メインバンクはゆうちょ銀行が1位
「メインバンクはどこですか?」の質問に対し、107票、つまり全体の5分の1の人が「ゆうちょ銀行」と答えました。 今回のアンケートは都市部に限らず、全国を対象としたため、地元の有力地銀などにも票が分かれる結果となってしまいましたが、その中でも「ゆうちょ銀行」がトップとなったのは、その全国支店網の強さによるものだと思われます。大手都市銀行がATM数や店舗数を統廃合で絞っていくなか、全国的に見ると、以前と変わらずに地元の身近な金融機関として親しまれているようです。一方で、「ATMがいつも混んでいて長時間待たされる」「最近は不祥事が多くて、ちょっと信用できない」といった、いつも使っている銀行だからこそ「不便に感じる」「心配に思う」というコメントもありました。
3位の楽天銀行はポイントプログラムが魅力
1位:ゆうちょ銀行、2位:三菱UFJ銀行、4位:三井住友銀行、5位:みずほ銀行と、大手都市銀行がズラリと上位に並ぶランキングで、ネット系の楽天銀行が5位にランクインしました。「楽天銀行」としての歴史はまだ10年ほどであることを考えると、この結果は驚きです。自身も楽天銀行ユーザーであるファイナンシャル・プランナーの豊田眞弓さんは、「楽天カードや楽天ポイントと連携させたポイントプログラムがとにかくスゴイ」と言います。「ハッピープログラム」という楽天銀行のポイントプログラムにエントリーすると、入出金や振込などの銀行取引に加え、楽天証券での取引でも楽天ポイントが貯まります。
「さらに、楽天銀行と楽天証券の口座連携サービス『マネーブリッジ』は一度設定するだけで、楽天銀行の普通預金金利が0.1%になる点も魅力」と豊田さん。大手銀行の普通預金金利が0.001%であることを考えるとその差は、なんと100倍。楽天のグループ力を結集した新しい魅力的なサービスが人気の理由のようです。
持っている銀行口座数は2~4つが8割強
メインバンクに限らず、持っている口座数を聞いたところ、31.6%の人が「3つ」と答えました。続いて26.8%が「2つ」、18.6%が「4つ」。4位の「1つ」まで合わせると、86.2%の人が「4つ」以下という結果になりました。 「目的別口座の使い分けや、家計管理の手段として銀行口座を複数持つ人が多いと思いますが、多すぎても管理しきれません。給与振込口座などのメインバンクと、使い勝手のよいサブバンクをうまく使い分けてほしいです」と豊田さん。ゆうちょ銀行もATM手数料を有料化の予定。今後の動向に注目
大手都市銀行が提携ATMの手数料を有料化・値上げしたことは記憶に新しいですが、ゆうちょ銀行もまた、2022年1月17日からATM利用を一部有料化する予定です。郵便局やゆうちょ銀行本体のATMではこれまでと変わりませんが、駅・ショッピングセンター・コンビニなどの提携ATMでは、夕方以降や休日など一部の時間帯で、ATM利用料が有料化、または値上げとなります。「時間外の引き出しだけでなく、預け入れにも手数料がかかってしまうのはショックが大きいです。こうした手数料の値上げをユーザーがどう捉えるか。メインバンクを見直すきっかけになるかもしれません」と豊田さん。預けたお金にはほとんど利息がつかないのに手数料だけが……。歴史的な超々低金利が続く中での手数料値上げは、私たちのメインバンク選びにも影響を少なからず与えるでしょう。
監修/豊田眞弓(ファイナンシャルプランナー) 取材・文/長島美樹