潔さ溢れる至高のハーレー
スタンダードモデルをベースに、カンパニーが考えうる最高のカスタムメニューを施した至高のハーレーファミリー、それが「CVO」です。「カスタム・ヴィークル・オペレーション」の頭文字が冠されたCVOは、全モデルの頂点に立つ存在であり、そのいずれもが「キング・オブ・モーターサイクル」の名にふさわしいハーレーでもあるのです。
このCVO プロストリート ブレイクアウトは、ソフテイルファミリーの人気モデル FXSB ブレイクアウトをベースにグレードアップさせたファクトリーカスタムモデル。ロー&ロングスタイルが特徴的なチョッパースタイルのブレイクアウトを、戦闘的なレーサースタイルにまとめあげています。
見比べたら違いは一目瞭然。スタンダードモデルよりもやや車高を高くし、エンジンは排気量1,689ccのツインカム103Bから排気量1,801ccのスクリーミンイーグル ツインカム110Bへとパワーアップ。さらにそのパワフルな走りを支えるべくフロントフォークは倒立式となり、フロントブレーキもダブルディスク仕様に。専用のホイールやビキニカウル、チンスポイラーが備わるなど、実に豪華な装備になっています。これによって価格も238万円から339万円と、約100万円アップ! 盛り込まれているメニューを考えればお得な一台だと言えるでしょう。
目指したのは最強のストレートマシン
より走り系へと振ったレーサー型ブレイクアウト。とはいえ、真一文字のドラッグバーに低く沈み込んだシート位置、両足を前に突き出すフォワードコントロール仕様のステップ位置と、コーナリングに適しているとは言い難いスタイルになっています。そう、目指したのは旋回性の高い万能型スポーツバイクではなく、コーナリング性能を犠牲にしたドラッグレーサー型だからです。
ドラッグレースとは、ストレートロードでの速さを競うアメリカで人気のモータースポーツ。ただ真っ直ぐ速く走れればいいので、徹底的に直線走行のみが追求されたスタイルになっています。240mmという「クルマかっ!」と突っ込みたくなる極太リアタイヤも、アメリカンマッスルカーを思い浮かべれば納得がいくところでしょう。
そんな直線番長なCVO ブレイクアウトですが、「プロストリート」という名が冠されていることを忘れてはいけません。これについてカンパニーから特に説明があったわけではありませんが、「ストリート」というからには、街を走るときに最高のパフォーマンスを発揮する……という意図が含まれているのかと推測するところです。排気量1,801ccで? 318kgという重量で?
その実力を探るべく、試乗に繰り出してみました!
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