新たなパパサンアールの歴史が始まる
デビューから10年強、ついに大幅なグラフィックチェンジを行なったXL883R。こちらの写真を見れば一目瞭然、色の違いこそあれど、レーシングスピリットを感じさせつつもシンプルなグラフィックにまとめられました。HARLEY-DAVIDSONのロゴもやや大きくなっていて、これは近年のモデルによく見られる傾向です。スイッチボックスがやや小振りになり、ブレーキキャリパーのデザインが変わるなど細かな変更点はいくつかありますが、パパサンアールとしての基本的なスタイルは以前のまま。本来のレーシングスタイルやちょっとダートな感じがするスクランブラースタイルなど、スポーツバイクらしいカスタムを狙う人にオススメの一台です。
他モデルにないパパサンアールだけのメリット
XL883Rだけのメリットを順にご説明すると、まずはブラックパウダーコートのエンジンでしょう。現スポーツスターモデルを見ても4バージョンのカラーリングに分かれており、とりわけブラック仕様かクロームメッキ仕様のいずれかで好みが分かれるところ。ダークカスタムを目指したい人には、同じブラックパウダーコートのXL883RとXL883Nがオススメです。そしてパパサンアール最大のメリットがこちら、フロントブレーキ部分がダブルディスク仕様であること。ご覧のようにホイールの左右にふたつのブレーキシステムが備わっているのです。このパパサンアール以外のスポーツスターは片側のみのシングルディスク仕様で、ブレーキング能力の差はあきらか。別のモデルを購入してからフロントをダブルディスク仕様にすると、二桁万円の費用が必要になります。最初からダブルディスクでハーレー中で最安値というのは、出血大サービスもののメリットと言えます。
幅広のハンドルバーもXL883Rの特徴。スタンダードなXL883Nアイアンのものと比べても、違いは歴然。往年のレーサースタイルをインスパイアしたがゆえのサイズ感とされます。ハンドルバーに関してはボルトオンで交換可能なので、自分のポジションに合ったものを選ばれるといいでしょう。
リアエンドの違いも大きな特徴。近年のハーレーモデルに多いのが、写真右側のテールランプ一体型ウインカー。ウインカー内にテールランプが内蔵され、その分リアの印象をすっきりさせられるハーレーらしい考え方のシステムですが、XL883Rはクラシカルスタイルを貫く意味で、これまでのテールランプ付きフェンダーを用いています。端的に言えば好み次第、この部位に対してどんなカスタムのイメージを持っているかで、選び方も変わってくるでしょう。
よりオートバイらしいオートバイが求められつつある近年、再び注目を集めているXL883R。スポーツスターのなかで最安値のオーソドックスモデルなので、そのまま乗り回すのはもちろん、カスタムベースモデルとしても、これほど最適なモデルはないでしょう。
[HARLEY-DAVIDSON XL883R SPECIFICATIONS]
全長/2,245mm
全幅/935mm
全高/1,150mm
ホイールベース/1,520mm
加重時シート高/760mm
車両重量/264kg
エンジン型式/Air-cooled, Evolution
排気量/883cc
フュエルタンク容量/12.5L
フロントタイヤ/100/90B19 M/C 57H
リアタイヤ/150/80B16 M/C 77H
メーカー希望小売価格(消費税込)/[モノトーン]103万円 [ツートーン]105万2000円
(2015年5月現在)