旅行前に、現地で履くための歩きやすくてちょっとおしゃれな靴を買うことはありませんか? 歩きやすさを重視したスニーカーだと代わり映えしないし、シーンによっては合わない。でも靴を何足も持っていくのは面倒だし……。
そんな悩みをお持ちの方のために、私が初めての海外旅行先のスペインで出会った「カンペール」というメーカーの靴を紹介します。これなら、おしゃれで、ヨーロッパの石畳も楽々歩けます。
幅広足にもぴったりの「カンペール」
足の幅が広くて、かわいい靴が入らないのが悩みだった若かりし頃。20歳のときに初めて行ったスペインで、たまたま出会ったのが「カンペール」の靴でした。
合皮の靴ばかり履いていたのですが、パッと見て「これ!」と決めたのはベージュのスエードのスニーカー。スポーツメーカーのスニーカーより断然都会っぽくて、ちゃんとしたパンツスタイルにも合いそうなところが気に入りました。
3月だったので、ちょうど冬のバーゲンの第2~3期で、随分お手頃価格になっていて、たしか日本の半額以下で手に入ったと思います。
歩きやすくかわいい。スペインの思い出にはいつも「カンペール」が
ディスプレイも素敵な表参道のショップ photo by Natsuko Yanagawa
そのスペイン旅行中はもちろん、日本に帰ってからも長く履き続けました。靴底が厚くて擦り切れることもなく、本当に歩きやすくて、汚れも目立たず、おそらく私のこれまでの人生で一番ぴったりきて、長く履いた靴だったと思います。
2000年からまたスペインに住むことになったときにも、バーゲンですぐに「カンペール」の黒の革のロングブーツを購入しました。ぽってりとした形がかわいくて、底が厚いので石畳でも足が冷えないし、安定感があって冬は毎日履いていました。
その後も何足かローファーを履いたと思います。バーゲンのときは、欠かさずお店を覗いて。取材でも何度も何度も訪れました。足先が丸くて、シンプルだけどかわいく温かみがある「カンペール」は、私のスペイン生活をずっと足元から支えてくれました。
元「カンペール」のデザイナーさんと知り合いに
上質なスエードと赤い靴ひも、丸い足先がキュート
驚いたことと言えば、バルセロナの幼稚園に通っていた子どものクラスメートのママが「カンペール」のデザイナーさんだったこと。数年前まではマヨルカの本社にいて、出会った当時はもう会社を変わっていました。
彼女は、小さい子どものママらしい柔らかい雰囲気だけど、明らかにデザイナーものの洋服を着たおしゃれさん。私が初めて買ったクラシックな型の「カンペール」のシューズが大好きでデザインに携わっていたそうです。
近年の「カンペール」はモダンなタイプの靴も多いのですが、年齢や好みを選ばないシンプルだけどちょっと違う、そんな靴もたくさんあります。最近は自転車に乗ることが多いので、「カンペール」なら楽にスイスイこげそうだなと思ってオンラインショップを見ています。
初めて出会ってから20年以上が過ぎ、私も変わったし、これからもいろんなことを学んで成長していくなかで、好きな靴、履きたい靴も変わっていくかもしれません。でも、「カンペール」と共に過ごした思い出は変わることなくずっと一緒にいます。
DATA
カンペール