大きくふたつのスタイルに分かれるソフテイル
ソフテイルのモデルは、FLとFXの二種類に分かれます。FLモデルは前後ホイール径が16インチないし17インチで統一、さらに太めのタイヤを履いていることが特徴的。対してFXモデルはフロントホイール径が21インチで細長い。1960年代以前のハーレーを見ると、そのほとんどがFLスタイルであることに気づきます。FXは、1970年代に大きなムーブメントを生んだチョッパーカスタムスタイルから生まれたもの。映画『イージー・ライダー』に登場するキャプテンアメリカ号は、元々はFLスタイルのみのパンヘッドエンジンモデルながら、カスタマイズされてFXスタイルへと変貌しているのです。
ラインナップされている各モデルの頭文字を見れば分かりやすいですね。FXSB ブレイクアウトはフロントタイヤが21インチのFXスタイル、FLSTN ソフテイルデラックスは前後16インチのFLスタイル。現在FXモデルが一台で、FLモデルが五台という割り振り。ちょっと元気がないFXモデルですが、唯一の存在であるFXSB ブレイクアウトの人気が他を凌いでいるだけに、今後新しいFXモデルが登場するやもしれませんね。
エボとツインカム、そしてバランサー
1984年に登場したソフテイルモデル、そのエンジンは二種類に分かれます。1984年のデビューから1999年までがエボリューションエンジンで、2000年から現代までがツインカムと呼ばれるエンジンです。進化するにつれて排気量もアップし、よりパワフルなモデルとなっていますが、一方でハーレーらしい味わい深さはエボリューションが勝るところ。“ハーレーは壊れやすい”なんて言われることがありますが、それはエボ以前のお話。エボリューションが登場して以降、エンジンの評判はなかなかのものなので、味わい深さを求めるならエボがいいと思います。
ソフテイルのツインカムエンジンには、不快な振動を打ち消す『バランサード・システム』が組み込まれている。そのため、ソフテイルモデルのスペックを見ると「Twin Cam 96 B」と、“B”の文字が含められる
もうひとつソフテイルの特徴が、『バランサード・システム』が内蔵されていること。これはビッグツインエンジン特有の不快な振動を緩和するためのシステムで、リジッド型フレームを採用しているソフテイルにのみ搭載されています。逆に、人によっては「マイルドすぎる」と感じられることも少なくありません。できるなら、購入前にはエボとツインカムを乗り比べてみると良いでしょう。
続いては、キャラクターが変わるソフテイルのフロントマスクと、カスタムするうえでの特徴についてご紹介します。
>> 次ページ ソフテイルのキャラクターとカスタムの特性