老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を月18万円もらえる人の現役時代の収入についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:年金を月18万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入がある人なのですか?

「会社員が将来年金を月18万円もらうには、現役時代にどのぐらいの収入が必要ですか? 18万円あれば安心できそうです」(45歳・会社員)
 
月18万円の年金を受給できる現役時代の収入とは?

月18万円の年金を受給できる現役時代の収入とは?

 

A:22歳以降27歳未満までの年収は300万円、27歳以降60歳までの平均年収の目安は665万7840円です

年金を月18万円もらえるには、現役時代にどのぐらいの収入が必要なのでしょうか?

■老齢基礎年金と老齢厚生年金の計算の仕方
会社員は、受給要件を満たすことで原則65歳から老齢基礎年金と、老齢厚生年金を受け取れます。老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない方は満額の月額6万5075円(令和3年度)が受け取れます。

老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と勤続年数によって、次の計算式で計算されます。

(1)平成15年(2003年)3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間
(2)平成15年(2003年)4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間(スライド率等については省略。*乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用)

■相談者の年金を計算する前に……前提条件の整理
相談者は、令和3年で45歳。つまり1976年(昭和51年)生まれですので、国民年金は20歳から加入し、22歳以降は60歳まで38年間、厚生年金に加入した場合で試算をしてみたいと思います。

相談者が会社に入社した年(22歳)は、平成9年(1998年)となります。よって、年金加入歴は以下の通りとします。

20歳(1996年)以降22歳(1998年)まで……国民年金加入(2年間・24カ月)
22歳(1998年)以降27歳(2003年)まで……厚生年金加入(5年間・60カ月)
27歳(2003年)以降60歳(2036年)まで……厚生年金加入(33年間・396カ月)

仮に、会社に入社した22歳から27歳までの5年間は、年収300万円(ボーナスなし)とします。27歳以降60歳までの年収はボーナス込み、33年間の年収の変更は考慮しません。

上記の前提から、老齢基礎年金は令和3年度で満額の約6万5000円を受給できるとします。

■22~27歳の加入歴に基づく老齢厚生年金の計算
それでは22~27歳の厚生年金加入歴に基づいた老齢厚生年金の計算をしてみます。

22~27歳の年収300万円なので、標準報酬月額25万円ということになります。この期間は平成15年(2003年)3月以前になるので、上記(1)の計算式を使います。

●計算式
25万円×7.5/1000×60カ月=年額11万2500円(月額9375円)

このように、22~27歳の年収300万円なら、年額11万2500円(月額9375円)が受け取れることがわかります。

したがって、老齢基礎年金を月額6万5000円と、この5年間分の老齢厚生年金を月額9375円受け取れますので、毎月18万円受け取るには、あと月額10万5625円(18万円-6万5000円-9375円)、年額126万7500円を受け取る必要があります。

■年金を毎月18万円受け取るには、27歳以降の年収はいくら必要?
残り、老齢厚生年金を月額10万5625円(年額126万7500円)受け取るために必要な年収を計算するには、上記の(2)の計算式を使います。計算すると以下のようになります。

●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×396カ月=126万7500円
平均標準報酬額=126万7500円/(5.769/1000×396)≒55万4820円

平均標準報酬額を年収に換算すると……
55万4820円×12カ月=665万7840円(年収)

■まとめ
このように、20歳から国民年金保険料を払い、22歳から厚生年金に入り、5年間は年収300万円、27歳以降60歳までの平均年収が665万7840円であれば、月18万円の年金を受け取ることができます。

また、老齢厚生年金は、要件を満たす配偶者がいると配偶者加給年金を受け取ることができます。令和3年度の配偶者加給年金の金額は、39万500円(昭和18年4月2日以後生まれの特別加算額を含む)です。配偶者加給年金は、配偶者が65歳になるまで加算されますので、大きなメリットがあるのではないでしょうか。

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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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