ハーレーダビッドソン

CVOストリートグライドを楽しむための3つの遊び方

ハーレーのフルラインナップにおいて「最上級」を意味する「CVO」(カスタム・ヴィークル・オペレーション)のストリートグライドに試乗!ハーレーが考えうる最高級のメニューが盛り込まれたモデルを徹底的に解説します!

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

445万8000円のフルドレッサーハーレー

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)


排気量1923ccのVツインエンジンを搭載した、車両価格(税抜)で445万8000円のハーレーダビッドソン。そう聞いただけで面食らってしまう方も少なくないでしょう。このCVOストリートグライドは、ハーレーダビッドソンのラインナップ「ツーリングファミリー」に属するストリートグライドというモデルに、ハーレー本社が「これでもか!」と最上級のカスタムメニューを施した、最上級仕様のハーレーモデルなのです。

専用ボディカラーにオリジナルホイール、オリジナルシート、フェアリングカバー、各種クロームメッキパーツ、そして1,923ccミルウォーキーエイトエンジンと、CVOには豪華極まりない装備がおごられている

専用ボディカラーにオリジナルホイール、オリジナルシート、フェアリングカバー、各種クロームメッキパーツ、そして1923ccミルウォーキーエイトエンジンと、CVOには豪華極まりない装備が各所に用いられ、重厚な雰囲気を漂わせています


このストリートグライドというバイクは、誰が見ても年配ライダーに見られるメガツアラーモデルをベースに「カッコよくストリートライドしちゃおう!」と生み出された、アメリカならではのメガストリートモデルなのです。400kg近いこの図体で街中を主戦場とする仕様で、「ウルトラ」と呼ばれるロングツアラーを「ローダウン」「大径ホイール」「無駄なパーツの削ぎ落としを行う」という、ストリートカスタムが施されています。ちょっと日本人では考えられない世界観ですが、これがアメリカ流モーターサイクルカルチャーでもあります。

走りながら音楽も聴けるクールなメガストリートマシン

バッドウイングフェアリングをマスクとする大柄なツアラーモデルでありながら、無駄なパーツが削ぎ落とされ、そして滑らかなラインとなる流麗なシルエットのリアエンドを形成。これがバガースタイルの流儀だ

バッドウイングフェアリングをマスクとする大柄なツアラーモデルでありながら、無駄なパーツが削ぎ落とされ、そして滑らかなラインとなる流麗なシルエットのリアエンドを形成。これがバガースタイルの流儀だ


ストリートグライドは「バガーカスタム」というカスタムスタイルに分類されるモデルです。バガーとは前述した通り、「ストリートバイクに仕上げられたメガツアラー」を指していて、ビッグサイズのホイールにシルエットの美しさが際立つリアエンド、そしてゴージャスなグラフィックにメタルワークと、ダークというよりはギラッと見せつけるビッグキャンバスとして楽しまれるカテゴリー。このストリートグライドは、そんなバガーカスタムにぴったり合うようなボディデザインをイメージしているのです。

6つのスピーカーと、スマートフォンなどと接続できるオーディオ機器が標準装備されるCVOストリートグライド

6つのスピーカーと、スマートフォンなどと接続できるオーディオ機器が標準装備されるCVOストリートグライド


スタンダードなストリートグライドにも備わっているオーディオ機器ですが、CVOともなるとスピーカーが6つ(!)も配備されています。スマートフォンと繋げれば、ハンドルにあるスイッチボックスの操作だけで、自身のお気に入りの曲を選んだり音量調整をしたりできます。ちなみにこの音量、停車時は自動的に小さくなり、発信するとボリュームをあげてくれるというシステムが組み込まれているのです。

排気量1,923ccのVツインエンジン「ミルウォーキーエイト117ci」のとてつもないパワーを受け止める吸排気機能やフットワーク部分も最上級メニューに

排気量1923ccのVツインエンジン「ミルウォーキーエイト117ci」のとてつもないパワーを受け止める吸排気機能やフットワーク部分も最上級メニューに


エンジンは全ラインナップ中でも最高位である排気量1923ccのミルウォーキーエイト117キュービックインチエンジン。そのパワーを余すことなく発揮させるための吸排気機能(マフラー、エアクリーナー)やフットワーク(サスペンション、ホイール)も最上級のものが備わるCVOストリートグライド。

しめて445万8000円というこの販売価格。車で比較すると、BMW 3シリーズのクーペ「320i」、BMWミニなら「ミニクラブマン」や「ミニペースマン」のJCWモデル(上位モデル)、レクサスなら「NX」とほぼ同額です。同じ金額をハーレーに……って、よほどお金に余裕がある人か、ハーレーに惚れ込んでしまった人のいずれかかな、と。

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)レフトビュー

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)レフトビュー


そんなCVOストリートグライド、実際に購入するとして考えると実にリーズナブルなのです。「445万8000円のどこがリーズナブル!?」と聞こえてきそうですが、それこそベースモデルとなるスタンダードなストリートグライド(299万5000円~328万5000円)にこのカスタムメニューを後付けしていくと、445万8000円を軽く上回ります。しかも、このグラフィックは後から塗装ができない特別カラー。CVOの価値を垣間見ていただけたかと思います。

