ラグジュアリーブランドが続々!
ソフィア・コッポラ監督の最新作『THE BLING RING(ブリングリング)』
ソフィア・コッポラ監督が撮った空前のファッショナブル映画がいよいよ公開!新作『ブリングリング(原題THE BLING RING、12月14日公開)』は、セレブリティーやハリウッド女優に憧れる10代の若者たちが欲望を暴走させ、スーパーリッチの豪邸に侵入し、ドレスや宝石を盗む犯罪に手を染めていく姿を描く実話物です。女優エマ・ワトソンが窃盗団の中心人物を演じているのも、初の悪者役として話題を集めています。
【CONTENTS】
Page 1:◆ラグジュアリーブランドが続々!映画『ブリングリング』
Page 2:◆ファッションが持つ魔力や引力から学ぶ、本当のおしゃれ
シャネル、エルメス、ディオール、プラダ、ルイ・ヴィトン・・・
セレブの豪華ブランド品にうっとり
パリス・ヒルトンの邸宅に忍び込むシーンもあります。本当に一味の被害を受けたパリスはこの撮影に協力して、実際の自宅をロケに提供しました。そのクローゼットの中の素敵なことといったら、彼女のラグジュアリーなおしゃれの秘密をのぞき見るよう。パリスたちセレブから盗んだ服やバッグ、ジュエリーを身にまとった一味はその姿で街を歩き、クラブに集まるので、映画にはセレブカジュアル的なファッションがたくさん登場します。実際にオーランド・ブルーム、リンジー・ローハンも被害に遭ったそうです。「ブリングリング(キラキラしたやつら)」という題名はこの窃盗団の呼び名から取られています。映画の序盤では、割と身近で値ごろ感のあるブランドを着ていた一味のメンバーが盗みを重ねて行くにつれ、高級ブランドで身を固めていく変化が見て取れます。10代の5人は、自分に似合うかどうかに関係なく、「シャネル」「エルメス」「ディオール」「プラダ」「ルイ・ヴィトン」といった有名ブランドから、「バルマン」や「リック・オウエンス」「クリスチャン・ルブタン」といった通好みのブランドまで、手当たり次第に盗んでいきます。パーティが日課になっているセレブのワードローブらしく、「ヴェルサーチ」「エルベ レジェ」などのあでやかなドレスが多いのもロサンゼルス近郊の高級住宅地らしいと納得させられます。
彼らの盗み方で興味深いのは、比較的分かりやすい「目印」的なブランドアイテムを好むところ。レッドソールが代名詞になっている「クリスチャン・ルブタン」は象徴的と言えます。目立つか、派手か、高額かが優先され、有名ブランドのアイコン的なデザインが施された品を欲しがる心理は、それを目に留めてもらって、自分を実際よりもよく見せたいというコンプレックスを映しています。彼らが警察につかまってしまったのも、ソーシャルメディアで自分たちの手柄を自慢したせい。ファッションを「自分上げ底」の道具に使った彼らのゆがんだ情熱は結局、彼らの人生を台なしにしてしまいました。
次のページでは、ファッションが持つ魔力や引力から学ぶ、本当のおしゃれとは?