ここまでできるビンテージスタイル
[01] 2007 FLSTSC / HARLEY-DAVIDSON City Nakanoハーレーダビッドソンのカスタムスタイルはさまざまですが、定番テーマのひとつにビンテージスタイルがあります。元々クラシカルなつくりのハーレーではありますが、111年という歴史のなかで生み出された往年のモデルの姿を再現するカスタムによって、壊れない現行モデルに古き良き時代の雰囲気をまとわせることができるというもの。ただ、性能を求めるがゆえに車体のフレームが大きくなってしまい、エンジン形状もわずかに変わっているため、トータルコーディネートがうまくいっていないとバランスを崩しかねない諸刃の剣。
40's ネイビースタイルというテーマのビンテージカスタムを施したこの一台、手がけたのはH-Dシティ中野の松本 泰輔店長。過去にハーレーダビッドソンジャパンのカスタムコンテストで何度も入賞した経験を持つ敏腕コンサルタントで、そのセンスはディーラーのなかでもずば抜けています。特にエンジンのシリンダーヘッドなどを変え、1940年代に登場した人気のエンジン パンヘッドの姿を見事に再現。しっかりと力強く走ってくれる現行モデルをベースに、パーフェクトなまでにビンテージスタイルにまとめあげた好例とも言える一台です。
[手がけたショップ]
ハーレーダビッドソン シティ中野 (東京都中野区)
現代版キャプテンアメリカ
[02] 1997 FXDL / ICHIKOKU CYCLE WORKSハーレーダビッドソンと聞いて、1969年公開の映画『イージーライダー』を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。チョッパーカスタム ハーレーに乗るふたりの男たち(キャプテンアメリカとビリー)が自由気ままに生きるさまを描いたモーターサイクルムービーの金字塔とも言われる作品は、当時の若者の心を鷲掴みにしました。特に、星条旗デザインとロングフォークチョッパースタイルのキャプテンアメリカ号は有名なカスタムハーレーと言えます。
ここで紹介するカスタム ローライダーは、『イージーライダー』を知る人ならば「まったく似ていない」と言われるでしょうが、現代の道路事情に合わせて正常進化したモデル(スポーツ性能を備えたビッグツイン)をベースに、チョッパー&ビンテージなスタイルを取り入れた攻撃的なフォルムは、キャプテンアメリカ号に見た“走るチョッパー”のメンタリティを受け継ぐものだと思います。壊れずに走るバイクが一番良いと思いますし、それでいてこんなスタイルにカスタムできちゃうのもハーレーの良いところなのです。
[手がけたショップ]
一国サイクルワークス (神奈川県横浜市)
チョッパー × カフェレーサー
[03] 2014 XL1200V / HARLEY-DAVIDSON Alphaストリートシーンに映えるオートバイの人気カスタムスタイル カフェレーサー。そのベース車両となるのは、ヤマハSR400が主で、ハーレーだとスポーツスター……とりわけ車高が高いXL883Rなどに限られるでしょうか。しかしここで紹介するのは、うずたかく持ち上げられたハンドルバーにフォワードコントロールというチョッパーライクなスタイルが魅力のXL1200V セブンティーツーというモデルを元に組み上げられた一台です。
小振りなフューエルタンクにハードキャンディーデザイン、それに合わせたパンチアウト エキゾーストカバーやダイヤステッチのソロシートなど、セブンティーツー本来の個性を引き出しつつの攻撃的スタイルは、ちょっと他では見かけない斬新なもの。ポジションはなかなかにキツそうですが、こんなハーレーライフ、大いにアリかも?
[手がけたショップ]
ハーレーダビッドソン アルファ (新潟市中央区)