スポーツスターカスタムの世界はまだまだ進化する
ハーレーダビッドソンのラインナップにおいて、スポーツライドを楽しむスマートなモデルを取り揃えるスポーツスターファミリー。このカテゴリーの起源となる『モデルK』が世に登場したのが1952年と、半世紀以上の歴史を持っているわけです。“スポーツスター”という呼び名ながら、国産モデルほどキュンキュン走るわけではない良い意味でのゆるいスポーツモデルで、そのスマートなボディサイズが日本人に合っていることから、日本におけるスポーツスター人気は世界でナンバーワン。
そんな高い人気のスポーツスターを“自分だけの一台”に昇華させるのがカスタム。今回はスポーツスターカスタム最新情報をお届けしましょう!
XLH883 (2003) / ICHIKOKU CYCLE WORKS
「This is Sportster」。そう唸らされてしまう、スポーツスターのあるべき姿を再現した一台がこちら。ベース車両は、「壊れにくく、スポーツスターらしいフォルムを持つ」と言われる2003年以前のリジッドスポーツ XLH883。手がけたのは、神奈川の一国サイクルワークス。オリジナルの左出しマフラーからか、一般的にマフラーが右側に見えるスポーツスターのスタイリングとしては違和感を覚えますが、同じく右側にあるベルトドライブとの兼ね合いから、車体バランスを取るために用いられた一国オリジナルの構造。それでいて、リジッドスポーツ本来のシャープなスタイルを活かしつつ、快適に走れる一台になっています。
スタイルを生み出すディテールにご注目。コンパクトなピーナッツタンクやそら豆シート、オーナーにとってベストポジションとなるハンドル、F19/R18という足まわりで古き良き時代のスポーツスターを再現しつつ、グリーン×クリームのピンストライプでフィニッシュ。ビンテージスポーツにアメリカンカルチャーをバランスよくミックスさせたスポーツスター、ストリートシーンを軽く流すのに最適な一台と言えますね。
[手がけたショップ]
一国サイクルワークス (横浜市鶴見区)
XL1200R (2005) / BULL ORIGINAL
やや重ったるい現行スポーツスターXL1200Rをベースとしつつ、1970年代アメリカを席巻したハーレーのダートトラックレーサー風にまとめられたスポーツスター。神奈川のブルオリジナルが、アメリカの人気パーツブランド『ローランド・サンズ・デザイン』(RSD)とコラボレーションしたカスタムモデルなのです。近年は足着き性を重視する傾向から、車高を低くするローダウンスタイルが主流となっていますが、こちらはオフロード(未舗装路)を走るレーサーのイメージをベースとしていることから、ローダウンとは真逆の車高がかなり高い仕様になっています。身長174センチの私がまたがってみても、かかとが浮くほどでした。
『RSD』のモダンなデザインパーツはもとより、やはりこの一台を印象づけているのはリアのシートカウル。1970年代のFXスーパーグライドに備わっていた「ボートテイル」(ボートのような尾っぽ)をほうふつさせるシートカウルを現行モデル用に開発、個性的なリアエンドを生み出すことに成功しています。見た目だけではなく走りもなかなかにアグレッシブで、スロットルを開けるのが楽しくなってくる仕様に。このライディングを体感したら、ノーマルのスポーツスターでは物足りなくなってしまうでしょう。
[手がけたショップ]
ブルオリジナル (横浜市鶴見区)
続いては、現代版デザインとビンテージデザイン、それぞれにヒントを得たカスタムスポーツスター2台が登場します。
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