XL883R (2014) / HARLEY-DAVIDSON SHINJUKU
足着き性を考慮したローダウンスタイルが主流の今日において、あえて前後の足がしっかり伸ばされたレーサースタイルが魅力のXL883Rをベースに、シャープでレーシーなスタイルを目指したのがこの白くモダンな雰囲気のスポーツスター。カスタムしたのは、東京の中心地に居を構えるハーレーダビッドソン新宿。「自分が乗りたいハーレーのスタイルをいろいろ模索した結果、カフェレーサーという姿にたどり着いた」というオーナーの意向を受け、ディーラーの担当者がカスタムプランをプロデュース。狙いどおりの戦闘的なスタイルを生み出しています。
カフェレーサーらしいセパレートハンドルに前後足まわりのグレードアップ、アグレッシブな印象を与えるメガホンマフラー、さらに車体のラインを美しく形成するためのエアプレーンキャップ付きフューエルタンクにチョップドリアフェンダーと、プロならではのプランニングがバランスよく組み合わさった一台と言えます。間違いなく夜のストリートシーンがよく似合うスポーツスターですね。
[手がけたショップ]
ハーレーダビッドソン新宿 (東京都新宿区)
XL883L (2009) / TRAMP CYCLE
一見すると、赤いボディが目を惹くシンプルなスタイルのスポーツスター。実はこの一台、111年におよぶハーレーダビッドソンの歴史のなかで燦然と輝く歴史の1ページからイメージし、カスタムという手がかかる作業に対してシンプルにアプローチしたものなのです。その歴史の1ページというのがこちら、このスポーツスターファミリーの原点として生まれた「モデルK」のレーサーモデル「KRTT」。そう、今では現代のハーレーからは想像できないかと思いますが、何十年前のハーレーはアメリカのレースシーンを席巻する存在でもあったのです。限られた数しか製造されなかったこのKRTTを所有するのが、大阪のカスタムショップ トランプ。現代のスポーツスターをベースに、KRTTを再現したのがこの真っ赤な一台というわけ。
ワイドなタンクに分厚いサドルシート、コンパクトなフェンダーを備えたビンテージ感が印象的で、それでいてオートバイとしてしっかり走れるように仕上げられています。このあたりは、かつてスポーツスターのレースに参戦していたスピードショップならでは。コンパクトなディテールで象られる人気モデル XL1200X フォーティーエイトとは逆行するかのようなスタイルながら、ハーレーの歴史に対するリスペクトの気持ちが備わったスポーツスターと言っていいかもしれません。パッケージングされたキットもあるそうなので、そのままこの姿を再現できるというのはスゴいことです。
[手がけたショップ]
TRAMP CYCLE (大阪市都島区)
これまでのカスタムスタイルはローダウン仕様が主流だったのですが、ここにきてスポーツバイクらしいスタイルが目につくようになってきました。「オートバイに快適に乗りたい」という想いは誰しもが同じですが、その快適性のポイントが、足着き性からスポーツライドへと変わっていきつつあるのかもしれませんね。