マネーtips!お金持ちになるための365日/節約アドバイザー・丸山晴美さんの「無駄遣い体質」から脱却する方法

節約アドバイザー・丸山晴美さんが実践する、わが子への「お金のしつけ」

「お金について考える力を育てるのが親の役目」というのは節約アドバイザーの丸山晴美さん。最終回となる4回目は、丸山家のお子さんへの「お金のしつけ」について伺いました。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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2019年10月にはいよいよ消費税10%になる?収入が上がらない以上、今から家計を引き締めないと家計へのダメージは必至。そのために、“今すぐすべきこと”を節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんがレクチャー。(第3回『節約アドバイザー・丸山晴美さんが日常で使うオトクなワザとは?』から続きます)

――子どもへの「お金の教育」は、親にとって悩ましい問題です。いつからどんなことをどこまで教えればいいのか…。丸山家では、どんな“お金のしつけ”を行っているのですか?
 
丸山晴美さん:うちは今、小学校3年生の男の子がいるのですが、2年生の頃からお小遣い帳をつけさせています。ひとりっ子なので、ともすると親だけでなく、両家のおじいちゃん・おばあちゃんなど、お財布がいくつもある状態になる。“ねだればなんとかなる”“お金はどこからかわいてくる”と思われると金銭感覚が身につかず、大人になってから本人が苦労します。欲しいものはきちんと貯めて買う、そのためにはどうしたらいいかを考える。そうした感覚を養うためにも、お小遣い帳は有効です。
 
――お子さんはお小遣い制ですか?
 
丸山晴美さん:いえ、決まった額のお小遣いは渡していません。その代わり、やってくれた勉強に応じてお小遣いをあげるシステムにしていますね。例えば、夜9時までに公文3教科と学校の宿題を終えたら100円。漢字ドリルをやったら50円などと、具体的にルールを決めています。お手伝いはやって当たり前なのでお小遣いはあげません。
 
――勉強をするとお小遣いに繋がるんですね。遊びたい!となりませんか?
 
丸山晴美さん:放っておくと際限なくYouTubeを見たり、遊んでしまうので(笑)、子どもとの間でルールを決めています。夜8時までに宿題を終えると、YouTubeやテレビが見られる「メディアチケット」2枚か、子どもが今ハマっている「ベイブレード」で遊ぶ権利が得られるチケットを渡します。チケットは、私のお手製です。メディアチケットは、10分で1枚使え、1日最長60分まで。ルールを破ると今後一切見れなくなるよと伝えているので、子どももきちんと守ってくれています。よほどのことがない限り、途中でルール変更はしません。親の都合でルールを変えるという理不尽なことは避けるべきだと思うので。

 
丸山晴美さんお手製のチケット

丸山晴美さんお手製のメディアチケット・ベイチケット




――「チケット制」というゲーム感覚のやりとりは、子ども心をくすぐりそうです。「一度決めたルールは変えない」というのも親に対する信頼性に繋がる気がします。ちなみに、テストの点数などもお小遣いに影響するのですか?
 
丸山晴美さん:点数で金額を上げることは、逆にしませんね。点数がいい=お金が貰えると思うと、悪い点数の答案を隠してみせてくれなくなっちゃう。でも親としては、むしろ間違った回答が見たいじゃないですか。そうじゃないと子どもの弱点も分かりません。点数だけで評価が決まると思うと歪んでしまう気がするので、努力の過程や姿を評価するようにしたいなと思っています。ですから、100点をとっても別に何か買ったりはしません。特例もなしです。

“限られたお金の範囲で何が買えるのか考える”といった経験も積ませたいので、買い物にも行かせます。あまった小銭はお駄賃になります。暗算の練習にもなるし、モノの値段をなんとなく掴むという練習にもなります。そういう経験を小さい頃からたくさん積ませることが大事だと思うんです
 
――お金の教育は、やはり早めにおこなうべきでしょうか。
 
丸山晴美さん:そう思います。私たちが子どもの頃の親たちは、「子どもの前でお金の話はしない」という暗黙のルールがありましたが、もはやそんな時代ではありません。今は、時代が混とんとしていて不透明ですから、将来どうなるか予測がつかない。年金の支給開始年齢もどこまで延びるか分かりませんよね。これまで以上に金銭感覚を磨いておかないと、おそらく生活が立ち行かなくなる人がたくさん出てくる。国だってカツカツですから、頼りにできない。自分のことは自分で自分のことは自分で守らなければ誰も助けてくれません。お金のスキルとリテラシーは、これからの時代を生き抜くための必須スキル。特に、金銭感覚は大人になってから急に身につけるのは難しいので、感覚が柔軟な子どものうちから養うことが大事ですし、それは親の大事な役割だと思うんです。
 
――“引きこもりの中年世代が親の年金を頼りに生きる”というケースが問題視されていますよね。
 
丸山晴美さん:自立できない子どもが増えると、親子で共倒れになって不幸になります。それだけは避けなくてはいけません。そもそも今の20~40代の親世代に余裕なんてないですよね。今は、出産年齢が高齢化していますから、子どもが生まれたと同時に、教育資金と自分達の老後資金を同時に貯めなくてはいけない。給料もなかなか上がらない時代ですから、子どもだって親のすねをかじれない。残すべきはお金ではなく、正しいお金の知識であり、スキルです。「鉄は熱いうちに打て!」ですよ。

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教えてくれたのは……
丸山晴美さん
 
節約アドバイザー ファイナンシャルプランナー 消費生活アドバイザー  
 
 

 

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー、宅地建物取扱主任士(登録)、認定心理士、家庭の省エネエキスパート検定合格、調理師などの資格を持ち、食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどをテレビやラジオ、雑誌、講演等で行っている。
 
著書
「貯まる女になれる本」(宝島社)
「1年で100万円貯まるすっきりお片づけ生活」(宝島社)
「まるっとわかる!お金の基本」(宝島社)
「みんなが知らない頭のいいお金の増やし方」(宝島社)
公式HP「らくらく節約生活。」 http://www.maruyama-harumi.com
 
取材・文/西尾英子


 
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