Hello, Ruby!
Ruby は1990年代に開発・公開されたオブジェクト指向のプログラミング言語で、生みの親はソフトウェア技術者のまつもとゆきひろ (通称 Matz) さんです。
「楽しくプログラミングできる言語」 という哲学に基づく設計は、初学者を含めた多くの人にとって「読みやすく書きやすい」文法ではないかと思います。
例えばJavaは、ただ文字を出力するだけのプログラムであってもstatic void main...
など長々としたコードやクラスの作成が必須ですが、Rubyには初心者の混乱する「おまじない」はほとんどありません。
また、Rubyはインタプリタ型言語ですのでJavaやCのようにコンパイルが必要なく、ターミナルでruby
コマンドに.rb
で終わるファイルを渡してやるだけで実行されます。
ちなみにコード中に出てきたputs
を使って、標準出力に実行結果を出力しています。Javaで言うSystem.out.println
に相当します。
Rubyでは#
はコメントで、#
以降に書いたものはすべて無視されます。 #=>
は「この行を実行した結果はこうなるよ」という説明のためによく使われる形で、本記事でもこれを使ってコードの結果を示していきます。
自然に読み書きできることに加えて実用的なライブラリが標準で付属しており、ちょっとしたタスクをこなす普段使いツールとしても使い勝手が良い言語です。
最近のRuby事情
2014年2月現在の最新安定バージョンは2.1.0です。 2013年にまつもとゆきひろ氏が講演の中で 「Rubyは言語として2.0でほぼ完成」 と述べているようにある程度成熟してきている言語なので、「バージョンアップで言語が劇的に変化してしまい、学習したことが無駄になる」ような可能性は低いでしょう。
Rubyのプロダクトとして人気の高いものに、 Ruby on Rails というWebフレームワークがあります。Railsについては回を改めて紹介する予定です。 Railsの後押しもありRubyはWebプログラミングでよく使われていますが、Rubyの活躍する分野はWebだけではありません。
組み込みシステムで使える mruby やRubyでiOSアプリを作る RubyMotion など、ターゲットを広げながら今では世界中で使われています。 日本発祥のプログラミング言語のため、日本語の情報が充実していて学習のハードルが低いことも初学者には嬉しい要素です。
次のページから、Rubyを使うのが初めてという人を対象にRubyの特徴を挙げていきます。