さまざまなスタイルに変身できるスポーツスター
日本でもとりわけ人気が高いハーレーダビッドソンのファミリーのひとつ、スポーツスター。ひとくちにスポーツスターと言っても年式によってタイプが異なり、それについては以前[ハーレーカスタムガイド スポーツスター編]で詳細を述べているので、またご参照ください。今回はそんなスポーツスターの最旬カスタムをご紹介します。
ビンテージボバースタイルにまとまった一台
2011 XL1200R / HIDE MOTORCYCLE2004年より現在の規格となった新型スポーツスター、いわゆる“ラバーマウント仕様”。シャープなシルエットこそカスタムの目指すべきものという前提から見れば、以前のモデルよりも大柄になった現代モデルはディーラーやカスタムショップを悩ませるもの。そんなラバーマウントに対して積極的にアプローチを図るのが、BMW Motorrad R nineT Custom Projectなど大規模なプロジェクトに携わる人気ショップ ヒデモーターサイクルです。
これまでスタイリッシュなフォルムにこだわってきたヒデモですが、今回はあえてマッシブなボバースタイルに挑戦。ビンテージ風の太いタイヤを履かせて足下のインパクトを増し、丸みのある流麗なシルエットで車体を演出。メタルワークに定評があるヒデモらしいまとめ方です。
さらに注目したいのはグラフィック。艶ありと艶なしのブラックを操り、ただのビンテージではないダークなツートンカラーで仕上げているのです。元々クラシカルなスタイルにこそ魅力が潜むハーレーダビッドソン、ビンテージフォルムは鉄板のカスタムメニュー。この分野において、ヒデモのセンスはやはり抜けていますね。
[手がけたショップ]
HIDE MOTORCYCLE (神奈川県川崎市)
迫力の250mmリアタイヤが最大の見どころ!
2011 XL1200X / HARLEY-DAVIDSON RIKUYUハーレーダビッドソンの現ラインナップでも高い人気を集めるモデル、スポーツスター XL1200X フォーティーエイト。最初からプロダクツされているカスタムモデルゆえ、ノーマル状態の完成度が高く、ゆえにカスタムすると本来のバランスを崩してしまうという、カスタムが難しい一台でもあります。こちらはノーマルのスタイルを踏襲しつつ、強烈なインパクトを取り入れた“さりげなくもパンチのあるカスタム フォーティーエイト”なのです。
そのカスタムとは、リアタイヤの250mm化。ノーマルタイヤの幅が150mmなので、100mmもアップした計算になります。オーナー曰く、「まわりのハーレー仲間のバイクがみんな極太タイヤなので、自分もそうしたくなった」とのこと。横からのスタイリングを見ただけでは気づきにくいですが、後ろから見たときのインパクトたるや!
250mm化とひとことで言っていますが、そのカスタムメニューは実に大変なもの。車体とリアホイールをつなぐスイングアームを専用のものに加工装着し、さらにそのホイールを駆動させるベルトドライブを外側にオフセットせねばなりません。こうした難易度の高いカスタムにこそ、カスタムビルダーのセンスが浮き出てくるというもの。このまとめ方……お見事!
[手がけたショップ]
ハーレーダビッドソン陸友 (東京都大田区)
続いては、オンロード&オフロードのレーサースタイル スポーツスターをご覧ください。
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