帝国ホテル 東京「嘉門」がリニューアルオープン
帝国ホテル 東京の鉄板焼「嘉門」が2018年3月7日にリニューアルオープンしました。1993年にオープンしてから、和食と洋食の出会いと融合をテーマにし、16世紀の安土桃山時代に端を発する「和魂洋才」をコンセプトにして高い評価を得てきましたが、リニューアルによって、そのコンセプトはよりモダンに洗練されました。よりゆったりと過ごせるようになった店内
席数は92席から84席と減らして、よりゆったりと過ごせるようになりました。中央カウンターテーブルの緑と黒は日本の伝統芸能である歌舞伎をイメージし、壁には帝国ホテル2代目本館「ライト館」で使われていたのと同じ大谷石が使用されています。ディナータイムでは一部の女性サービススタッフが和服で接客するようになったので、より和の雰囲気が感じられるでしょう。
デザートコーナーを日比谷公園側に移設
鉄板焼を食べた後に転卓するデザートコーナーは、銀座側から日比谷公園側に移り、眺望がより開けています。19世紀の英国人デザイナーであるウィリアム・モリス氏の植物をモチーフにした壁紙で囲まれ、シンプルな家具を配置してクラシックモダンを表現しました。個室は2室ともに日比谷公園側にありましたが、リニューアルによって1室を銀座側に移しました。これによって2つの異なる眺望を選択できるようになり、より使い易くなっています。
充実の人材
肉の専門職「ブッチャー」を置いているホテルやレストランは、今ではとても少なくなりましたが、帝国ホテル 東京には約10人います。鉄板焼の焼き手は通常5~7人ですが、「嘉門」には焼き手が21人います。必ず一組の客に対して一人の焼き手が付くので、他ではできないようなきめ細やかなサービスを行えるのです。このように充実した人材がいる中で、神谷望氏がシェフを、木曽和宏氏がスーシェフを務め、フランス料理の経験を惜しみなく鉄板焼に生かしています。
ペストリースーシェフの齋藤有希氏が2017年から嘉門のデザートをメインで担当しており、今回のリニューアルでは訪日外国人が多い鉄板焼で和を意識したデザートを創作しています。
お勧めのコース
ランチではプリフィックススタイル、ディナーでは江戸城の門の名前をつけたコースメニューが提供されています。今回は、フランス料理の技法がふんだんに使われ、他では味わえない鉄板焼ディナーコースに仕上げている「嘉門」を、お勧めのドリンクと共にご紹介しましょう。嘉門 28000円(税・サービス料は別途)
- アミューズブーシュ
- ブルーオマール海老と榛豆腐のラビオリ 青豆を纏ったポーチドエッグ モリーユ茸のブイヨン オシェトラキャヴィアと共に
- メバルとフランス産ホワイトアスパラガスのポワレ 墨烏賊と浅利のコンディマンと桜海老の煎餅 甘酸っぱいプーラルドのジュ
- サラダ
- 焼野菜
- ~お好みのステーキをお選びください。~
・特撰和牛サーロイン (120g)
・特撰和牛フィレ (80g) - ご飯 味噌椀 香の物
- デザート
- コーヒー
※季節によって内容が変わります
テタンジェ ブリュット・レゼルヴ
嘉門のハウスシャンパーニュはテタンジェです。シャルドネが40%、ピノ・ノワールとピノ・ムニエが60%。花やグレープフルーツ、白桃といったフレッシュさに、ブリオッシュのようなコクのある香りも感じられ、軽やかでバランスがよいです。今回のリニューアルに伴い、グラスにはレーマンを採用しています。シャンパーニュ地方で評価の高い、日本でもまだ珍しいレーマンが鉄板焼で使われているのは非常にこだわりが感じられるところです。
峡東
2015年に帝国ホテルの開業125周年の記念商品として、日本のトップワイナリーである勝沼醸造株式会社とコラボレーションして生産・販売された白ワインで、今年で3年目を迎えます。帝国ホテル 東京の実力派ソムリエである伊藤靖彦氏と李哲三氏がブレンドしています。口に含んだ瞬間にフレッシュな果実味とボリューム感があり、旨味を伴った苦味が残ります。フランス料理の技法を用いた、冷前菜にぴったりのワインでしょう。
純米吟醸 佐近レアル
