マンガ・コミック/口コミでおすすめの70年代の少女・女性マンガ

美しい吸血鬼の非日常の世界 『ポーの一族』

少女漫画とは思えない時代を超えたスケール感と、異国情緒漂う透明感が西洋文学の様な漫画です。主人公の美少年エドガーが吸血鬼になったきっかけや、その後成長せず200年以上を時代の波にのまれながら駆けめぐる非日常の世界を淡々と描いています。こんなにも美しい吸血鬼のお話しは何処を探しても見あたりません。

投稿記事

14歳で時が止まり何百年も繰り返す吸血鬼のエドガー

■作品名
ポーの一族

■作者名
萩尾望都

■巻数
全5巻

■おすすめの理由

普通のマンガとは世界観が違います。
少女漫画とは思えない時代を超えたスケール感と
異国情緒漂う透明感が西洋文学の様な漫画です。

14歳の少年を主人公にした、
バンパネラ(永遠の命を持つ吸血鬼)のお話しです。
こんなにも美しい吸血鬼のお話しは何処を探しても見あたりません。

主人公の美少年エドガー・ポーツネルが吸血鬼になったきっかけや
その後成長せず200年以上を時代の波にのまれながら駆けめぐる
非日常の世界を淡々と描いています。

まだ大人になりきれない14歳……。
そんな思春期まっただ中の14歳で時が止り何百年も繰り返すエドガー
その秘密を知られないために、人間よりも生きることに敏感に反応して時を移動します。

■好きなポイント
この作品の一番好きなところ(天才的な構図)は、
心の情緒を表すコマ割りの美しさです。
良く小説の中に入っている挿し絵のような効果を使っています。

台詞もなく計算し尽くされた大胆で繊細なコマ割りで、
心の有り様や時を語っています。

その中に盛り込まれた季節の花が唯一、少女マンガだった……事を
認識させられます。

もう一つ特記することは、選び抜かれた言葉の数々。
台詞の一つ一つが登場人物を投影しその場限りの登場でも
台詞が印象的だったりします。
ギグナジウムで生徒が反発したり、先生が悩んだり日常がリアルです。
それ故、エゴガーの周りの空気感が止って見えたりします。


誰も触ることの出来ない、綺麗で永遠で一瞬の少年達の世界を
天才漫画家、萩尾望都氏がシャボン玉の中に入れ込んだようなマンガです。



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