安全な家計は自分で作る
自然災害が家計に与えるダメージは比較的大きくなりますが、それらのダメージの全てを公的支援で補うことはできません。公的支援は生活の再建が目的であり、もとの生活水準に戻すことが目的ではありません。従って、もしもの場合でも安全な家計を自分で作る事が必要になります。火災保険・地震保険の見直し
火災保険には多くの方が入っていますが、補償の対象を確認してみましょう。「建物」だけが補償対象になっていて、「家財」の補償がすっぽり抜け落ちていることはありませんか?台風や豪雨等によって洪水となり家財が流されたり、床上浸水したことにより家財が損害を受けた場合には「家財」が対象の保険にも入っておかないと補償されることはありません。
比較的新しい家は耐震性にも優れており頑丈に作られていますので、建物は流されず、床上浸水などで家財道具に甚大な被害が想定されます。電化製品は当然のこと、他の家財道具も汚水の臭いなどで、水に浸かれば使い物にはならないでしょう。火災保険・地震保険ともに「建物」だけでなく「家財」も忘れず掛けていきましょう。
■地震保険とは
地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による損害を補償する地震災害専用の保険で、地震保険の対象は居住用の建物と家財です。火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・ 拡大した損害は補償されませんの地震保険の加入が重要になります。
地震保険の加入率は日本損害保険協会の統計によると28.8%(2014年)と、まだ低い状況です。保険は自分ではカバーできないリスクに対する備えですので、家族の生活を守る為にも加入を検討しましょう。被害が大きい程、被害の調査が入るまでに多少の時間がかかることがあります。その時は片付ける前に必ず写真を取っておきましょう。
生命保険や医療保険の見直し
万が一の死亡保障やケガや病気に対する保障は、家計とバランスの合ったものを選んでいきましょう。年齢や家族構成によって保険料も必要な保障内容も変わってきます。また、医療の進歩により保障内容が見直された商品が次から次へと発売されますので、定期的に見直すようにしましょう。緊急予備資金の確保
貸金庫で保管する
■緊急予備資金の保管場所
複数の普通預金で分けて保管
被害が拡大すると預金の引き出しを制限する事も想定されます。緊急予備資金は複数の金融機関の普通預金口座でATMでスムーズに引き出せるようにしておくことが大切です。
■貸金庫の利用
現金や通帳・保険証券など金融資産に関わるものは貸金庫を利用するのもひと つの手段です。年間2~3万円の手数料が必要ですが、盗難や災害の心配はなくなります。
■保険証券や通帳が流された、紛失した場合
保険証券や通帳を紛失した場合でも所定の手続きをして、本人確認や内容が確認できれば保険金の請求や預金の引き出しは可能になります。(り災証明書も本人確認資料として有力です)
人生は何が起きるかわからないものです。しかし、緊急予備資金を準備しつつ、預貯金ではカバーしきれないリスクを保険で過不足なく備えるといった、自分でできることをしっかりやっていけば、家計は強くなり「何があっても大丈夫」と胸を張って生きていけるものです。
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