よりスポーツスターらしいストリートレーサー
2008 XL1200R / TRAMP CYCLE直訳すると“スポーツする人”、“スポーツ野郎”となるスポーツスター。元々大柄なクルーザーモデルがメインだったハーレーダビッドソンですが、第二次世界大戦後、アメリカに上陸し人気を博した英国バイクに対抗すべく生み出されたのがこのスポーツスターというカテゴリー。そう、ハーレーダビッドソンにとってはネイキッドスポーツモデルにあたります。
2003年以前のリジッドスポーツよりも大柄で重くなり、クルーザー色を強めたラバーマウントですが、手入れ次第で日本人向けのスポーツモデルに化けさせてやることができます。大阪のトランプが手がけたこのスポーツスターはその好例。一般的に見ても重い部類に入る260kgという車体の無駄を削ぎ落とし、軽量パーツを取り入れて30kg以上軽くしているのです。
レーサーに見られるエアプレーンキャップを備えたフューエルタンクにデジタルメーター、メガホン型フルチタンマフラーなどが取り入れられた一台。もちろん足まわりや駆動系、フューエルインジェクションなども専用セッティングとされ、ノーマルをはるかに凌ぐパフォーマンスアップが図られています。ビルダーのアプローチ次第でハーレーダビッドソンもここまで攻撃的にできる一例と言えますね。
[手がけたショップ]
TRAMP CYCLE (大阪市都島区)
スポーツスター×スクランブラー!
1998 XLH883 / BLACK CHROME BIKE WORKSドゥカティの新型モデル スクランブラーなど、今巷を賑わしているのがビンテージトレールバイクスタイル“スクランブラー”。カフェレーサーと並ぶ不偏のカスタムスタイルが再燃していますが、このスポーツスターにだってスクランブラーフォルムがばっちり似合うという好例カスタムがこちら。
手がけたのは、ブラッククロームバイクワークス。俳優の浅野忠信さんもスポーツスターのカスタムオーダーを出した人気ショップです。元々オフロードバイクの世界で揉まれたビルダーの松本悌一さん、以前からスポーツスターのスクランブラー化については具体的なイメージをお持ちで、当時のオーナーと意気投合したことから生み出された一台がこちらなのだそう。
前後18インチ化にオフロードモデル用リアフェンダーの加工装着など、ハーレーらしからぬカスタムメニューでまとめられたこの一台。2003年以前のリジッドスポーツがベースゆえにこのスタイリッシュな仕上がりと言えますが、やはり最初のプランニングが明確だからこその完成度でもあります。こんなスクランブラー、街中を走っていたら、道ゆく人が振り向くこと間違いなし!
[手がけたショップ]
BLACK CHROME BIKE WORKS (東京都八王子市)
ハーレーダビッドソンの醍醐味は、何よりもカスタムで自分だけの一台を手に入れられること。せっかくハーレーに乗るならば、オーナーがとことん楽しめる仕様にカスタマイズしていってほしいですね。