岡山県にある室町酒造株式会社の日本酒で、米作りの名人である佐近肇氏が栽培した幻の酒米「雄町米」と日本の名水百選「雄町の冷泉」を仕込水に用いた純米吟醸酒。ワインスタイルで飲むのがお勧めです。海外輸出酒として開発されたので、日本ではなかなか飲むことができず、とても希少価値の高い日本酒です。
クロ・デュ・ヴァル エステート スタッグス リープ ディストリクト カベルネ・ソーヴィニヨン 2011
アメリカ・ナパヴァレーのフルボディ赤ワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン88%、カベルネ・フラン6%、メルロー6%。バランス、エレガントさ、 複雑さ、長い余韻があります。一昨年に仕入れられたのは日本では帝国ホテルだけという貴重な赤ワインです。アミューズブーシュ
左の野菜チップスはタマネギの甘味がたっぷり。右の牛肉コロッケは肉汁が味わえます。下に敷かれたランチョンマットは、「嘉門」オリジナルで6種類がランダムで提供されます。ブルーオマール海老と榛豆腐のラビオリ 青豆を纏ったポーチドエッグ モリーユ茸のブイヨン オシェトラキャヴィアと共に
旬のオマールブルーを使った華麗な一皿。オマールブルーのタルタル、ヘーゼルナッツで作った豆腐が層をなし、青豆のジュレをまとったポーチドエッグが添えられています。モリーユ茸とオシェトラキャヴィアで贅沢に仕上げています。メバルとフランス産ホワイトアスパラガスのポワレ 墨烏賊と浅利のコンディマンと桜海老の煎餅 甘酸っぱいプーラルドのジュ
青森県のメバルに雌鶏の出汁で作ったソースを合わせています。メバルの上には日向夏、スミイカ、アサリ、ケッパー、日向夏の皮。フランス産のホワイトアスパラガスは今しか食べられない貴重な旬の食材です。鉄板焼の可能性を感じさせる、創造力豊かな魚料理。サラダ
レタス、トマト、インゲン、サヤインゲン、キュウリ、紅芯大根、チコリと品目が多いです。フレンチドレッシングか胡麻ドレッシングを選べます。どちらとも自家製で、胡麻が特に人気です。特撰和牛サーロインと特撰和牛フィレ
茨城県産の特撰和牛フィレ肉、大分県産の特撰和牛ロースです。その日によって、最も質が高いサーロインとフィレをブッチャーが選んでいます。サーロインは適度に脂とジューシーさがあり、フィレはやわらかくて噛みしめると旨味が広がります。焼野菜は原木椎茸、グリーンアスパラガス、大分の蜜芋。蜜芋の皮は叩いて真っ直ぐにしてカリカリとした食感にしています。
リニューアル後から、コンディメントに、ヘルシーなオリーブオイルを提供していますが、これも他の鉄板焼ではなかなか見掛けられません。オリーブオイルは小豆島産のエキストラバージンオリーブオイルです。
ご飯 味噌椀 香の物
ご飯は白飯かガーリックライスを選べます。赤出汁にキュウリや青菜の浅漬、梅干しといったオーソドックスなお新香。デザート
デザートはデザートコーナーに転卓し、日比谷公園の景色を眺めながらいただくことができます。テーブルまで盛り合わせが運ばれて来て、好きなものを選べるのが嬉しいです。写真は全てのデザートを選んだプレートで大充実。イチゴのショートケーキ、ほうじ茶のチョコレートムースケーキに、清見オレンジとメロンとイチゴのフルーツ盛合わせ、黒糖寒天がのった抹茶クリームプリン、桜ジュレ。バニラアイス、イチゴソルベといった氷菓もあります。
桜、ほうじ茶、抹茶、小豆と和の要素が多く、日本人にはもちろん、訪日外国人にも喜ばれるスイーツが取り揃えられています。
コーヒーと小菓子
リニューアルで新しいコーヒーマシンを導入しました。苦味がしっかりとしており、肉の脂をすっきりとさせる味です。プティフールはきな粉のかりんとう、オランジェショコラ、フィアンティーヌショコラ。■鉄板焼 嘉門
住所:東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル 本館 17F
TEL:03-3539-8116
営業時間:11:30~14:30(L.O.)、17:30~21:30(L.O.)
定休日:なし
アクセス:「日比谷」駅、「内幸町」駅から徒歩3分
地図:Yahoo!地図情報
URL:https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/index.html
※データは記事公開時点での内容です