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ハーレーカスタムガイド スポーツスター編(2ページ目)

ハーレーダビッドソンを楽しむならカスタム! ただ、何も知らないまま手を加えると目的があやふやな一台になってしまうことも。今回はスポーツスターカスタムのノウハウをお教えします!

田中 宏亮

執筆者:田中 宏亮

バイクガイド

スポーツスターを快適に乗るためのカスタムポイント

カスタムと聞くと、ハンドルをかち上げたりマフラーを換えたりという外装カスタムをイメージするところですが、その名のとおりしっかりと走れるオートバイであることがスポーツスター最大の魅力。一方で、アメリカ製ゆえか日本メーカーのそれと比べるといろいろと荒削りなところがあるのもスポーツスター。どれだけ乗りづらくても「ハーレーだから、こんなもの」などと諦めるなかれ、最低限これだけ整えてやれば十分快適に乗り回すことができるというポイントをご紹介します。

「ハンドル」「シート」「ステップ」「前後サスペンション」はオートバイとして楽しむうえで知っておきたいポイント

「ハンドル」「シート」「ステップ」「前後サスペンション」はオートバイとして楽しむうえで知っておきたいポイント


ポイントは、ハンドルシートステップ前後サスペンションです。カスタムの第一歩として、これら計5ポイントはきちんと整えておいた方が良いです。

【1】オーソドックスなXL883N、【2】ツーリング向きのアップハンドル、【3】攻撃的な真一文字のドラッグバー、【4】チョッパー型のエイプハンドルバーなど、タイプはさまざま

【1】オーソドックスなXL883N、【2】ツーリング向きのアップハンドル、【3】攻撃的な真一文字のドラッグバー、【4】チョッパー型のエイプハンドルバーなど、タイプはさまざま


まずはハンドルバー。ハーレーのカスタムスタイルは千差万別で、ハンドルバー選びも重要な要素のひとつ。スポーツスター本来の“操る楽しさ”を引き出すなら、【1】のようなXL883Nアイアンのオーソドックスなものや、【2】のアップハンドルなどが向いているでしょう。ドラッグレーサー風の個性を引き出す【3】のドラッグバーやチョッパースタイルに欠かせない【4】のエイプハンドルバーなど、スタイルありきでハンドルを選ぶのもカスタムの楽しみ。快適性かビジュアルか、ここはオーナーの判断にゆだねられるところですので、いろんなパターンのハンドルを見てみてください。

【1】あまり評判が良くないフォーティーエイト用シート、【2】タンデム可能なキング&クイーンシート、【3】長距離走行でもお尻が痛くない構造のソロシート、【4】ラインの美しさは文句なしのコブラシートなど、シートのバリエーションも豊富

【1】あまり評判が良くないフォーティーエイト用シート、【2】タンデム可能なキング&クイーンシート、【3】長距離走行でもお尻が痛くない構造のソロシート、【4】ラインの美しさは文句なしのコブラシートなど、シートのバリエーションも豊富


シートは体を支える重要なポイント。特にロングツーリングを楽しみたいという人は、極めて重要になる部位と言えます。【1】のフォーティーエイト用シートはその見た目が人を呼ぶのですが、実際に乗ってみるとライダーの体をホールドしてくれないのでツーリングでの効果はほとんどなし。【2】はキング&クイーンと呼ばれるスタイルで、パッセンジャーにも快適性をもたらしつつも、ハーレーらしいフォルムを提供してくれます。「快適なツーリングが楽しみたい!」という人には、【3】のように最適なポジションと柔らかさを考慮して作られた和製メーカーのシートがオススメ。「スタイルこそハーレー」と考える人には、王道とも言える【4】のコブラシートなどがあります。

【1】オーソドックスなミッドコントロール、【2】両足が前に突き出るフォワードコントロール、【3】レーシーなポジションを生むバックステップと、ステップ位置はこの3パターンに分かれます

【1】オーソドックスなミッドコントロール、【2】両足が前に突き出るフォワードコントロール、【3】レーシーなポジションを生むバックステップと、ステップ位置はこの3パターンに分かれます


ハンドル、シートとの組み合わせとして、ステップも重要です。分けるとこのように、オーソドックスなミッドコントロール、両足を前に突き出すフォワードコントロール、やや後ろ気味に足を曲げるスタイルになるバックステップの3タイプに分かれます。バックステップはマフラー交換が必須のためオプションとして見ていただくとして、ノーマル仕様だとミッドかフォワードで乗り心地が変わります。フォワードコントロールだと、足を前に投げ出してしまうため体重をお尻だけで支えねばならず、結果ロングツーリングではお尻や腰が痛くなってしまうことも。旅を楽しみたい人は、しっかりと踏ん張れるミッドコントロール仕様がいいでしょう。

快適性を向上させる前後サスペンションの改善

ノーマルの前後サスペンションはセッティングが荒いため、やわらかい仕様に改善してやることが大事

ノーマルの前後サスペンションはセッティングが荒いため、やわらかい仕様に改善してやることが大事


オートバイの足であるタイヤ(ホイール)と車体を支える前後サスペンション。ここがしなやかに作動することによって走行時の衝撃(ギャップを拾ったときなど)がやわらぐわけですが、ハーレーダビッドソンのサスペンションはおしなべてセッティングが荒削り。アメリカ人との体格差もあってか、日本人にとっては少々雑な印象すら持つほどです。「ハーレーだから、こんなもの」と言ってしまっては、スポーツスター本来の快適性や走行性能は発揮しきれません。

ローダウンモデルは286mm、スタンダードモデルは336mm。サスが短いとストロークがなくなるので、衝撃を緩和しきれず体にダメージが蓄積されてしまいます

ローダウンモデルは286mm、スタンダードモデルは336mm。サスが短いとストロークがなくなるので、衝撃を緩和しきれず体にダメージが蓄積されてしまいます


近年、またがった際の足着きを気にされる方が増えていることから、車高を下げたローダウンモデルが主流となりつつあります。しかし、サスペンションを短くするということは衝撃を受けた際のストロークが足りなくなるので、結果的にライダー自身にダメージが大きく伝わり、走り終えたときにものすごく疲れてしまうのです。「ハーレーは重いバイクなので、両足が着いていないと不安で……」という声を聞きますが、ローダウンについては【メリット2割/デメリット8割】と思ってください。
フロントがしなやかに動かないと、ハンドリングにも影響が出てしまうのです

フロントがしなやかに動かないと、ハンドリングにも影響が出てしまうのです


見えない部分ゆえ、フロントサスペンションへの関心度が低い方が多いですが、ハーレーで快適に走るならばこここそ改善せねばならない場所。というのも、他メーカーのバイクに比べて重量があるため、ハーレーのハンドリングはかなり重いのです。それゆえ、最適なハンドリングとするためのサスセッティングが必要となります。ちなみにこのフロントサスペンションのセッティングで、そのお店(正規ディーラーやカスタムショップ)の技量がはかれると言っても過言ではありません。それほどに高度な技術が必要で、かつ重要な部分というわけです。


ここまでは、年式・タイプに関係ないスポーツスター全般について、走行性能を向上させるために必要なカスタムポイントのご紹介。次ページでは、ビジュアル、いわゆる見た目のカスタムという点でのアプローチをご紹介します。

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