集中したいときのコーヒー、カフェインの効果は?
カフェイン入りドリンクを飲むと頭がすっきりします。たくさん飲んで頑張りたいところですが、過剰摂取には危険もあります。注意して飲むようにしましょう。
コーヒー・紅茶・お茶のカフェイン含有量
カフェインを含む飲み物や食品は様々ですが、コーヒー、紅茶、お茶1杯でもその含有量は異なります。淹れ方やコーヒー豆、茶葉の状態によってもカフェイン量は変わりますので、あくまで目安ですが、以下の表をご参照ください。100ml中のカフェイン含有量(コカ・コーラ ジャパンより)
カフェインだけではない! コーヒー・緑茶の健康効果
カフェインを多く含む飲み物には、ほかにも体によいとされる成分が多く含まれていますものがあります。ここではコーヒーと緑茶を例にご紹介しましょう。まずコーヒーは、カフェインだけでなくポリフェノールも豊富です。ポリフェノールにはがん予防に有効という報告、また、カフェインとポリフェノールの相乗効果によると考えられる心臓病・脳卒中・呼吸器疾患の死亡リスク低下などの健康効果が報告されています。
緑茶は、O-157食中毒などの殺菌効果があることでも注目された他、お茶うがいが風邪予防に効果的という報告もあります。緑茶カテキンはがん予防、高血圧や脳卒中の他、虫歯や口臭予防にも効果があるという報告もあります。また、コレステロールや脂肪の吸収阻害効果があるため、血中コレステロールの低下や、体脂肪の低下も期待されています。美容面でも、ビタミンCを多く含むためお肌の調子にもよいこと、緑茶カテキンによる抗酸化作用などもよく知られている緑茶の威力です。また、緑茶に含まれるギャバは脳への酸素供給量を増やし、脳細胞を活性化するほか、精神を安定させる働きがあるとされています。
カフェイン摂りすぎのリスク・適量・目安はどれくらい?
このようにさまざまな健康効果が報告されているカフェインを含む飲み物ですが、やはり飲みすぎには注意が必要です。カフェインを摂り過ぎてしまうと、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などを引き起こすことがあります。また、眠気覚ましに使われる分、夕方以降にカフェインを摂ると、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が落ちてしまったりすることもあります。長期的に摂り過ぎると、高血圧リスクが高くなる可能性があること、妊婦が高濃度のカフェインを摂取した場合に、胎児の発育を阻害し低体重になってしまうリスクも報告されています。
そのため、世界保健機関(WHO)や、米国食品医薬品局(FDA)などの国際機関では、カフェインの過剰摂取への注意喚起を行っています。それぞれ少しずつ注意の内容が異なっていますが、平均すると、成人の場合はコーヒーはマグカップ(1杯200ml)で1日3~5杯程度までが適量であると考えられています。妊産婦に対しては、米国食品医薬品局(FDA)は、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があるとして、マグカップで1日2杯程度を目安としています。人種差もあるので単純に比較するわけにはいきませんが、日本人は米国人よりも体格が小さい人が多いので、さらに注意が必要かもしれません。
また、カフェインを豊富に含有したエナジードリンクなども飲み過ぎにならないように注意しましょう。
受験生のコーヒー、子どものカフェイン摂取の注意点
受験勉強に励む中高生の中にも、コーヒーやエナジードリンクを利用している子どもはいるかもしれません。まだ成人ほど体も大きくないので、やはり上記の目安を参考に、飲みすぎたり、カフェイン依存の状態にならないように、適量を心がけるのがよいでしょう。また、さらに小さな子どもたちが好きなチョコレートやコーラなどの一部の清涼飲料水にも、カフェインが含まれています。体が小さい子どもたちは、体の大きさに応じてカフェインの適量を考える必要があります。欧州食品安全機関では体重1kgあたり3mg、カナダ保健省では体重1kgあたり2.5mgを体に影響のないカフェインの摂取量としています。大体13kgの3歳児であれば、1日32.5~39mgを超えないように気をつけましょう。
もしも、子どもがコーラやチョコレートなどが好きでカフェインの摂り過ぎが気になるようであれば、食品安全委員会がまとめている「KidsBox」に、子ども向けのカフェインについての説明が書かれていますので、一緒に読んでみるのもよいかもしれませんね。
今回はカフェインの効果と注意点をそれぞれご紹介しました。受験生にとっても大人にとっても、集中力や判断力を高める効果や、リラックス効果などは、どれも魅力的なものかと思います。受験生は大事な試験の前、大人は大事な会議の前やリラックスしたい時など、ここぞというシーンにあわせて適量のカフェインを上手に活用してみてはいかがでしょうか。
【参考サイト】