左:入口 右:店内。天井からも光が降り注ぐ~
KITTE は東京駅丸の内南口からすぐ目の前。地下道でも直結しています。元は東京中央郵便局でした。だから”切手→KITTE”なんですね。(来て、という意味も含まれるらしい)。入口を入ると、6階まで吹き抜けの高~い天井でものすごい開放感。大きく窓が取られて自然光が存分に入り、カテドラルを思わせるような壮大な雰囲気があります。開業記念として、入ってすぐのアトリウムの真ん中には縦10m×横8mの大きな桜の絵が掛けられていました。これはN.Y.在住の日本画家・千住博氏による「想い桜」。日本三大巨桜として有名な福島県の「三春滝桜」をスケッチした下絵に、一般募集で集まった老若男女221人が花びらを描き入れたという共同作品です。開業4日間は映像を使ったインスタレーションも行われるそうで必見です。
■PHAMACY e.m.(ファーマシー イー・エム)■
どこか幻想的な風景
さて、1階をうろうろしていたら”実験室か博物館か”という風情の不思議な店を発見。巨大なトナカイの剥製、そしてシャンデリア。窓からは東京駅の赤い駅舎が見えるベストポジション!まるで異国へたどり着いたかのような空間です。「PHAMACY e.m.(ファーマシー イー・エム)」はアクセサリーブランド
e.m.がプロデュースする新スタイルのショップ。新丸ビル2Fにもe.m.のショップはありますが、こちらはアクセサリーだけでなく、キャンドルやポストカード、サボテン、お菓子まで、クリエイターのオリジナルや、地場産業から生まれたプロダクトなど、様々なアイテムを扱っています。
薬瓶に化石に不思議なオブジェに・・・
PHAMACYとは英語で調剤薬局。薬を調合するように、個性的なクリエイションによる化学反応が新しい感性や付加価値を生み出す、というコンセプトでユニークな商品を展開しています。気になったのは東京の4つの都市をイメージして作られたというキャンドル。新宿、渋谷、六本木、銀座、それぞれの香りが各都市の雰囲気を物語っています。他には、愛媛県の五十崎和紙を使った「
楚々」というブランドの紙風船、
micarinaのクッキー、
qusamuraのサボテンなどなど。ちょっと捻りがあって一味違う、感性を刺激されるセレクトです。
■H TOKYO■
スタイリッシュなハンカチずらり
続いて、3階まで上がりますとハンカチ専門店「
H TOKYO」がありました。東京・三宿の店舗以外では初出店。常時200種類近くものハンカチを扱っています。メンズを意識したセレクトですが、スタンダードなものからアート要素の高い個性的なもの、希少なヴィンテージまで数多く揃っており、実際は女性のお客さんも結構買っていきます。全て日本製のオリジナルで、縫製も日本で行われています。様々なデザイナーがデザインしたハンカチはまるでひとつのアート作品のようで、小さな布の中に、たくさんのロマンが詰まっています。
ピンバッジはポップで楽しい
ハンカチを洗うためのリネンウォーターやランドリーソープ、ハンカチ素材のトランクス、布でくるんだピンバッチなど、ハンカチにまつわるグッズも色々並んでいます。オープン記念の新作ハンカチは東京をイメージしたデザインで、一見ドットに見えて小さくtokyoと文字が書かれた
donny Grafiksのデザインや、
有田昌史氏 の東京のシンボルをグラフィカルに表現したもの、そして
村田善子氏 は、パンツに銭湯に、色とりどりの醤油皿イラストが!カラフルでユーモラスな雰囲気がとてもかわいい。
■THE SHOP■
エスカレーター上がった真正面!
good design company・水野学氏がトータルディレクションを務める「
THE SHOP」。長い年月をかけて淘汰され、選ばれてきた今までの定番品を再度見つめて価値を高め、そして新たにこれからの定番といえるプロダクトを生み出していく、という試み。店舗としては初めてのお披露目です。ファクトリーか倉庫を思わせるような店内に整然と、しかし心地よい緊張感で商品が並んでいます。きりっと積み上がった様子にほれぼれして、商品を入れる箱にもつい目が行ってしまうのですが、
材質や印字された文字フォントなどいちいち洒落ていて、箱が並んでいるだけでやたらと清々しい。箱といえどそうそう捨てることはできません。
ザ・定番が並ぶ。デザインされたボックスにも注目
リーバイス501、RHODIAのメモ帳、明治チョコレートにサクマドロップ!等々が定番品としてセレクトされています。長年愛され、使われてきたものを幅広いジャンルで、かつ徹底的に吟味した上でほんのり遊び心も交えつつ選ばれているようです。そして新たな定番としてthe shopでデザインされたものは、ガラスのコップやコースター、アルミのお弁当箱、漆椀など。どれも”これぞ”と言いたくなるような、シンプルで無駄を省いた、まるで昔からあったようなさり気ない馴染みの良さですが、素材へのこだわりや細部のデザイン等考えに考え抜かれた上での研ぎ澄まされた姿となっています。特に注目したいのは漆椀。「THE大椀」は、北大路魯山人と加賀の名塗師・辻石齋による名品・日月椀を再現し、当時の漆椀を制作した辻家の五代目・辻石齋氏に全面協力を得て、辻氏自ら制作したという椀。(しかもありえないリーズナブルさ!)。こちらは数量限定生産ですので、気になる方はお早めにチェックを。
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