一条戻橋
さて、最後に訪れるのは、堀川に架かる一条戻橋(いちじょうもどりばし)。堀川はほとんどが地下を流れる暗渠(あんきょ)になっていますが、最近の工事により、一条戻橋の付近では地上を水流が流れるようになり、親水空間として整備されています。一条戻橋
今では、すっかり周辺が明るいイメージになっている一条戻橋ですが、ここにも、橋の名前の由来になった不思議伝説が伝わります。
平安時代に、漢学者の三善清行(みよしきよつら)の葬列がこの橋を通りかかったときに、熊野で修行していた清行の子の浄蔵が父の死をきき都に戻り、かろうじてこの場所で追いついた。浄蔵が棺にすがりつき祈りを捧げると、清行が生き返った。
まさに、「黄泉帰り」伝説ですね。
この橋は、その名前から、花嫁は絶対に渡らず、逆に出生する兵士は無事戻ってこれるよう、橋を渡ってから戦地に出かけたといいます。
清明神社
現在の橋は、平成7年に掛け替えられた比較的新しいものですが、大正11年から平成7年まで実際に使われていた橋の一部は、戻橋から北へ100mほどのところにある、陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)をまつる清明神社の境内に保存されています。
なお、安倍晴明は、戻橋の下に「式神」を隠していたとされるなど、戻橋との縁が強いようです。戻橋を訪れたら、ぜひ清明神社もお参りすることをオススメします。
<DATA>
■清明神社
住所:京都府京都市上京区晴明町806
アクセス:京都駅より市バス9番「一条戻橋・晴明神社前」下車徒歩約2分
ホームページ → http://www.seimeijinja.jp/