お金を少しでも貯めたいとき、手っ取り早く「節約しよう」と考える方は多いのでは。一方で、節約は我慢を強いられるイメージもつきまとい、実際に長続きしなかったという方もいるようです。ここで取り上げる「水道光熱費」も、なかなか節約効果が出にくい費目の一つなようです。

そこで、家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にメディア出演や講演を行っている節約アドバイザーの矢野きくのさんが、「本当に効果的な、水道光熱費の節約の仕方」を教えてくださいました。

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節約したい費目上位の「水道光熱費」ではあるけれど……

電気、ガス、水道はライフラインといわれるように、私たちの毎日の生活に欠かせないものとなっています。毎日使うものだからこそ、節約したいと思うのかもしれません。筆者の講演で来場者に節約したい費目のアンケートをとると、水道光熱費を上位に挙げる人が多くいらっしゃいます。一方で、とくに「節約しているのに効果が出ない」という声を聞くのも水道光熱費です。
 

我が家の水道光熱費は高すぎる? 気になる全国平均は?

まずは、そもそも自分の家の水道光熱費は節約する必要があるのか、気になる全国平均を見てみましょう。

総務省統計によると1カ月あたりの電気代、ガス代、水道代の平均は以下のようになります。
水道光熱費の平均

世帯人数別の水道光熱費平均額(出典:総務省「家計調査 家計収支編」(2020年)より、筆者・編集部が作成)

電気代、ガス代、水道代ともに、季節によって違ってきますし、お住まいの地域によっても大きな違いが出てくるので、あくまでも全国平均となります。また昨年からの新型コロナウイルス感染拡大により、在宅時間が増えたことから例年よりも水道光熱費が高くなっているということもあります。

特徴があるのが、電気代の平均に関して、単身世帯(1人世帯)と、2人以上の世帯で大きな開きがあることでしょう。これは複数人になると、過ごす部屋の数も増え、またトイレや廊下、リビングなど共用部分が使われる回数が増えてくることによるものでしょう。

このような状況をふまえ、毎日の暮らしの中で何をどうすれば水道光熱費の節約になるのか考えてみましょう。
 

電気代の節約

まずは電気代の節約です。電気代はキッチンがIHコンロかどうかや、また近年では電気自動車を所有しているご家庭も少しずつ増えてきているので、環境によって大きく違ってくる費目ではあります。その中でも共通してチェックしていただきたいのが以下の項目です。

▼契約の見直し
2016年に電力自由化となり、それまでの地域の電力会社だけの契約から、様々な業種が参入して新電力会社ができ、選択肢が増えました。しかし、多くのご家庭が見直しをしていないのも実情。石油会社や通信会社などが運営しているものはガソリン代や携帯代とのセット割などもありますので、一度、自分の生活にあうセット割をしている新電力会社はないか、比較してみましょう。新電力会社にすれば必ずしも電気代が節約できるというわけではありませんが、比較してみる価値はあります。

▼人感センサー付き電球の活用
玄関や廊下、トイレなど、家の中で短時間しか滞在しないのに、電気の消し忘れが多いということはありませんか? このような場合は人感センサー付きの照明器具がおすすめです。人の動きを感知すると自動で電気が付き、しばらくすると自動で消えるというものです。人感センサー付きのLED電球など、現在使っている照明器具そのままで電球を替えるだけで使えるものもあります。

▼タイマーの活用
テレビをダラダラと観てしまう、除湿器や加湿器をつけっぱなしにしてしまうなど、必要以上に電気代がかかってしまっているものには、タイマーがおすすめです。タイマーがついていない家電でも、タイマー付きのコンセントを使えば設定した時間で切ることができます。

筆者宅ではテレビのオンオフタイマーを利用し、朝、家族が起きてくる時間に自動でテレビがオンとなり、家を出る時間には消えるように設定しているので、忙しい朝でも消し忘れることがありません。
 

