スマートフォン/スマートフォンの周辺機器

"破壊不能"のiPhoneケーブルは本当に破壊不能なのか

iPhoneに付属するLightningケーブル、普通に使っていても切れたり壊れたりして使えなくなった経験を持つ人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、パッケージに「地球上で最も頑丈なケーブル」と明記してある「TITAN」をご紹介します。

柳谷 智宣

執筆者:柳谷 智宣

スマートフォンガイド

 iPhoneケーブルはすぐ使えなくなる

※メーカーの許可を得たうえで検証を行っております

iPhoneケーブルはすぐに駄目になるのが悩みどころです。同梱されているオフィシャルのケーブルでさえ数ヶ月も保ちません。安価な互換ケーブルなどは、買ったその日に駄目になることもあります。

そんな時に目に付いたのが、「TITAN」(タイタン)というLightningケーブル。ネットショップでは4600円前後で販売されていました。アメリカのFuse Chickenというメーカー製で、国内では、日本ポステック株式会社が代理店となっています。
タフネスLightningケーブル「TITAN」です。実売価格は4600円前後

タフネスLightningケーブル「TITAN」です。実売価格は4600円前後

ケーブル長さは1mのものと、24.5cmの「TITAN LOOP」の2種類。まずは、1mのケーブルをテストすることにしました。重量は132gで、スチール製です。

MFI認証取得しているのも安心なポイントと言えます。MFI認証は「Made for iPod/iPhone/iPad」の略でAppleから正式にライセンスを取得して販売していることを表します。そのため、OSをアップデートしても使えなくなるということがありません。

見た目はスチールの編み目で確かにタフ。でも、目を引かれたのはパッケージです。なんと「The Toughest Cable on Earth」と書いてありました。「地球上で最も頑丈なケーブル」と明記してあるのです。
背面には「Everything Proof」と書いてあります。凄い自信です。iPhone 5~6に対応すると書いてありますが、もちろんiPhone 7でも利用できます

背面には「Everything Proof」と書いてあります。凄い自信です。iPhone 5~6に対応すると書いてありますが、もちろんiPhone 7でも利用できます

開封するとずっしりとした手応え。確かに頑丈そうです。早速カッターでカットしてみましょう。はい、手応えありません。では、出刃包丁を使ってみます。大きな魚の骨もざくざくいけるタイプです。手前の太いところを思いっきりたたき込んでみました。びくともしません。刃が食い込んでいる感覚もなし。がんがんたたいていたら、高価な包丁の刃が欠けました

これはプロに研ぎに出さないと駄目ですね。ケーブルは無事で、もちろん充電できます。

それではということで、新品ののこぎりでもチャレンジ。がりがり音がします。ほんの少し刃が立っているような気がします。ケーブル表面を指でなぞると少し毛羽立っているようです。傷が付きました! しかし、まったく切れる予感はしません。

とは言え、実はメーカーのページに電動チェンソーを当てても切れない動画がアップされているので、刃物では無理かな、と思っていました。では次々とテストしていきます。
普通のケーブルはあっという間に壊れてしまいます。もちろん、カッターで簡単に切れます

普通のケーブルはあっという間に壊れてしまいます。もちろん、カッターで簡単に切れます

カッターでガリガリやりますが歯が立ちません。最後はカッター二刀流でがんばりましたが無理でした

カッターでガリガリやりますが歯が立ちません。最後はカッター二刀流でがんばりましたが無理でした

出刃包丁でがんがん叩きますがびくともしません

出刃包丁でがんがん叩きますがびくともしません

新品ののこぎりは少し刃が感じましたが、いくらやっても切れませんでした

新品ののこぎりは少し刃が感じましたが、いくらやっても切れませんでした

 ケーブルをハンマーで叩きつける(1回目)

ケーブルそのものが丈夫なのはわかりました。でも、そうするとコネクタ周りがボトルネックになりそうです。実際、通常のiPhoneケーブルもコネクタの付け根から壊れることが多いように感じます。たぶん、手で引っ張ったくらいではなんともならないような気がします。そこで、ケーブルの中ほどを持ち、コネクタを地面にこれでもかと叩きつけます。

傷一つ付きません。充電もできます。

一番弱そうなUSB端子の挿入部分を思いっきり押しますが、変形しません。他のデバイスならすぐにぐにゃっと曲がり、挿入できなくなります。じゃあ、ということでコネクタをハンマーでたたいてみます。もちろん、手加減します。あれ、手加減しすぎたのでしょうか、問題ありません。少し強くしてみましたが大丈夫です。これは凄い。

