わたしのモヤっと体験談
消えた郵便貯金
「先日“消えた郵便貯金”というニュースを見てハッとしました。20代の頃、郵便局の定期預金に200万円ほど預け、30年以上口座に入れっぱなしの状態です。特に郵便局からお知らせなどはなかったため、貯金している感覚でいたのですが……私の貯金も消えてしまっているのでしょうか。預けていたお金は戻ってきますか?」(パート主婦/50代後半)
――貯金していたつもりのお金が消えてしまっているかもしれない……心当たりがある場合、どのように対処すればよいか、ファイナンシャルプランナー・西山美紀さんから2つのアドバイスをいただきました。
アドバイス1:自分が該当するか、まず確認する
ニュースになった「消えた郵便貯金」。ゆうちょ銀行の口座がある方は心配ですよね。自分が該当するかどうかを、まずは確認しましょう。ポイントは2つです。1. 「定額郵便貯金」「定期郵便貯金」「積立郵便貯金」のいずれかの場合
「通常郵便貯金」「通常貯蓄貯金」は、郵政民営化の際に、ゆうちょ銀行に承継されているため、この話は該当しないので大丈夫です。
2. 郵政民営化の2007年(平成19年)9月30日以前に預け入れた場合
2007年10月1日以降に預け入れた場合は、旧郵便貯金法の規定が適用されないため、該当しません。
1と2、両方に該当する口座がある場合は要注意。これらの貯金が、満期日の翌日から20年間払い戻しの取り扱いがない場合、「権利消滅のご案内(催告書)」が送られてきます。送付日から2カ月経過しても払い戻しがない場合は、払い戻す権利が消滅してしまいます。
とはいえ、郵政民営化前までの定額郵便貯金等は、すでに全て満期を迎えています。手続きをしていない方は、残念ながら「払い戻す権利が消滅」していて、基本的には国庫に納付されます。
アドバイス2:該当した場合は、窓口に問い合わせてみる
「ああ、もう消滅してしまったのか」と、嘆くことはありません。ごく一部ですが、事情がある場合、払い戻しができる場合もあります。例えば、事故や病気、災害により、自らもしくは代理人が手続きできなかった場合などです。お近くのゆうちょ銀行の窓口に問い合わせてみてください。
その際は、通帳やキャッシュカード、本人確認ができる身分証明書(マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど)、印鑑を持参しましょう。通帳がない場合でも、本人確認書類と印鑑を持参して相談が可能です。
自分が「郵便貯金の口座を持っているかどうか」がわからない方も大丈夫。現存調査といって、確認してもらうことができます。本人確認ができる身分証明書と印鑑を持参のうえ、窓口で相談してみてください。
――さて、あなたはいかがでしょうか。ニュースを見て「もしかすると自分も……」と、心当たりがある場合は、アドバイスを参考に早めに確認してみてください。
イラスト/せるこさん