリをタップで起動→地図のピンチで拡大縮小→ホームに戻る、をやってみるといいでしょう。電源ボタンを軽く押すという操作ができない方もいらっしゃいますが、そこは練習次第でもあります。
「地図(マップ)ってところを押して」「青い丸を中心に指を拡げてみて」「画面の下の方から指をシュッと上にすべらせて」などを、実際に操作を見せながら説明します。
実際に操作を見せながら説明してもうまくできなかったり理解が難しい場合は、折り畳みタイプを検討してみるのも1つの手です。
スマホの入手方法は?
スマホへの機種変更の意向が決まったら、次はどこで入手するかです。手段としては、大きく以下3つが挙げられます。1. キャリアショップで購入(乗り換え・機種変更)
自身と親で利用している通信事業社が異なる場合、乗り換えをすることでお得に機種を購入できることもあります。例えば自身がA社、親はB社利用であれば、A社のショップにて乗り換え検討の相談をしてみてください。
もしくは家電量販店やモールなどの催事場で出張販売を見かけたら、相談してみるといいでしょう。乗り換えも機種変更も、2年ほどで返却して機種変更するプログラムを利用すれば、約半額程度の負担で済みます。
現在はショップでもデータ移行や初期設定は有料となっていますので、可能であれば初期設定まではサポートするといいでしょう。
2. メーカーから買う
携帯電話ショップで買うより直接メーカーから購入するほうが安く購入できることがほとんどです。一部機種ではSIMフリー版の方が、スペックや容量が大きくコスパがよいこともあります。
iPhoneの場合、アップルストアまで足を運べるなら“キャリアモデル”を選ぶと割引があります。
3. おさがりを使う
自身や家族が使っていた端末を使う方法です。ただし、発売から3年以上が経過したスマホはおすすめしません。動作が鈍かったり使いたい機能が使えなかったり。せっかくスマホデビューをしたのに、やる気が失せてしまう可能性があります。
機種の選定については後述します。
プランやオプションは?
店頭での機種変更は基本的にメインプランでの契約になると思いますが、出張販売での契約時に注意したいのが、新料金プランやMVNOです。「ahamo」や「LINEMO」「povo2.0」など、大手キャリアが提供している格安プランは、基本的に店頭や対面でのサポートが受けられません。問い合わせも電話やチャットなどになります。※一部有料での案内もあり
スマホ初心者にはハードルが高すぎますので、一緒に住んでいるなどすぐにサポートできる環境でなければ、安さだけで決めるのは危険です。
機種変更の場合、初めてのスマホの場合はお得なプランもあります。これは3Gから4G/5Gプランへの移行の際に一度だけ利用できますので、ぜひ活用していただきたいです。
オプションについては、遠隔でのサポートサービスは操作に慣れるまでは加入しておくのがおすすめです。電話では分からない人でも、オペレーターとスマホの画面を共有して操作方法を指示してくれます。
機種はどれにしたらいい?
機種ですが、もしかしたら親からは「分かりやすい高齢者向けのシンプルなものがいい」と言われるかもしれません。店頭では高齢者や初心者向けのモデルが「使いやすい!」というアピールをしていますが、実は筆者的におすすめしかねる機種です。一般的なスマホを使っている人からすると、特殊な機能やデザイン設計で逆に難解なスマホであるからです。シンプルで分かりやすいデザインは良いのですが、カスタムが自由にできない仕組みでもあり、必要のないアプリがホーム画面に鎮座したままのこともあります。筆者自身、NTTドコモの「らくらくスマートフォン」やソフトバンクの「シンプルスマホ」などを触ることもありますが、最初は「あるはずのものがない」「できるはずのことができない」など、操作に迷うこともありました。
では何がいいかと言うと、自身が使い慣れているメーカーやシリーズと同じものを使ってもらうことです。
アイコンの大きさや文字の大きさは、どのスマホでも変更が可能です。デザインをパネルタイプにしたければ、アプリを使う方法もあります。自身と同じメーカー、シリーズの機種であれば、電話で何か聞かれてもすぐに答えられるし、分からないことはネットなどで調べるのも難しくありません。
自分と同じ機種にすることでスマホでのコミュニケーションが楽しくなる
実は筆者の母がスマホにした理由は、離れて暮らす孫の顔を見たかったからでした。最初は「安かったから」という理由でAndroidスマホを使っていましたが、筆者自身も十分なサポートができず、近くに住む妹もiPhoneを使っていたのでAndroidのことはさっぱり分からない状況でした。それから半年も経たずにiPhoneに機種変更をしていました。iPhoneにしてからはFaceTimeを使って孫の様子を見せたり、日々の写真の共有もすぐに見てもらったりできるようになりました。60代以上の人が新しいことを始めるのは、私たちが思っているより気合も労力も必要かもしれません。
「思い切ってスマホにしてよかった」と思ってもらうためにも、コミュニケーションをすることでスマホの楽しさを感じていただきたいですね。
次回は「迷わないホーム画面の作り方」をご紹介します。