「何を」「どこで」「どんな方法で」買うかが大事
無駄遣いをしないことは効果的な節約につながります。「何を買うべきか」を考えることとあわせて実践してほしいのが「お得に買うこと」だと節約アドバイザーの矢野きくのさんは言います。矢野さんに、「手間なくできるお得な買い物術」を教えていただきました。
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誰しも「同じモノを買うならお得に買い物したい」と思うことでしょう。そう思ってはいるものの、情報過多な現代は、かえって何をどうしていいか、自分にとって本当に得なのかが分かりづらい世の中となっています。
お得な買い物をするには、「どこで買うか」という店選びと、「何で支払うか」という支払い方法の2つがポイントとなってきます。昔なら「どこで買うか」だけでお得になりましたが、支払い方法が多様化した今は「何で支払うか」も重要なポイントなのです。
今回は忙しい人でも手間なくできる「お得な買い物術」を考えてみたいと思います。
デイリーの買い物はお得なルートで買う習慣を
特売品を探すよりも、ある程度安く買うことができるルートを確保しておくことが大事
食料品や洗剤などレギュラーで買うものは、その都度チラシを見比べて特売品を探すよりも、特売ほど安くなくてもある程度安く買うことができるルートを確保しておけば、手間もかからず安定して節約することができます。
▼定期購入での割引き
レギュラーに買うものは定期購入で割引がきく買い方がおすすめです。
例えばAmazonの「定期おトク便」は、シャンプー類、洗濯洗剤類、トイレットペーパー、飲料、缶詰、乾物など幅広いカテゴリーの商品を定期便で購入するシステムで10~15%オフになるものです。1~6カ月の間で購入のタイミングを設定でき、「今月はまだ要らない」という場合も簡単に次月送りにもできます。レギュラーで買うものだからこそ、10~15%オフの割引価格で買えるのは大きな節約です。一度設定すれば、あとは自動で重たい物もかさばる物も玄関まで届けてもらえるので、家事の時短にもおすすめです。
▼賞味期限が短くなった食料品での割引き
賞味期限が短くなったものといえば、スーパーのワゴンに並んでいる「見切り品」を思い浮かべますが、これはネットでも購入することが可能です。
日本の商習慣では「3分の1ルール」というものがあり、賞味期限の3分の1が過ぎてしまうと納品しづらいといわれています。それらを廃棄するのは勿体ないということで、割引き価格で販売しているお店があります。実店舗が近くにあれば良いですが、ない場合はネット通販を利用してみてはいかがでしょうか。
KURADASHIやjunijuniはフードロス削減を目指して開設されたネットショップで、食料品や飲料など50%オフは当たり前、ときには90%オフという品物もあります。注意したいのは1つの個数が多いので、残りの賞味期限と消費できる量を計算して購入することです。
▼スーパーの割引特定日を利用する
大手スーパーだけでなく、ご当地スーパー(ローカルスーパーや小型スーパー)でも、特定日や特定曜日で割引を実施しているところが多くあります。割引き曜日にあわせて買い物に行く習慣をつけてしまえば楽ですね。ただし予定外のものまでたくさん買ってしまうと無駄遣いになってしまうので要注意です。
▼PB商品(プライベートブランド商品)を積極的に利用する
PB商品(プライベートブランド商品)とは、スーパーが自社ブランドとして販売しているもので、流通カットやパッケージの簡素化、そしてメーカーに全て買い上げで発注していることからコストが抑えられており、NB商品(一般的なナショナルブランドの商品)よりも、価格が安い設定になっています。
「特売品」という安さではなくても、安定して安く買えるので頻繁に必要とするものであれば、かなりお得になります。
イレギュラーな買い物も「お得に買える場所があるはず」とまずは探してみる
衣類や家電など日常的に買うものではなくても、お得に買えるルートは押さえておきたいものです。近年は販売ルートの多様化から、身近なところでお得なものを購入できるようになりました。
▼家電やガジェットはアウトレットを購入
アウトレットといっても、新製品が出たあとの型落ち品だったり、店頭での展示品や、箱つぶれなど理由は様々。その理由に納得できるのであれば、かなりお得に買うことができます。
実店舗ではヤマダ電機のアウトレット専門店、ネット通販ではnojima onlineやAppleストアでも旧モデルや、一度出荷され戻ってきた整備品などを安く販売しています。
▼フリマアプリやネットオークション
個人間で簡単に売買することができるフリマアプリやネットオークションには、思わぬ掘り出し物が出ていることがあります。ある程度の相場はありますが、相場を気にしない出品者やとにかく早く売りたいという人もいて、市場価格の半額以下というものも数多く存在しているのです。
利用者が増えたことから出品数も増え、筆者も最近では必要なものがあったらまずはフリマアプリで探す習慣がつきました。
ただし個人売買ならではの注意点もあります。新品の家電でも数年経っていてメーカー保証が付かないものや、中古品の場合は思っていたよりも汚いものなどがあるため、納得がいくまで確認してから購入することをおすすめします。
▼新古品もネットで探せる時代
新古品とは、モデルルームやショールームに展示されていて新品ではないけれど、誰かの所有にはなっていない商品のことをいいます。分かりやすいところでは試乗車や、前述のアウトレットにも含まれますが、店頭の展示品だった家電なども含まれます。
新古品は、商品にもよりますが、半額以下のものも複数ありお得です。筆者の家もリフォームした際に、インターネットで利用できる「お新古市場」で洗面台やトイレなどは新古品を購入したため、かなりの節約になりました。
現金で支払うのは損な時代
支払い方法が多様化した昨今は、「買う場所」だけでなく「何で支払うか」も重要
現金で支払えばそのままの金額で終わってしまうので、ポイント還元がつく支払い方法を利用するとお得になります。
▼クレジットカードやスマホ決済
少なくともクレジットカードで支払えばポイントが付きます。またここ数年で一気に普及したスマホ決済も、不定期ですが20~30%といった還元率でポイントがつくキャンペーンもやっているので、高還元です。
▼金券ショップでギフト券や優待券を購入
昔ながらの節約方法ですが、金券ショップの利用はお得です。特定店舗の商品券や、どこでも使えるギフト券、株主優待券などを安く購入できるので、近くに金券ショップがある方は日頃からチェックしておくとよいでしょう。
▼ポイント3重取り! ネットでの買い物ならポイントモールを経由する
ポイントモールとは、クレジットカード会社や航空会社、その他の専門ポイントモールなどが運営していて、そのサイトを経由して目的のネットショップに行くと、ポイントがつくというものです。高還元率のところも多く、キャンペーンでポイント10倍、20倍なども頻繁にあります。
例えば家電量販店Aで買い物をしたいと思ったとき、ポイントモール内にある家電量販店Aのリンクを通ってから買い物をし、クレジットカード決済をすると、ポイントモールを経由したポイント、クレジットカードのポイント、家電量販店Aのポイントとポイントを3重取りできるようになります。
ポイントモール内に目的のネットショップがないと利用できないシステムなので、自分が利用したい店がどこかのポイントモールに入っていないか確認してみてください。
今回ご紹介したようにお得に買い物する方法は多岐にわたっています。日常のことなのでお得な買い物術を意識して買い物するかしないかで、得する金額は計り知れません。是非ご自分にあうお得な買い物術を探してみてください。
教えてくれたのは……
矢野きくのさん
家事アドバイザー、節約アドバイザー。女性専門のキャリアコンサルタントを経て女性が働くためには家事からの改革が必要と考えて現職に。家事の効率化、家庭の省エネを中心にテレビ、雑誌、講演ほか企業サイトや新聞での連載。All Aboutの節約ガイド。