Ruby/Rubyの基礎知識

Ruby2.0の新機能、Module#prependの紹介(3ページ目)

Module#prependが実現するMix-in方式をincludeと比較しながら紹介し、応用編としてRailsのalias_method_chain処理をprependに書き換えます

橋本 拓也

執筆者:橋本 拓也

Rubyガイド

aliasmethodchainをprependで書き換える

Module#prependメソッドの応用範囲はいろいろとありますが、一例としてRailsのaliasmethodchainと似た機能、prependで実装してみましょう。alias_method_chainはRails黒魔術のひとつで、ライブラリのメソッドをちょこっと書き換える時などに重宝していました。詳しくは Rails: aliasmethodchain: 既存の処理を修正する常套手段 TECHSCORE BLOG などを参照してください。

実のところ、もともとalias_method_chainModule#prependの仮想敵でもありました。

prependメソッドは、RailsコミッタでもあるYehuda Katzの提案で、 これがあればRailsのaliasmethodchainを撲滅できる、と息巻いていた。 私もそう思う。

Matzにっき(2010-11-13)

さて、それでは実例を見ていきます。最初のrequire群はalias_method_chainを定義しているActiveSupportをBundlerでロードしている部分なので読み飛ばしてください。

drinkは(ベース)_with_(機能)という名前にエイリアスが貼られ、機能追加版のメソッドが呼び出されます。また、もともとのロジックが(ベース)_without_(機能)という名前で退避させられているのがわかります。

これをprependで書くと、次のようになります。

追加機能をモジュールの形で書き、ベースとなるクラスをオープンしてprependするだけです。すっきりと書けるうえ、Coffeeモジュールは他のクラスに対してもprependして流用できそうです。

実例としてalias_method_chainを書き換えを紹介しましたが、Module#prependは他にもいろいろと活用できそうな機能です。何かカッコイイ例をご存じの方は教えて下さい。

以上で今回の記事は終わりです。

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