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ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)


「ストリートバイクとして作られているのだから、街中をかっ飛ばせ!」と言われそうですが、ハーレーダビッドソンはそもそも「アメリカ人によるアメリカのために作られたアメリカのバイク」なわけですから、サンフランシスコやロサンゼルスを走るのと東京や大阪を走るのとではワケが違います。乗り手の体格や筋力も違うので、実際に試乗した人間として「ならばこのストリートグライドはどう楽しむべきか?」をまとめてみました。

1.唯一無二のフルドレッサーに仕上げる
規格外のフロントホイールに滑らかなシルエットのリアエンド、うずたかいハンドルバー、そして個性的なグラフィック……ストリートグライドでバガーカスタムを極める!

規格外のフロントホイールに滑らかなシルエットのリアエンド、うずたかいハンドルバー、そして個性的なグラフィック……ストリートグライドでバガーカスタムを極める!


やるなら、とことんやってしまえ。さらに上のカスタムを施して、誰も追いつけない唯一無二の一台を目指すのです。塗り替えるならスタンダードなストリートグライドから始めた方が得策なのですが、やはりリアエンドはとことんソリッドにしたいところ。さらにシートの張り替えや好みのハンドル、なんならバッドウイングフェアリングもフルリメイクしちゃっても面白いですね。

2. 旅バイクとして楽しむ
左がCVOストリートグライド、右がCVOウルトラリミテッド。旅バイクとしては積載量に勝るリミテッドに軍配が上がるが、取り回しやすさはストリートグライドが秀でる。乗りやすさ重視も大事!

左がCVOストリートグライド、右がCVOウルトラリミテッド。旅バイクとしては積載量に勝るリミテッドに軍配が上がるが、取り回しやすさはストリートグライドが秀でる。乗りやすさ重視も大事!


日本人に合ったもっともスタンダードな使い方で、そうなると同じハーレーのCVOウルトラリミテッドがライバルになります。シート後部に取り付けられたトップケースや高めのウインドスクリーンなど、“旅バイク”として見たらリミテッドに軍配が上がりますが、ストリートグライドのアドバンテージは「リミテッドよりも軽い」「スポーツライドに秀でる」点です。

リミテッドなら一週間近いロングツーリングも軽々こなせる積載量を誇る一方、ストリートグライドならせいぜい2~3日ほどのツーリング用荷物を積める程度。ライフスタイルによってはその積載量でも十分ですし(やりくり次第?)、やはり軽くて取り回しやすいというのは日本人的には有り難いポイント。この特性を活かした旅に最適なモデルと言えます。

3.実はメガスポーツとしても走れる
実はフロント19/リア18インチホイールと、クラシックスポーツバイクのフットワークを備えるハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)

実はフロント19/リア18インチホイールと、クラシックスポーツバイクのフットワークを備えるハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)


実はこのCVOストリートグライド、スタンダードなモデルと異なる点として【フロント19/リア18インチ】という専用ホイール設計を備えます。これ、クラシックスポーツバイクに多く用いられているホイールサイズで、つまりはスポーツバイクとして秀でたフットワークの持ち主である証拠です。実際、試乗では「結構軽やかにコーナリングをクリアしていく。見た目とは裏腹にスポーツバイクしてるなコイツ!」と感じました。

排気量1923cc/重量398kgのバイクでスポーツすると言われても「無茶言うな」と思われるでしょうが、他メーカーバイクを乗り継いできた経験豊富なライダーがこのCVOストリートグライドでワインディングに飛び込んだら「あれ? 結構走れるじゃん」と驚きを覚えることでしょう。

実は隠れた才能を持つCVOストリートグライド、こんな遊び方もできるモデルなのです。

まとめ

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)

ハーレーダビッドソン CVO ストリートグライド(2018年モデル)


趣味の乗り物としては飛び抜けた金額 & フルコースカスタムが施されたマシン、CVOストリートグライド。こんなバイクがハーレーダビッドソンから飛び出してくるのも、アメリカという国でこんな風にモーターサイクルが楽しまれているからこそ、なのです。なかなか日本では馴染みがない遊び方ではありますが、思い切って身を投じてみたら、これまでの人生観まで覆すほどの面白さが潜んでいるのですよ。機会があればぜひ実車を見てみてください!


[HARLEY-DAVIDSON CVO STREET GLIDE SPECIFICATIONS]
全長/2435mm
ホイールベース/1625mm
シート高/695mm
車両重量/398kg
エンジン型式/ミルウォーキーエイト117ci
排気量/1923cc
フューエルタンク容量/22.7L
フロントタイヤ/130/60 B19 61H
リアタイヤ/180/55 B18 80H

【メーカー希望小売価格】(消費税込/2018年5月現在)
[オレンジラバ/ブラックデニム]445万8000円
[ダークアロイ/ブラックデニム]445万8000円
[ガンシップグレー/ビビッドブラック]445万8000円
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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