極細字を快適にくっきり書くためのボールペン
ゼブラ「サラサナノ0.3」各220円(税込)。ボール径0.3mm。インク色は全32色、軸の色とインクの色は合わせてある。替え芯は黒、赤、青、ブルーブラックの4色のみ販売。ペンは単色の他に、色を組み合わせたセット販売もあり。
そのラインアップは57色の色数を誇る「サラサクリップ」以外にも、インクがどのくらい減ったか、つまり筆記の分量が分かる「サラサスタディ」(165円)や、発色が濃く鮮やかな「サラサR」(110円)、金属軸で高級感を持たせた「サラサグランド」(1100円)、書いた文字の上から蛍光ペンを引いてもにじまない「サラサマークオン」(165円)、超速乾性の「サラサドライ」(165円)など、さまざまなシチュエーションに合わせた製品がそろっています。
新作の「サラサナノ0.3」(220円)は、ボール径0.3mmの「細字専用」のゲルインクボールペン。従来の「サラサクリップ」にもボール径0.3mmの製品はあったのですが、ボールペンは、当然ながら、ボール径が小さくなる、つまり細字になればなるほど、どうしてもガリガリした筆記感になってしまいます。細い針で紙の上をひっかいているようなものですから、紙の凹凸を敏感に感じるし、インクの排出も安定しないのは仕方がないところ。そこで、ゼブラはよりスムーズに細字が書ける専用のペンを作ったわけです。
紙の凹凸をクッションで吸収してスムーズな筆記を実現
「サラサナノ0.3」が他のペンと大きく違うのは、極細のペン先で書いた時の凹凸に対応するように、リフィルの後ろにスプリングを付けてクッションにした「うるふわクッション」を搭載していること。このクッションが筆記時の紙の凹凸を吸収し、ガリガリ感を低減。その結果、インクもスムーズに安定して排出されるわけです。インクの出が安定すれば、その分、くっきりした線が引けるので、極細でも読みやすい文字が書けるという仕掛けなのです。 実際、日本語は画数の多い漢字を使うため、細い罫線の中に文字を書こうとすると、どうしても細い線が必要になります。手帳などへの書き込みにしても、授業のノートなどにしても、小さい文字を書きたいシチュエーションは多く、極細のボールペンの需要はとても高いのです。
そうなると、普通のボールペン同様の書き味で、細くて濃い線が書けるペンが欲しくなるのは当然といえるでしょう。そして、細い文字を必要とするのは、学生など若い層が中心で、その層は多くの色を使い分けてノートや手帳を書く習慣がある人も多いため、最初から全32色と、豊富な色数をそろえたラインアップでの発売です。ターゲットユーザーの要望をきちんと汲み上げた製品になっているのです。
細い文字が書きやすいデザインにも注目
更に、ペン先の口金の形が、従来のボールペンのような円すい型ではなく、少しくびれたような形状になっています。これは、細い文字を書く人は、つまり狭いスペースに小さな文字を書くためにこのペンを使うという、実際の使用を考慮した形状。この形状のため、筆記している場所の周りが見やすくなっています。そして、細く小さな文字を書く人は、ペン先に近い部分を持って、ペンを立てて書いている人が多いという最近の筆記姿勢に対応した形状になっているようにも思えます。口金の手前部分がくびれて凹んでいるため、ペン先に近い部分を持った時に持ちやすいのです。これは、筆者の想像ですので、実際はどうかは分かりませんが、トータルで細い文字が書きやすいペンになっていることは間違いありません。
こういうシチュエーションで書きたいならコレ、といった選び方ができるラインアップを揃えているという点で「サラサクリップ」のシリーズに「細字専用」が登場したのは自然な流れのように感じます。こうなってくると、では次はどういうシチュエーションの「サラサ」が出てくるのだろう、という興味も湧いてきますね。