定年前に必ずやるべき! 老後のマネーシミュレーション
定年前にまず、「入り」と「出」を把握しようと思ったわけですね。「入り」のほうは公的年金と、退職金を企業年金として受け取った場合、毎月どれくらい入ってくるんだろうか……ということを全部克明に調べました。「出」のほうの生活費は、家計簿をつけていたんですね。普通に暮らしていたら、だいたいこれくらいだよね、というのを把握していました。それと公的年金の額とを比べてみると、だいたい公的年金で生活できるということが分かったわけです。
それをやらないで「老後が不安だ、不安だ」と言っている方が多いのではないでしょうか。まずはご自身の「入り」と「出」を把握しなきゃダメでしょ!っていう話ですよね。これから定年に向かうという人は、絶対に家計簿をつけなさい! これは絶対ですよ(笑)。
――動画では、マネーガイドの福一由紀さんが「大江さんのここをマネせよ!」という学びポイントを解説してくれているので、ぜひ併せてご覧ください!
大江流「お金の三分法」とは
「お金の三分法」と言っているのは、お金の使い道を3つに分けて、それぞれの使い道に合ったお金の出どころを割り当てましょう!という考え方なんですね。いわゆるお金の使い道というのは大きく3つあります。1つ目は日常生活費、2つ目が一時出費や自己実現費、3つ目が医療・介護、あるいは施設の入居費など。
この中で絶対に必要になるお金は、日常生活費。これは公的年金でまかなう。公的年金というのは、現時点ではどんなことがあっても死ぬまで支給されるんですよ。だから確実に支給されるお金で、絶対に必要なお金をまかなう。もし、年金が少ないというんだったら、日常生活費を絞って年金の範囲内で生活できるようにすべきです。
2つ目は旅行したり、趣味を楽しんだりして暮らすお金ですね。これは60歳以降、働いて稼ぐお金でまかなえばいいんですね。
3つ目は必要になるかどう分からないお金。これはそれまで貯めたお金、あるいは退職金などを充てるべきなんですね。なので退職金や貯金は、将来必要になったときのためにとっておくべきで、安易に使っちゃいけないと思うんですね。
――以上、大江さんが定年前に行った老後のマネーシミュレーションやお金のやりくり術についてお伝えしました。ぜひ、老後のマネープランを考える参考にしてみてください。
大江英樹(おおえ・ひでき):経済コラムニスト、オフィス・リベルタス代表。大手証券会社で25年にわたって個人の資産運用業務や、確定拠出年金の投資教育等の業務に従事。定年をきっかけに独立・起業。資産運用や企業年金、シニア層向けライフプラン等などをテーマに、新聞や雑誌などへの寄稿、書籍執筆、講演などを行っている。著書『となりの億り人 サラリーマンでも「資産1億円」 (朝日新書)』『知らないと損する年金の真実 - 2022年「新年金制度」対応 - (ワニブックスPLUS新書)』など。