老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、52歳で厚生年金の加入をやめた場合についてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:52歳まで厚生年金で、退職し国民年金に加入した場合、60歳まで厚生年金に加入した場合とどのぐらいの差になる?

「52歳まで厚生年金で、その後会社を辞めて国民年金になった場合と、そのまま会社に勤務して60歳まで厚生年金をかけていた場合、将来もらえる年金にどのぐらいの差がありますか?」(相談者)
 
7年間多く、厚生年金に加入すると増える年金額は?

7年間多く、厚生年金に加入すると増える年金額は?

 

A:年収360万円で60歳退職まで厚生年金に加入した場合の方が年額14万5378円多く受給できます

相談者が52歳で退職し、その後60歳まで国民年金に加入した場合と、60歳退職時まで厚生年金に加入した場合に、65歳から受給できる概算の老齢年金額を計算してみました。前提条件は次の通りとします。

20歳から国民年金に加入、22歳で就職し厚生年金に加入。年収は360万円(月額30万円、賞与含まず)。概算のため就職してから退職するまでの平均収入額とし、収入の変更は考慮しません。

老齢厚生年金額を計算するときは、厚生年金加入時期によって分けます(従前額保障、昭和29年以後生まれの率を使用)。

平成15年3月まで:平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入月数
平成15年4月以後:平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入月数
平成15年3月までは平均標準報酬月額、平成15年4月以後は平均標準報酬額(賞与含む)となります。

相談者を2021年(令和3年)現在52歳、つまり昭和44年(1969年)生まれとし、年金加入期間を仮に以下のように考えてみます。

【1】20歳から2年間(24カ月)国民年金に加入
【2】22歳(1991年)で就職し厚生年金に加入
【3】22歳(1991年)~34歳(2003年)まで12年(144カ月)、厚生年金に加入
【4】34歳(2003年)4月以降、52歳(2021年)以下は19年間(228カ月)、厚生年金に加入

52歳で退職し国民年金に加入した場合を以下とします。
【5】53歳~59歳までは7年(84カ月)合計40年(480カ月)

60歳になるまで厚生年金に加入した場合を以下とします。
【6】平成15年(2003年)4月から59歳(2028年)以下は26年(312カ月)

■52歳で退職し、その後60歳まで国民年金に加入した場合の年金額は89万4300円
・老齢厚生年金
平成15年3月まで:30万円×7.5/1000×144カ月【3】=32万4000円【7】
平成15年4月以後:30万円×5.769/1000×228カ月【4】≒39万4600円【8】

・老齢基礎年金
老齢基礎年金は、令和3年度満額78万900円を受け取れるものとします。【9】

【7】32万4000円+【8】39万4600円+【9】78万900円=149万9500円

■60歳まで厚生年金に加入した場合の年金額は、厚生年金期間に7年分(84カ月)が加算されます。
・老齢厚生年金
平成15年3月まで:30万円×7.5/1000×144カ月【3】=32万4000円【7】
平成15年4月以後:30万円×5.769/1000×312カ月≒53万9978円【10】

・老齢基礎年金
老齢基礎年金は、令和3年度満額78万900円を受け取れるものとします。【11】

【7】32万4000円+【10】53万9978円+【11】78万900円=164万4878円

差額は以下となります。
164万4878円-149万9500円=14万5378円

よって、60歳退職まで厚生年金に加入した場合の方が年額14万5378円多く受給できます。あくまでも概算ですので、詳細についてはねんきんネットや年金事務所に相談してみましょう。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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