オートバイとして楽しめるハーレー

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

これまで現行モデル、とりわけこのソフテイルファミリーのモデルも多数試乗してきましたが、車体を起こす際の軽さという点ではグンを抜いているのではないでしょうか。次いで軽い FLSTN ソフテイルデラックスと12kgも差があるというのは大きなポイント。ソフテイルファミリーでもっとも乗りやすいとされるデラックスの地位を揺るがすほどと言えます。

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

顕著なのは、軽快なハンドリングです。そのマッシブなフロントマスクから重いハンドリングを想像される方が少なくないかと思いますが、絶妙のバランスで組み上げられていることがすぐに分かります。油圧式フロントフォークの剛性と16インチ スポークホイール、大柄なハンドルバーという組み合わせは、見た目とは裏腹のスポーティな乗り味を楽しませてくれます。

排気量1,584cc / 空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブエンジン『ツインカム96B』

排気量1,584cc / 空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブエンジン『ツインカム96B』

スポーツスターよりもはるかにトルクフルな排気量1,584ccのツインカム96Bエンジン。セッティングが日本仕様のため(排ガス&騒音規制が世界一厳しい日本用モデルは、かなり制限されたパワーチューンとされる)、その潜在能力を発揮しきれていない感は否めませんが、ドドドドドっ!とパワフルな走り出しをしっかり味わわせてくれます。市街地を走るのなら、十分なパワーと言えますね。

ビギナー向けビッグツイン

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

ハイウェイを走っても、安定感とスポーティな走りは変わらず。ディッシュホイールを備えるファットボーイ系モデルだと、足下の重量で地に足をつけ、アスファルトをめくりあげるような走りを生み出します。そういう意味でファットボーイ系列の方が直進安定性に秀でていると言えますが、スリムはその大柄なボディに似合わない軽快さで、クイックに操る楽しさを与えてくれます。フロントマスクこそそっくりながら、その実態はまったく異なるもの。高速道路でこそ、ハーレーダビッドソン流の“スポーツバイクというカテゴリーに対する考え方”を体験できるでしょう。

150mmと、ソフテイル系ではもっとも細いタイヤ幅が好バランスの走りを生み出しているのです

150mmと、ソフテイル系ではもっとも細いタイヤ幅が好バランスの走りを生み出しているのです

他メーカーのモデルと異なり、重心がかなり低い位置とされるハーレーを操るのはちょっとしたコツが必要なのですが、このスリムはそのコツを早く掴ませてくれる初心者向けビッグツインと言えるでしょう。なぜならば、その軽量なボディのおかげで、ビギナーがもっとも気にする重量に悩まされなくていいからです。機会があれば、ぜひファットボーイ系とスリムとを乗り比べてみてください。

FLS ソフテイルスリムはカスタムにもおすすめ

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

ハーレーダビッドソン FLS ソフテイルスリム

カスタムのベース車両としても、スリムは申し分ない素材です。無駄が削ぎ落とされたシンプルなフォルムは、流行のボバースタイル向きでもあり、いじりやすくもあります。私だったら……オートバイとしてのディメンションは申し分ないので、ハンドルやステップは変えずにシートを好みのものとし、ヘッドライトまわりやミラー、前後フェンダーをコンパクトにしてチョッパースタイルを強めます。もちろんマフラー/エアクリーナー/チューニングの3点は必ず注入し、ビンテージ系のグラフィックでフィニッシュ。これだけで、スリムの長所を生かしつつ自分専用の一台とできるでしょう。

どうしても人気車種ファットボーイの影に隠れがちな FLS ソフテイルスリムですが、多くのHDJ正規ディーラーマンが「スリムほど面白くてカスタムし甲斐のあるモデルはない」と言うほど。玄人向けっぽさを醸しつつもビギナーを寛容に受け止めるスリムは、ハーレーダビッドソンのあるべき姿を体現しているモデルと言えるのかもしれません。

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