ガス代の節約

ガス代に関しても、IHコンロかガスコンロかで金額が変わってくるものですが、多くの家庭に関係してくる以下の項目をチェックしてください。

▼ガス給湯器が無駄に点火しない使い方をする
ガス給湯器のリモコン

ガス給湯器のリモコンに注目。赤い炎のマークや「点火」や「燃焼」という文字が点灯していたらガスを使っていることになります

ガス給湯器のリモコンがキッチンや浴室にあるご家庭も多いと思います。このガス給湯器のリモコンに電源が入っているだけでは、ガス代に影響はしてきません。お湯を出そうとして、赤い炎のマークや「点火」や「燃焼」という文字がついたらガスを使っているということになります。

そのため注意したいのは、無意識にガスを点火してしまうときです。キッチンや洗面台などの蛇口でレバーの位置を左右に動かすことで水からお湯へと温度を変えることができるタイプのものは使い方に注意しましょう。
ガス代の節約

レバーが水の方向に寄っているかどうか、意識するようにしましょう

ちょっと手を洗うだけのとき、水で洗っているつもりでもレバーがお湯の方向に寄っていると、水を出した瞬間にガスが点火してしまいます。水でいい場合は、意識してレバーが水の方向に寄っているかどうか確認してから水を出しましょう。

▼お風呂は追い炊きより差し湯
多くのご家庭で使っているお風呂で湯船のお湯の温度を上げたいときは、追い炊き機能よりも熱いお湯を足すほうがおすすめです。

追い炊きの場合は、浴槽のお湯が給湯器に送られ(給湯器を使う際にガスが点火します)、再び温められたお湯が浴槽に戻ってくることで、浴槽内の温度が上がる構造となっています。一方、差し湯の場合はお湯となったものをダイレクトに浴槽に入れるので効率が良いのです。
 

水道代の節約

東京都水道局の「くらしと水道 水の上手な使い方」等に掲載されている「一般家庭水使用目的別実態調査」(平成27年度)によると、家庭で使用する水の内訳は、以下のようになっています。
家庭で使用する水の内訳

家庭で使用する水の内訳(東京都水道局「一般家庭水使用目的別実態調査」(平成27年度)より、筆者・編集部で作成)


▼水道代節約のポイントはお風呂
グラフの数値からもわかるように、水道代の節約のポイントはお風呂の水の使い方になります。

現在使われている一般的な浴槽で使う水の量は約200リットルとなります。一方シャワーは1分間で約12リットルの水が出てくるので、湯船の200リットルはシャワーを16分流し続けたのと同じ水の量となり、3人までならシャワー、4人以上なら湯船のほうが節水できるという計算になります(財団法人 省エネルギーセンター 家庭の省エネ大辞典より)。

ただし湯船に入り体を温めることの利点もありますので、ここは状況に応じて使い分けしたいところです。

浴槽掃除のラクさでいえば、使ってすぐに水を抜いて掃除をするほうが簡単にできますが、水道代を考えると、お風呂の残り湯を翌日の洗濯や掃除に二次利用することで節約ができます。

▼トイレのレバーの使い分け
1回のトイレで使う水の量は、便器の製造年やタイプによって変わってきますが、平均的な数値は大で約8リットル、小で約6リットルとなっています。無意識に大ばかりで流していると毎回2リットルの水を無駄にしていますので、ここは使い分けをしっかりしたいところです。

今回ご紹介した内容は、どれも習慣づいてしまえば面倒なことではありません。毎日使う電気代、ガス代、水道代だからこそ、自然に節約になる使い方をしたいものですね。
 
矢野きくのさん

教えてくれたのは……
矢野きくのさん

家事アドバイザー、節約アドバイザー。女性専門のキャリアコンサルタントを経て女性が働くためには家事からの改革が必要と考えて現職に。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ、雑誌、講演ほか企業サイトや新聞での連載。All Aboutの節約ガイド。


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