ポップアートがファッションになった「MOSCHINO(モスキーノ)」
ミラノブランドの「MOSCHINO(モスキーノ)」は若々しくウィットフルな提案でモード界をハッピーに盛り上げてきたブランドです。その「MOSCHINO」が迎えた新クリエイティブディレクターのJeremy Scott(ジェレミー・スコット)氏は現代モード界きってのユーモアたっぷりの表現力で知られています。起用が報じられた当初から、「どんなクリエーションを発揮してくれるのだろう」と業界関係者は期待していたのですが、発表された作品は予想をさらに上回るコンテンポラリー感と遊び心にあふれていて、歴史のあるブランドに新たなファンを呼び込みました。
【CONTENTS】
Page 1:◆ポップアートがファッションになったMOSCHINO
Page 2:◆新解釈が加わったラグジュアリーストリート
Page 3:◆ジェレミー・スコットがモードを変える!?
2014-15年秋冬コレクションではアメリカンカルチャーに着想を得た作品をランウェイに送り出し、喝采を浴びました。どこかで見覚えがありそうなファストフード風のロゴをはじめ、チョコレートの包装や米国アニメのキャラクターなどを、ジェレミー流にアレンジしてランウェイルックに落とし込んでいます。よく知られた商品や著名人をモチーフに選んだポップアートの手法を連想させるアプローチです。単にロゴやキャラを写し取るのではなく、それぞれのムードを装いにまとわせ、アートを着る雰囲気も漂わせています。同時に「MOSCHINO」のブランドロゴもしっかり織り込んで、歴史的なアーカイブへのリスペクトも感じさせます。
ファッションの楽しさを拡張してきたジェレミーは「MOSCHINO」というビッグブランドに迎えられて、さらにその才気を縦横に発揮。持ち味となっているちょっと毒っ気を帯びたクリエーションは、今回のパロディ的なモチーフ選びにもうかがえます。レッドとイエローのアイコニックな配色はランウェイをポジティブに彩り、このブランドの新たなスタートを華々しく祝っているかのようでした。
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