でも、本気で叩くのは後回しにします。いつかは絶対壊れるので、残りのテストを続けたいと思います。
ケーブルを地面に叩きつけます

ケーブルを地面に叩きつけます

コネクタ部分をいじめてみます

コネクタ部分をいじめてみます

ケーブル部分をハンマーで叩きます

ケーブル部分をハンマーで叩きます

コネクタ部分をハンマーで叩きます

コネクタ部分をハンマーで叩きます

ケーブルをどろどろに溶かした樹脂の中に浸ける

では、次のステージへ。熱を加えてみましょう。神奈川にある工場にお邪魔して200度に熱した樹脂の中につけ込んでみました。その後、水につけて急速冷却。はい、問題ありません。

では、ケーブルに付いた樹脂を溶かしてみることにします。葉巻用のガスライターであぶります。外装はたぶん大丈夫だと思いますが、中身はどうでしょう。ぽたぽたと樹脂が垂れてきましたが、数分炙ります。

充電、問題なくできます。
工場の協力を得て、200度に熱した樹脂の中につけ込みます

工場の協力を得て、200度に熱した樹脂の中につけ込みます

200度のお風呂につかってもらいます

200度のお風呂につかってもらいます

樹脂がコーティングされました

樹脂がコーティングされました

水で急冷します

水で急冷します

ガスライターで炙って樹脂が溶けるまで熱します

ガスライターで炙って樹脂が溶けるまで熱します

ケーブルが自立するほど強く、目立つこと間違いなし

笑ってしまうほど、とても丈夫です。しかも、ある程度の剛性があるので、ケーブルが自立します。iPhoneを装着しても大丈夫です。ケーブル部分を持って操作できるのです。

筆者はスマホを超ヘビーに使うので、バッテリーが1年保ちません。そのため、すでにiPhone 6sでゲームをしていると手で持てなくなるほど熱くなります。そんな時、このケーブルがあると助かります。ケースを付けるよりも快適にプレイできます。

また、話題性も十分です。外出先で充電したら、必ず話しかけられることでしょう。おじさんなら、一発ネタとして持っておくだけでも価値があります。

ただし、1シーンだけ使いにくい時があります。それは寝るとき。ベッドの中で寝るまでiPhoneでゲームをするのですが、TITANだと動きにくく邪魔です。とは言え、ケーブルを外したまま寝落ちしてしまうと、翌朝バッテリー切れ、もしくはアラームが鳴らずに大惨事です。そのため、寝室での利用には向いていないかもしれません。
火傷しそうに熱くなるiPhone 6sですが、本体に触らず操作できます

火傷しそうに熱くなるiPhone 6sですが、本体に触らず操作できます

何か話題が欲しくなったらおもむろに充電して、話しかけてもらいましょう。写真は五反田のコワーキングスナックでどや顔した時のものです

何か話題が欲しくなったらおもむろに充電して、話しかけてもらいましょう。写真は五反田のコワーキングスナックでどや顔した時のものです

ベッドの中の利用は、ケーブルが固くて動きにくく、適していません

ベッドの中の利用は、ケーブルが固くて動きにくく、適していません

ハンマーで思いっきり叩く(2回目)

さて、では思い切ってやりましょう。TITANを強く引っ張りながら結んでボールにして、コンクリートに投げつけました。通常のケーブルであれば、結んだ時点でアウトだと思います。次は、コンクリートにむち打ち100回です。近隣の人に見られたら通報されかねません。それでも、問題なく充電できます。

そこで、再度ハンマーの出番です。コンクリートに置いたケーブルを思いっきり乱打します。角度によって、ケーブルがへこんでる手応えがあります。樹脂部分を叩いていると、削れていくのもわかります。

ケーブルがつぶれたところは、曲げても曲がらず元に戻ってしまうようになりました。1カ所ならともかく、何カ所もつぶしたら使いにくくなるでしょう。樹脂も削れていますね。金属端子部分にも何度かヒットしたはずですが、形が変わっていません。

結果、充電できました。広告みたいですが、ホントです。笑ってしまいました。本当に丈夫ですね。寝室以外の部屋やアウトドア用、車載用に揃えたくなりました。アップル純正のLightningケーブル1mは、2376円(税込)。約2倍の金額で同じ長さのTITANケーブルが買えると考えると、安いものです。

もし、Lightningケーブルの耐久性に落胆しているなら、一度試してみることをお勧めします。
コンクリートにむち打ち100回

コンクリートにむち打ち100回

ハンマーで思いっきり叩くとケーブルがつぶれる手応えがありました

ハンマーで思いっきり叩くとケーブルがつぶれる手応えがありました

樹脂を強く叩けば、当然削れていきます

樹脂を強く叩けば、当然削れていきます

つぶれたところは曲がらなくなります

つぶれたところは曲がらなくなります

樹脂が削れました

樹脂が削れました

ケーブルは曲がりにくくなり、端子に挿しにくくなりましたが、それでもまだ充電できています

ケーブルは曲がりにくくなり、端子に挿しにくくなりましたが、それでもまだ充電できています



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

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