至高のスポーツスター、それがXL1200S
スポーツライドが楽しめるハーレーダビッドソン、それがスポーツスターモデルです。今回紹介するのは、1996年から2003年にかけて、エヴォリューションエンジンを備えた現行モデルの一世代前となるリジッドスポーツのひとつ、XL1200S。当時のリジッドスポーツのなかでは、最高クラスのモデルだったと言っていいでしょう。
同じ年式のXL883と比べてみると、「アジャスタブルフロントフォーク」「ツインリアショック」「ツインプラグ」「ダブルディスクブレーキ」と、XL1200Sはその能力を最大限に引き出す装備で固められていた
オーソドックスなXL883と装備を見比べれば、違いは歴然。アジャスタブルフロントフォーク、ツインリアサスペンション、ツインプラグ(1998~2003年モデルのみ/1996~1997モデルはシングルプラグ)、ダブルディスクブレーキと、めいっぱい馬力を引き出しつつ駆動力&制動力をアップさせている歴代屈指のスポーツモデル、それがこのXL1200Sでした。
同じエヴォリューションエンジンのスポーツスターと乗り比べると、まるで別のバイクであることが分かります。特に1998年からツインプラグ仕様となり、圧縮比をあげて70馬力以上の出力を達成。これもエヴォスポーツ最強のスペックである何よりの証拠。スタイルの美しさもあいまって、至高のスポーツスターとして人気を博しました。
現行モデルにはないレーシーな雰囲気も◎
タンクロゴにもXL1200Sのアイデンティティが根付いています。それがこの『Vチェッカー』。サーキットなどのレースシーンに見られるチェッカーデザインと、ハーレーの代名詞であるVツインエンジンを合わせて描かれたスピード感あふれるエンブレムは、XL1200Sにだけ許されたもの。レーシーにカスタムされた現行スポーツスターにこのエンブレムが採用されることも珍しくありません。
2000年を機に、日本でもハーレー人気が高まり、スポーツスターをはじめとするハーレーオーナーが急増しました。このXL1200Sはスポーツスターファミリーのなかでも頂点に君臨するモデルで、スポーツスターフリークにとっては憧れの存在でもあったのです。その人気ぶりから、かなりの台数が生産され、日本に送り込まれたことでしょう。
そんなXL1200S、現在の中古車市場ではどういうタマが残っていて、相場はどのぐらいなのか。そのあたりの事情について専門ショップに伺ってきたので、次ページにて解説します。
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