スケボーの「技」は「トリック」と言います
最近は本格的にコンテストシーンが始まって、全国の猛者達とコンテスト会場で会う機会が増えました。先日韓国で開催された国際大会では日本のライダー達が大活躍しました。このコラムからスケートボードをはじめた人も、そんなプロライダー達と同じスケートボードに乗っているのです。前回の「スキルとスタイル」でお伝えしたことが上達する上でとても大事なファクターなのはお分かりいただけるかと思います。スケートボードハウツー
さて、前回までのコラムで、「スケートボードとは何か」、「スケートボードのセッティング」、「スケートボードをやる場所」、「続けていく上の指針」、など、かなり駆け足で広範囲なご説明をさせていただきました。なんとなくスケートボードが「スケートボウ道」であることがおわかりいただけたかと思います。さて今回からはお待ちかねのトリックのハウツー的な内容を進めていこうと思いますが、トリックハウツーを進めていくにあたり、とても大事なことをはじめにお伝えできればと思います。本当に必要な情報を知ろう
スケートボードのトリックは無限にあります。今現在も絶えず新しいトリックが生まれている状況です。僕がスケートボードをはじめてから大きな時代の節目がいくつかありましたが、ライダー達が次のステップへ進んで行くパワーは、スケートボードの形状やライディングスタイルなど、固定観念をすべてブチ壊して進んでいく勢いがあります。現在ではインターネットやSNSの普及により最新の情報がリアルタイムで世界中から発信されています。スケートボードを始めるにあたり、以前では考えられないくらいたくさんの情報が集められることでしょう。
でもね、溢れかえる情報の中から本当に必要な情報、本当に正しい情報を選び出すのは実はかなり大変で、例えばウィールは52mmと53mmのどちらがいいのか、ってことだけでも実に沢山の人の主観があり、自分にとって本当に必要なスペックは何かを選ぶのは難しいことなのかもしれません。
ハウツーも自分で選ぶ
これからお伝えしていくトリックに関しても同じことが言えます。トリックのやり方、上達の方向性やスピードなどはものすごく個人差があります。あのトリックがなかなかできなくてもこのトリックはすぐにできたり、みんなができることができなかったり、みんながやりたがらないトリックがなぜか気になったりする事もあるでしょう。ただ、自分がすぐにできたトリックが「簡単なトリック」で、みんながなかなかできないトリックが「難しいトリック」ということでもないのです。そこの意識的な部分で最初に勘違いをしてしまうと、自分の上達のスピードが気になったり、人と自分を比べてメチベーションが下がったり、せっかく出会ったこの素晴らしいスケートボードのキラキラした魅力に気がつかないことがあります。
まず覚えておいて欲しいこと
なので、今回からのトリック解説を進めるにあたり、まず先にお伝えしたいことがあります。「スケートボードは自由だ」ということを。そしてついでにもうひとつ、僕らからのアドバイスとして覚えておいて欲しいことは「上手いより楽しいが大事」ということです。誰かと同じペースで練習することはありません。みんなと同じことがができなくても全く問題ありません。人と同じことができることに喜びを感じる人は頑張って同じことができるように練習してもいいし、自分でまだ世界で誰もやっていないトリックを考えてもいいのです。そこのベースになるのが「楽しい」ということ。
誰でもぶち当たる大きな壁「オーリー」
例えばスケートボードでジャンプするトリックである「オーリー」は、上達していく過程で誰でも必ずぶつかる大きな壁です。何度も何度も練習して自分の間違っているところを修正し、デッキやシューズをボロボロにしながら習得するトリックです。思った通りにいかないことが辛く感じることもあるでしょう。でもね、オーリーを身につけたらそこから加速度を上げて上達していく実感を得ることができます。正直すごく楽しいです。人生が変わるくらいの刺激があります。ただ、僕の30年くらいの経験では、オーリーができるまでに10人中9人がスケートボードをやめてしまう。それだけハードルが高いと感じる人が多いのでしょうが、僕はオーリーできなくても十分スケートボードを楽しめると思ってます。
やりたいトリックからチャレンジしよう
スケートボードのトリックは無限にあるので、体系的に整理してご紹介することも大変ですが、大きく分けて「オーリーまでのトリック」と「オーリー後のトリック」と分けて、ベースとなるポイントを逃さずお伝えできればと思ってます。「オーリー後のトリック」は「オーリー」をしっかりご紹介してから進めていきます。簡単なトリックから難しいトリックへと進める訳ではないので、自分のやる気スイッチが入ったものだけチェックしてみればいいかと思います。