「やる気」が無くなったら思い切って休んでみる
──お金と成功は、ピンチのときのちょっとした対応の違いでもたらされる!なぜか不景気にも関わらず仕事が順調でお金回りの良い人。逆に一生懸命働いても、なかなか仕事もお金もままならない人……。それは逆境やピンチのときの考え方や行動の仕方に違いがあった!仕事の失敗から人間関係のゴタゴタまで、日常の困難を乗り切ることで仕事とお金の運を引きこむ方法とは?強運コンサルタントの横山信治さんがお教えします!(第2回インタビュー『強運体質流!顔も見たくない苦手な人と付き合うコツ』から続きます)やる気がなくなったときにはどうする?
最近は「やる気」がないことが一種の罪悪のように考えられてしまう傾向が強いように思います。でも、「やる気満々だ」という人の方が、私から言わせれば少ないのです。というのも、やる気も一種の「エネルギー」。使った分だけ減ってしまうのです。常にあるものでもないし、無尽蔵に湧いて出てくるものでもありません。
米国の最新の研究によれば、やる気や意思力というのは何かに対して使われると、その分だけ一時的に減っていくそうです。たとえばストレスが強く掛っている状態では、それに対して心的エネルギーを消耗するため、やる気が起きにくくなる。例えば禁煙をすることに意志力を使うと、仕事に対する集中力が落ちてしまうというような……。
やる気が無くなったときに無理やり頑張るのではなく、思い切って休んだり気分転換をすることが大事です。すると再びエネルギーが満ちてきて、無理に頑張ろうとしなくても「よしやろう」という気持ちになってくるのです。
私が知っている限り、仕事運にも金運にも恵まれている人は、調子の悪いときに無理に頑張ろうとしません。特に何をやってもうまくいかないようなときは下手に動かない。よく、ギャンブルでも投資でも負けが込んできたときには勝負をしないというのがありますね。
一方で、成功する人は習慣の力を上手に利用します。私の知っている人で左手でモノを書く練習を習慣付けたら、なぜかいろんなことがうまく回転しだしたという人がいます。
彼には左利きの小さな娘さんがいました。左利きの娘さんが日ごろ感じている不自由さや感覚などを一緒になって知りたい。左利きということで孤独になりがちな娘さんとの仲間意識を高めたい。そんな気持ちから毎日何十分かを娘さんと二人で左手で文字や絵を描く練習をしたのだそうです。
ある段階までできたら、チェック欄に○をつける。○が増えてくると自分でも楽しくなってきて、どんどん書けるようになり、娘さんとの距離もグッと縮まったそうです。
ささやかでも自分の目標が達成できたら、チェック欄に○を付ける。それを視覚的に確認できるようにすることで、やる気が自然に湧いて出てくる。そこで、「これはいける!」と彼が考え付いたのが、仕事の業務に関してもチェック欄を作り、達成した項目に○を書き込んでいくこと。
それまでの彼の職場には、朝の朝礼に遅刻する社員が半分もいたり、お客さんにしっかりと挨拶することさえできない社員がいたり……、どうにもやる気のない雰囲気が漂っていたそうです。そこでチェック項目を作り、達成できたら○を付けていくことにしたのです。
なんだか子供騙しみたいだと思うでしょうか? ところが効果はてきめん。半年もしないうちに社内の空気が変わったそうです。遅刻が少なくなったことはもちろん、社員同士やお客さんとの挨拶も欠かさない。社内の雰囲気が明るく前向きになり、結果として業績も上がったそうです。
日常の行動が達成できたら、その都度自分で○をつけてあげる。このちょっとしたことが職場の人たちのモチベーションに火をつけたのです。
喜びやすい脳を利用してやる気をアップさせる
皆さんはオリンピックで金メダルを取ったときの喜びと、町内の運動会で一等賞で表彰される喜びはどれくらいの差があると思いますか? じつはオリンピックの喜びが10とすると町内運動会は5くらいの喜びだそうです。金メダルを取るのは、町内の運動会で一等賞を取るよりはるかに難しい。その割合ほどには喜びには差が無いのです。逆に言うと、脳というのは意外に簡単なことで喜ぶ性質がある。
日常の行動をチェックして○を付けてあげるという、一見たわいもない行動にも脳はしっかりと喜びと満足の反応をするのです。それが積み重なってやる気や行動改善につながっていく。
どうもやる気が起きないという人は、掃除でも洗濯でも、買い物でもいいのです。チェック表のようなものを作り、日常のごく普通の行動や習慣を達成できたら、それに○を付けたり、点数にしたりして評価してあげましょう。
喜びやすい脳の性質を利用して、自分を褒めたり評価してあげる。気がつくと自分でも驚くくらい前向きでやる気のパワーが溢れてくるはずです。成功している人、お金に恵まれている人は自分を褒めること、乗せることが上手な人だと言えるでしょう。
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教えてくれたのは…
横山信治さん
小学生の頃、落語家の笑福亭松鶴に入門し、最年少プロ落語家としてテレビ、ラジオ、劇場に多数出演。芸名は笑福亭手遊(おもちゃ)、笑福亭鶴瓶氏の元兄弟子。これまで2万人以上のビジネスパーソンと接し、3000人以上の採用面接に立ち会い、のべ1万人以上の部下を指導する中で得た経験を活かし、ビジネスパーソンが成功するコツを伝えるため、講演、執筆活動を行う。また人生の浮き沈みの中で「運」に興味を持ち独自に勉強して開運の理論と方法を確立し、「運」が良くなるコツとポイントを伝える活動も行う。現在、東京・大阪で毎月1回「横山塾」を開催中。おもな著書に「入社1年目から使える「評価される」技術」(かんき出版)、「40歳からは、小さなことにくよくよするな」(PHP研究所)、『「運が良くなる人」と「運が悪くなる人」の習慣』(明日香出版)他多数
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取材・文/ビルドゥングス